【起承転結終】ツイノベリレー2011/01/11~12【突発即興】

今回は変則5人リレー。
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ドロドロセレックス @p_cyclase

【起】一面の焼け野原に、一件の駄菓子屋があった。店主は不気味な笑顔の老婆。客は麦わら帽子の少年ひとり。 「おばちゃん、本当に、このクジが当たったら……」 「ああ、一等なら、会いたい誰かに会えるんだ。焼け死んだ母ちゃんにだってねえ」 少年が握りしめた10円玉は、最後のひとつ。

2011-01-11 23:19:16
rale @rale_twt

【承】どうしてこうなったのか、少年にはわからなかった。 全ての始まりは昨日。街が燃えた日。 炎。悲鳴。恐怖。少年はただ走り続けた。 最後に見たのは――炎に包まれながらも、必死に何かを叫ぶ母親の姿。 そして気づけば、この場所に居た。 少年は、握り閉めた手を、そっと老婆に差し出した。

2011-01-11 23:45:50
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佐藤“頭痛役”太一郎 @robonagare

【結】赤。赤。赤。炎のような──赤。熱い。熱い。くじを持つ手が焼けるように──熱い。「ひっひっ、お母さんと仲良くねぇ──」老婆の声は遠く、少年の意識は朦朧と── 少年の目には焦げる空。くじを持つはずの手が重い。熱さはない。視線を向ける。その手は母の両手の中で、共に炎に包まれていた

2011-01-12 00:15:51
江田・K【小説書き】 @koudakei

【終】遠のいた意識が何かを突き抜け――、覚醒した少年は母の声を聞いた。「どうしたの?」繋いだ手を引く母が不思議そうに覗き込む。町も、母も無事だ。視界の端、街並みに埋もれるような駄菓子屋が見えた。「お菓子買う?」少年は首を振った。空いた手の平には十円玉のカタチの火傷の痕が、あった。

2011-01-12 00:24:50