宮廷歌手小森輝彦さんのツイートまとめ第14回「東京二期会オペラ劇場「ダナエの愛」公演後記」

日本人初ドイツ宮廷歌手、小森輝彦さんのツイートまとめです。
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小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

二期会オペラ公演「ダナエの愛」昨日で終わってしまいました。昨日出演者やスタッフが口をそろえて言っていましたが、こんなに「終わって欲しくない」プロダクションは稀だと思います。 大変な作品、僕自身は役が異常に大変な役で苦しみましたが、幸せな時間でした。いや、マゾじゃないですよ。

2015-10-05 09:34:28
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

日本初演のこの作品で、終演後のお客様の熱気を感じると言うこと自体がすごいのではないかと思う。この点、間違いなく深作健太さんの功績です。健太さん、本当にありがとう。健太さんが一番「幸せです」と口にして下さってた気がするけど、みんなを幸せにしていた張本人は、健太さん、あなたですよ。

2015-10-05 09:36:13
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

GPなど、稽古のレポートも沢山出していただきました。プレスの皆さんの熱意にも今回は本当に感謝したい。この作品を見てもらいたい!と思って下さったのがビシビシ伝わってきました。 ぶらあぼさんのこのエントリ。たまりません。 on.fb.me/1Ma4KrM

2015-10-05 09:40:09
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

健太さんには、日本R.シュトラウス協会の例会にも出ていただけて、あそこでも、来て下さった会員の皆さんが「来た良かった!」「オペラが楽しみ!」と口々に感激を口にしてお帰りになりました。きっと本番をこの例会のおかげで何倍か楽しめたんじゃないでしょうか。この点でも心から感謝です。

2015-10-05 09:41:51
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

今回の「ダナエの愛」を見て、R.シュトラウスは素敵、と思った方、きっと多かったんじゃないでしょうか?シュトラウスにはまっちゃおう!と思った方いらっしゃるかな? 僕がR.シュトラウスにはまったのは日本R.シュトラウス協会例会でした。サヴァリッシュ先生の演奏付き講義。これがすごかった

2015-10-05 09:45:11
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

もう25年くらい前のことですが、藝大の2ホールで日本R.シュトラウス協会例会があり、サヴァリッシュ先生がピアノの演奏付きで「R.シュトラウスのオペラと調性の関係」という講義をして下さった。これで僕はR.シュトラウスにイカレてしまいました。すぐ入会して、今は運営にも関わっています

2015-10-05 09:47:09
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

意外だったのは、もう一人のユピテルの大沼さんがこの講義の存在を知っていたこと。「文書で残ってるんですよ!」なんて言ってらして。そう。日本R.シュトラウス協会の年誌に収録されています。 調性と雰囲気、ニュアンスの関係について目を開かされたのはこの講義によってです。

2015-10-05 09:48:49
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

通し稽古だったか3幕のダナエがユピテルに金のバラを返すくだり。ここで突然涙が噴き出してきて、あれ?と自分で思いました。最後の本当の別れを求められたわけですが、ここがDes-durなんですね。件の講義にもありましたが、これは厳粛さの調性。別れの儀式。調性の事に気づいたのは後でですが

2015-10-05 09:52:49
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

サヴァリッシュ先生は、ご自分での講義を影のない女の日本初演の前などでもして下さったけれど、何より来日する度にすごいアーティストを連れて例会で演奏をして下さったんですね。ポップさん、ヴァイクルさん、モルさん、プライさん、ディースカウさん・・・枚挙に暇がありません。

2015-10-05 09:54:29
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

「ダナエの愛」金曜日に初日を迎えたわけですが、中日の本番を見逃すわけには行かず、東京文化会館に出かけました。本番と本番の間の日ではありましたが、僕が客席でこの作品の本番を見られる唯一の可能性! でも本当に見て良かった。感動だけでなく刺激を沢山受けて帰ってきました。

2015-10-05 10:01:27
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

佐々木組の皆さんの芝居は僕らの区身と全然違うところが沢山あった。ここも深作さんの懐の深さだと思う。 最後の佐々木さん、大沼さんのちょうだいなデュエットでは「あ!この手があったか!やられた〜」と感心しつつも悔しい気持になったところがいくつも。ポジティブな嫉妬、って言って良いのかな?

2015-10-05 10:03:41
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

佐々木さんは完全に少女になっている(貫禄とはかなさは共存する)し、大沼さんは堂々たるユピテルで、あっという間の40分・・・舞台に立った二人でこの時間は実は長いのに。 大沼さんはあの若さでどうやったらあの貫禄が出るんだろう。体躯や声の豊かさもですが、芝居のセンスがすごいです。

2015-10-05 10:08:17
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

佐々木組の本番を見てあまりにも刺激を受けてしまった事もあり、本番の間の休息日なのに帰ってきてから練習してしまった。昨日の本番でそれは実を結んだので有益だったけど、まぁ普通はしないですよね。違う表現をしなければならない箇所が出来て一度技術的に検証せざるを得なかった。ビョーキですね。

2015-10-05 10:11:38
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

でも、それくらい、全てを出さなくちゃ、という衝動、感覚があったのも事実。肉体を酷使しすぎて自己満足の領域に入ってはいけないが、今回のプロダクションのメンバーの顔が浮かんで、やらなきゃ、と思ったのですね。それ自体が幸せなこと 昨日の本番で全てを出せなかったにしても未来に繋がる事だし

2015-10-05 10:13:48
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

準・メルクルさんが終演後のミニ・レセプションで、若杉先生の事を口にされた。僕はこの事で彼にお礼を言いたかったのだけど、機会を逸してしまい、痛恨。若杉先生のアイディアから始まったプロダクションだと。 若杉先生は2006年の演奏会形式を指揮されて、舞台上演を強く望んでおられたとの事

2015-10-05 10:15:38
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

僕にとっては殆ど、R.シュトラウス=若杉先生です。若杉チャイルドと言って良いと思うのだけど、音楽を、特にR.シュトラウスをどう演奏するかは若杉先生から学んだのです。若杉先生との出会いも研修所特別講義でのアラベラの二重唱だった。サロメ、インテルメッツォ、アリアドネ…。僕の宝物です

2015-10-05 10:17:50
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

若杉先生がミュンヘンでダナエを振ったプロダクションで準・メルクルさんが稽古ピアノを弾いておられたと、どこかで読んだ気がするのですが、色々なところでの人のつながりがこうして奇跡の起爆剤になっていると思うと、本当に感無量です。

2015-10-05 10:19:30
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

準・メルクルさんは本番をのびのびやらせて下さる指揮者で、僕ら歌手陣も、そしてご本人も本番を楽しめたのではないかと思う。「この作品をやらせてもらえることに感謝してる」とカーテンコール待ちの時に言って下さいましたが、彼のこういう謙虚さと演奏者としての大胆さの共存がすごいと思う。

2015-10-05 10:21:19