【ミイラレ!第十八話:町の神様たちのこと】(実況付き)

怪異に好かれる少年と退魔師の少女がなんやかんやするお話。昔話とか今後の対策とか。
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@hiiragi_r_t_d

ギャハハハ!薫先輩トバすねぇ! #4215tk

2015-10-05 21:09:00
@hiiragi_r_t_d

うん、名鑑にそんなやついたね #4215tk

2015-10-05 21:10:48


鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「魔女になった」四季は呟く。「よくわからないんですけど、トリルと契約したときから魔女になったんじゃないんですか?」「んー、ちょっと違う」薫は少し考え込んでから言った。「たしかにあの頃もトリルの力を借りれば魔法は使えた。けど、まだ人間だったよ」15 #4215tk

2015-10-06 20:06:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

四季はわずかに首を捻る。魔法を使える者がすなわち魔女、というわけではないのか?どこか憂鬱そうに溜息をついてから、薫は話し始めた。「怜ちゃんには言ってたっけ?私が魔女になったのは去年の夏休みごろでさ。それまではトリルに力を貸してもらったりして楽しんでたんだよ」16 #4215tk

2015-10-06 20:09:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

あ、と怜が小さな声を上げる。薫の話は続く。「念願のオカ研に入ってさ。友達もできて……ああ、紅子とかいなのことね……まあ面白おかしい日々を送ってたわけだよ。あのときまでは」薫の顔が小さく歪む。「オカ研の活動……って名目で、みんなで晩御飯食べに行った帰りまではね」17 #4215tk

2015-10-06 20:12:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なにが、あったんですか」真剣な面持ちで怜が尋ねる。薫は肩を竦めた。「それはあたしたちの方が知りたいよ。なんか黒い人影がこっちに向かってきて、それに気づいたときにはもう遅かった。あたしは血の海の中に倒れてて、バラバラになったかいなと紅子を見てたんだ」18 #4215tk

2015-10-06 20:15:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

小さく息を呑む音がする。それが怜だったのか、あるいは自分だったのか。四季にはよくわからない。かいなは沈痛に俯いており、紅子は眉間に深いしわを作っている。「かくいうあたしも、こういう有様でさ」不意に立ち上がった薫が、制服の裾を捲ってスカートをややずり下げた。19 #4215tk

2015-10-06 20:18:20
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

慌てて目を逸らそうとした四季は、それでも薫が見せようとしたものに釘付けになった。下腹部を切り裂かんばかりに横に走った、酷い傷痕。「これ、魔女になった今でも全然治る気配がないんだよね。今年のプール、どうしようかなあ」溜息混じりに魔女は服を元に戻す。20 #4215tk

2015-10-06 20:21:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

四季はその冗談にも言葉を返せない。普通に考えて、あの傷を受ければ人は死ぬ。「……どうやって、助かったんです?」「助かったというか、助けてくれたんだね。トリルが」薫が笑う。いつものように。「いよいよヤバいなーってときに駆けつけてくれてさ。血を分けてくれたんだ」21 #4215tk

2015-10-06 20:24:14
栗なご @kurinago77

魔女になっても治る気配が無いとなると何らかの呪いめいた傷跡という可能性もあるのかも…。 原因を作った黒い人影の正体を突き止めて、倒すなり何なりしないと治らないのかもね。 #4215tk

2015-10-06 20:25:46
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「血を?」怜が訝しげに呟く。少し間をおいて、彼女は小さく呻いた。「……そうか。そのときに魔女に」「そういうこと。あのときの感覚、今でも忘れられないよ」薫が恍惚とした笑みを浮かべ、すぐに消す。「それからは大急ぎだよ。二人を必死に繋ぎとめなきゃならなかったから」22 #4215tk

2015-10-06 20:27:19
栗なご @kurinago77

まるで吸血鬼か何かが眷属を増やすような感じだ…。 七つの大罪クラスの悪魔ともなると、死に掛けの人間を眷属にして蘇生させる位の力はあるのだなぁ…。 #4215tk

2015-10-06 20:30:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

薫は二人の友人たちを見やる。彼女たちはなにも言わない。「さ、これであたしの話はおしまい。トリルと出会えたのも魔女になれたのも、結局は単なる偶然だよ」四季はなにも言わない。言えない。怜もまた同じようだった。「ちょっと、そんな深刻な顔しないでってば」23 #4215tk

2015-10-06 20:30:19
栗なご @kurinago77

いや、境遇自体も深刻だし…その黒い人影とやらはあからさまにヤバそうだし…そりゃあシリアスにもなるよ。 #4215tk

2015-10-06 20:32:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

薫が困ったように笑う。「今になってはいい思い出だよ。少なくともあたしにとってはね。……ただ」その目に、一瞬だけなんとも言えない感情が宿る。「あのときのあいつは、やっぱりなんとかしなきゃとは思うんだけどさ」「そのあいつというのは、やはり怪異なんですか?」24 #4215tk

2015-10-06 20:33:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怜の問いに薫は頷いた。「そう……みたいだね。少なくともトリルはそう言ってる。ただ、トリルにも正体はよくわからなかったみたい」「そう、ですか」「あ、この間説教されたときに退魔師の大人の人たちには言ってあるから。なんとかするとは言ってたけど、どうだろうねえ」25 #4215tk

2015-10-06 20:36:19
栗なご @kurinago77

まあ、人間技じゃないし、怪異だろうね…しかし正体は謎…間違いなく、一筋縄じゃいかない相手だろうなぁ…。 #4215tk

2015-10-06 20:38:51
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

やや重い沈黙が部室を支配する。それぞれが暗い表情を浮かべるところを、薫だけが困った様子で見回していた。「……心配なのはさ」沈黙を破ったのは紅子。彼女はまっすぐに四季を見つめた。「やっぱり君なんだよな、下級生くん」「えっ?」彼はきょとんと彼女を見返す。26 #4215tk

2015-10-06 20:39:19
栗なご @kurinago77

四季君は怪異引き寄せる体質だしねぇ…そいつが次に四季君の所に行かないとも限らない訳だし…。 #4215tk

2015-10-06 20:42:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そっか。考えればそうだね」かいなが頷きながら同意した。「あいつが怪異で、まだこの町にいるのなら」「遅かれ早かれ、いつかは四季を狙ってくる?」怜が続く。その表情は険しい。一斉に視線を向けられ、四季は思わずたじろいだ。「対策が必要かもね」退魔師は小さく呟いた。27 #4215tk

2015-10-06 20:42:15
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