- YukAlioth_ink
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自分の葬儀の後、絵描きの友人に会いに行った。「火葬の時に左手だけくすねてやろうと思ったんだが出来なかったよ」と彼は笑う。「そんなもんくすねてどうするつもりだったの」とわたしが尋ねると、白い絵の具にしようと思ったと彼は答えた。「もう僕には君が見えないからさ」#由香里さんが死んでいる
2015-09-30 15:53:14もうろうとしている。 うっすらと先程まで見ていた夢。 あやまろうとしていた友人。 えがおで、ごめん、と言って、 なんと言った?続きは? いっそ夢なぞ見なけりゃ良いのに。 #由香里さんが死んでいる
2015-09-30 16:25:44Q.「久々に仲良し組で集まったね?」 A.「ほんと久々!超楽しい」 Q.「たまには皆で旅行もいいもんだね?」 A.「そうね。仕事も忘れてさ」 Q.「明日は何するんだっけ?」 A.「えとね、5人でバイキングして、」 Q.「5人?1人足りなくない?」 A.「#由香里さんが死んでいる」
2015-09-30 16:48:55ところで #由香里さんが死んでいる タグは文章に限っておりませんのでイラスト、写真、動画、書、立体などなどご自由にご参加くださいね!
2015-09-30 22:38:05ひとは死んだら星になるというけれど、わたしの光がこの星の君に届く頃には君もとっくに死んでいて、それでもわたしはもういない君に光を送り続けてしまうんだろうと思うんだ。君も死んだら何処かで星になるかな。せめて同じ星座になれたら良いのにね。ねえ、もう届かないね。#由香里さんが死んでいる
2015-09-30 22:50:00初対面の私が「文章を書くあなたが1番あなたらしいよ」なんて言っていいのだろうか。口に出してから後悔した。ああ、彼女悲しそうにしてるじゃないか。完全に気分を害してしまった。申し訳なく思い少し俯いていた。顔を上げると彼女がいない。遠くで人だかりが出来ていた。 #由香里さんが死んでいる
2015-09-30 22:53:56@鍵:「あぁ、幸せ。私このまま死ねたらいいのに」そういい、笑ったまま動かなくなった。……彼女の紡ぐ言葉には、言霊が宿っていたという話は本当だったようだ。その身を以てして証明してくれた彼女には感謝を、そしてさようならを。 #由香里さんが死んでいる 本人許可であげさせて頂きました…。
2015-09-30 23:03:55「お願い、殺して」ガラスの靴を握りしめて君は言う。「0時を過ぎたら、またはじめからよ。たくさん殺してもらったのに、なかったことになるわ」「でも、1日に7万回も君を殺すなんて無理だよ 」彼女の肩をとんと押す。長い長い階段を転がり落ちガラスの靴が飛び散った。 #由香里さんが死んでいる
2015-09-30 23:50:07万年筆の青色が掠れてきた。なのに彼女は「これを書き終えたタイミングでインクが切れたら、ちょっと素敵だね」なんて笑って、構わず左手を動かし続けた。刻まれる字は次第に弱々しく。ねえ、みて、できたよ。彼女はほとんど見えない青で一番最後の句点を打ち、そして。 #由香里さんが死んでいる
2015-09-30 23:51:15「1日に7万回」 「そうよ」 「一体そんな数どうやって」 「それは、今からあなたと一緒に考えるのよ」 「わお、何という適当加減」 「いつものことでしょう」 私たちが考えているうちにまたどこかで #由香里さんが死んでいる
2015-09-30 23:54:22母の遺品を整理する為に、久々に実家へ戻った。主を失った家独特の寂寥感を払うように、服も家具も全て捨てていく。と、本棚の奥から手製の冊子が現れた。頁を繰ると、超短編が延々載っている。若い時分の私たちの戯れだ。彼女は元気だろうか。本の中で死に続けている彼女は。#由香里さんが死んでいる
2015-10-01 00:09:38花火大会終盤。大輪が夜空を大袈裟に彩る中、唐突に「イカ焼き食べる」と姉が歩き出した。仕方なく、姉の裾を握り俯き加減について行く。花火と雑踏の音に酔い、裾が離れる。火薬と醤油と潮の香りが鼻をつき、涙が滲む。人いきれにひとり私を残し、それきり姉は戻らなかった。#由香里さんが死んでいる
2015-10-01 00:22:03「100万回生きたねこという絵本があるんだけれどね。そう、輪廻転生を繰り返してゆく猫の話。でも、それを考えるとわたしだって1日に7万回死んでるんだから、物語になって然るべきだと思うの。だから、うん、これからもよろしく頼むよ」そう笑ってから、再び隣で #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 00:28:36そしてまた9月が死んだ。季節は次々死んでいき、カレンダーをめくるのに一生懸命で、気がつけばたくさんのものがこの手からこぼれ落ちていた。私も次々死んでいくよう。「そんなこともあるさ」と笑ったあなたの顔ももう思い出せない。勢いよく、またカレンダーをめくった。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 00:48:52一部で謎の盛り上がりを見せている #由香里さんが死んでいる の発端は5年前に書いたこれのような気がしている lucas0411.tumblr.com/post/835162212…
2015-10-01 00:56:50今度このタイトルで作品集を作りたいな。そう隣の彼女が言った。面白いが、どう展開していくのかわからない。疑問に思っていると彼女は何か察したのか、文、絵、いろいろ使うんだと身振り手振り話してくる。その話は半分頭を素通りで、私は #由香里さんが死んでいる というタイトルを見つめていた。
2015-10-01 01:03:54また、どこからか由香里が死んだという話が耳に入る。一体何度目だというのだ。由香里自身もきっと飽きているだろう。彼女が何度も死んでは生き返っていることを覚えているのは私だけなのだろうか。虚しいような気持ちを抱えながら、私はまた彼女が現れるのを待っている。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 10:45:44雨の日、田舎の国道では這い出てきた蚯蚓がそこら中で死んでいる。わたしは冷えきった足でバイパスを歩いているけれど、何処へ向かおうとしているのか思い出せない。曖昧な記憶。低気圧で頭が痛い。蚯蚓の死骸の生臭さが鼻をついて、この先は火葬場だと、不意に思い出す。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 14:30:13「とてもすごい難易度」。そう聞いて、プレーするのを戸惑った。幾多の手練をも1度は打ち破ったものらしい。いいや、と私は呟いた。それを聞いていた隣の子が1度だけなら、とやり始めた。 傍から見ても恐ろしい難易度だった。あまりの物にプレーしていた子は倒れていた。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 16:49:48雨。しくしくと降っている。 下を向いて歩いていると、赤い何かが流れてきた。なんだろう。好奇心をくすぐる。おそらく前を向けば分かるだろう。ただ、知ったところで大きな意味はなさそうだ。下を向いたまま反対を歩いた。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 17:24:07由香里さんの残機を補充する仕事を27年しています。毎日、その日に減った分だけの数を作り直すのですが、多くても日に5機ほどで、比較的ラクな仕事です。それがここ数日で、特需というのか、急に減る量が増えまして。鈍った体が悲鳴を上げています。私が死にたいですよ。 #由香里さんが死んでいる
2015-10-01 18:25:40ねえ、○○○さんって、どう読むのかな。何度も何度も、呆れるほど見た字面の筈なのに、何を意味するのか、全く分からないの。読もうとすればするほど、まとまりがなくなって、するするとほどけてしまうの。きっと皆の、大切な何かだったはずなのに。……もう思い出せない。#由香里さんが死んでいる
2015-10-01 19:30:01