【ミイラレ!第十八話:町の神様たちのこと】(実況付き)
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トリルは何を思って彼女を助けたのかな。きっとそれは四季君に会うためだけじゃないと思う。オカ研とずっと行動を共にしてただろうしね。 #4215tk
2015-10-06 21:05:21オツカレサマドスエ!新たな敵の登場だ! あと、高校生三人+悪魔の楽しい日常があったことが分かってちょっと嬉しい。トリルの友好的な知り合いが四季君だけってのも寂しいからね。 #4215tk
2015-10-06 21:09:39「ああ、ここだね」怜に合わせて四季は立ち止まる。雨が傘を打つ音だけが周囲に響く。彼らの目の前にあるのは小さな神社だ。周囲にも中にも人影はない。この天気なのだから、当然といえば当然なのだが。「ねえ、怜。こういう町にもいるの?その……神様って」「もちろん」29 #4215tk
2015-10-07 20:42:08退魔師はあっさりと答える。「どんなところにでも神様はいるよ。……こっちに来た時にさっさと挨拶に行けばよかったんだけど。いろいろごたごたがあったから遅れちゃった。まったく」不満気に呟きながら、怜が鳥居へと進む。四季は慌ててその後を追った。30 #4215tk
2015-10-07 20:45:04無論のこと、彼らがこの近場の神社に訪れているのには理由がある。この町の神へ面会するためだ。怜の提案である。『この町に蔓延る怪異の情報が得られるだけでも有益』退魔師の首に巻きついた白い蛇神、朽縄御前が言う。『協力が得られるならばなお良いが、さて』31 #4215tk
2015-10-07 20:48:27平然と進んでいく怜に対し、四季はだいぶ緊張していた。『別に大丈夫だと思うけどなァ』頭に響く声はナナのもの。あの騒動が済んだあとも、結局彼に憑いたままなのだ。『案外気安いもんだぜ、最近の神様って』「本当?」『マジ、マジ。てか大将は今更ビビる必要ねえって』32 #4215tk
2015-10-07 20:51:07軽い口調で言われ、四季は思わず溜息をつく。そうは言われても緊張するものは緊張するのだ……と。「あれ?」鳥居を潜っていた彼はふと異変に気付く。雨音がなくなっている。空を仰いで目を丸くした。重苦しい灰色の雲が広がっていたはずの空に、太陽が輝いている。33 #4215tk
2015-10-07 20:54:09「……まさか一発で入れるとはね」後方からの声に、四季は慌てて振り向いた。いつの間にか怜がそこにいる。「あ、あれ?俺、いつ追い越したっけ?」「気づかずに入ってたのか……そりゃ神隠しにも遭うよ」深く溜息をつかれる。「私でも、ここに入るのには準備がいるのにさ」34 #4215tk
2015-10-07 20:57:24「ここ、って」ただ神社に入っただけではないのか?四季が問おうとしたそのとき。「もし」「はい?……わっ」またも背中に声をかけられ振り向いた彼は、声の主を見て驚く。そこに佇んでいたのは狛犬だ。石像ではない。黄色の毛皮に覆われたその体は、確かに息づいている。35 #4215tk
2015-10-07 21:00:27「貴方は迷い人かな?それとも客人か」狛犬が問う。四季はふと気づく。その横には白い毛皮に太く短い一本角を持つもう一体の狛犬がおり、そちらは口を結んで怜に視線を注いでいる。「後ろの退魔師殿は、貴方の御友人と見てよいか?」「あ、はい!そうです!」36 #4215tk
2015-10-07 21:03:14慌てて頷く四季を、黄色い狛犬はじっと見つめた。ついで白い狛犬に視線を送る。白い方がむっつりと頷いてみせた。「成る程!これは珍しいことですな」黄色の狛犬が破顔する。「特に退魔師以外の人の子がここを訪れるのは。もう何十年ぶりのことでしょう」37 #4215tk
2015-10-07 21:06:36パタパタと尾を振りながら見上げてくる黄狛犬に、四季は愛想笑いを浮かべた。「おい」「ん、わかっておる!……失礼いたしました。それで、ご用件は?」ぼそりと白狛犬に促され、黄狛犬が四季たちを見つめる。「天照様と倉稲魂様にお目通りを」怜が答えた。38 #4215tk
2015-10-07 21:09:23