朽ちる言の葉

幕末Rock8周年おめでとう㊗️🎉 @xxxofservice

｢僕の声をあげる。だから、代わりにこの想いを消して｣って夢の中で契約するソウちん 起きてみると失声症みたいに声が出ない どこか胸の奥に隙間があいてしまったように感じるが、正体は分からない。考えようとすると見えない何かの向こうに消えてしまう。 『貴方の事ばかりを歌ってしまうから』

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失声症事件と重なるようにソウちんによく似た声で皆を魅了する歌い手が現れる。沖田総司にも匹敵する歌声、と評される。だけど｢俺はお前の歌に勝るものなどないと確信している。……もう、本当に聞けないのか？｣って寂しそうに言われて心の奥が疼いて掻き乱されるようで、でも何かわからなくて。

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声にならない声で叫ぶ。 全部消した筈なのに、忘れ去った筈なのに、心の奥の奥が、魂が、どうしたって、何があったって、土方さんが好きなんだと。きっと何度記憶を消しても想いを封じても、土方さんの事を好きになるんだと。そう気付いてしまったなら、もう止められない。言葉よりも雄弁な、口付け。

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きっとこの後、｢言葉などなくとも、わかる｣って抱きしめて受け入れて、二人でニセソウちんの所に行って｢総司の声を返してもらおう｣って。 ｢契約は成立している｣というニセちんに｢その契約なら破棄だ｣｢無理だよ。消してしまったものは戻せない。だから沖田総司の声も、戻らない｣からの

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｢想いなら、ここにある｣って隣にいたソウちん引き寄せてさらっと髪を避け、顎を上げながら腰を強く抱いて深く口付ける。突然の事に驚くソウちんの肩を抱いたまま、｢総司の想いなら、もう既に俺の中にある。お前が何度消そうとも、俺が呼び起こす。 総司の声も、想いも、わたさない｣

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最初は声が出ないのイィ！から人魚姫を想定していたんだと思うんだよね イメージ合わなくてこんな事になった訳だが 代償の話は難しい この場合、お前は消せていない、だから無効だ、がまかり通る場合と、その時消したのは確かで、今そこにあるのはまた別、っていう説があって、脳内分岐がね……

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あーそうだ どうにか想いを拾い上げて口付けて受け入れてもらうんだけど、契約だから想いはまた消えてしまう せっかく通じ合えたのに伝えられない 歌も歌えない 舞台にも立てないから愛獲としてのアイデンティティも崩れていって……さらには同じような歌声の人物が持て囃されているしで

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とか考えていたんでした。で、夜中ふと目が覚めた土方さんが何か聞こえると思って庭の方へ歩いていくとそれは聞き間違えることなどない総司の歌で、庭に出てみるとそこには総司がいる。声の出ない喉を震わせて、夜空に向かってひとり歌っている。聞こえなくても分かる。土方さんはハミングで合わせる。

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｢なぜ？民衆は沖田総司の再来だとこの歌を受け入れ熱狂しているよ？｣ ｢巫山戯るな。その歌は、総司という存在あってこその、魂全てで奏でる総司だけのものだ。貴様が いくら総司の声で歌おうともそれはまがいもの……本当の歌ではない ｣ 何度も浮かび上がる想いが消える度に力が増すのもいいな

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力が増す事によって姿を似せられるようになったソイツが総司の顔で｢土方さん｣って言うの

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｢ならばお前の歌が俺よりも勝るというのなら本物と認めよう｣｢いいの？''土方さん''、この歌は、沖田総司の想いの分だけ力を増すんだよ？｣最後は土方さんとニセちんで歌勝負かなあ 隣にいたソウちんも声は出ないけど歌うの 声が出なくたって、歌までなくしたわけじゃない、みたいな？

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｢なぜ……｣ってなるニセちんに、｢総司の想いを受けて力を増すのは俺の歌の方だ。こいつがそばにいて、負けるわけがない｣ ……ってくさすぎだなぁ…… ｢わかったよ。そこまで言うのなら代償と共に声を返そう。沖田総司も、それでいいんだね？｣ ってなって頷く総司。歌のために色々引き出され

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グッタリした総司を抱えて踵を返す土方さんに、ニセちんが｢てもね、そいつはまたすぐに僕の所へ来るよ｣って不穏な言葉を残す。振り返るともうその姿はない。ぎゅっと抱える腕に力を込めながら、そんなことは無い。こいつの想いなら全部俺が受け止める。もう消させやしない。そう誓って屯所に戻る。

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｢おはようございます、土方さん｣とやや憔悴はしているものの照れたような笑顔と、なにより艶のある、懐かしい声で名を呼ばれる。｢なんだか、久し振りに呼ぶから変な感じです｣そう言う総司に｢そうだな｣と返す。声は戻った。ならば想いも、胸のうちに蘇ったのだろうか。いや、無理には聞くまい。

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きっとその時が来れば話してくれるだろう。何よりあの夜の口付けが全てを物語っているように思えた。今はまた声が聞けるようになっただけで、名を呼んでもらえるだけでいい。だから、何も問いはしない。｢土方さん｣｢なんだ｣｢ふふっ｣その笑顔だけで十分だ。 翌朝、総司の姿はどこにもなかった。