DedicateToSkating ‏@DedicateSkatingさんによるエラジ・バルデ選手インタビュー・記事翻訳

2015年7月に Skate Canada に掲載されたビバリー・スミス氏執筆の記事、「ネーベルホルン杯優勝インタビュー」とicenetworkでビバリー・スミスさんが書かれた記事の美しく熱い感動的な日本語訳です。
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DedicateToSkating @DedicateSkating

①いい滑りができて本当にうれしい。ホームリンクで練習の時にやっているようにやろう、そんなふうにできると思って臨んだ。そしてやり遂げることができた。(Q:観客とも、素晴らしい夜を共有できましたね)フリーの演技中、心と体の感覚、やろうとしていることがうまくかみ合った。

2015-09-27 02:43:13
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②そのあたりが観客にも伝わって、楽しませることができたと思う。演技を終えた時、スタンディングオベーションをしてくれたのは少し驚きだった。僕が演技という贈り物をし、観客は(スタオベという)すばらしい形で返してくれた。(Q昨季のはナショナルで惨敗、国代表から漏れた後、どう対処した?)

2015-09-27 02:45:43
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③とても難しかった。ワールドに行けず、ナショナルメンバーからも外れてショックだった。そこから色んなことを見つめ直した。自分が何者で、なぜスケートをするのか。色んなことを考え直し、変更した。ホームに戻り、ルーツを辿り、ブルーノ&ジュリーマルコット、マノン・ペロンに習うことになった。

2015-09-27 02:47:49
DedicateToSkating @DedicateSkating

④素晴らしいチームに恵まれ、その絆の力がもたらす魔法にかかったようだ。このチームの一員になれてとても幸せ。(Qホームで気づいたことは)人として育ち、進化しているということです。アスリートとしてだけでなく人として生きているということ、人生にちりばめられた多くの美しい事象に気づけた。

2015-09-27 02:49:43
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑤その気づきによって、日々の様々なことにも、競技生活に対しても、もっとおおらかに構えられるようになった。アフリカの旅はたくさんの変化をもたらしてくれた。自分が何者であるか、そのルーツを知り、ギニアの家族にも会うことができた。この体験を通して、人としても大きく変わったと思う。

2015-09-27 02:50:28
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⑥心からスケートを楽しめるから、今こうして滑っているとも言えます。自分が何者なのか、ありのままを氷の上で表現するようになった。(Q国際試合で、自分の結果によって国歌を流すのは初めてだったんですね)素晴らしい瞬間だった。これまでカナダ人として、ずっとカナダのために戦ってきた。

2015-09-27 02:51:39
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑦パトリックやケイトリン、メーガン&エリックが国旗を揚げ、国歌が流れ表彰台のまん中に立っているのを見てきた。いつか自分もそこに立ち、国旗が揚がるのを見たいと思っていた。感動的で最高の瞬間だったし、もう一度あの場に立ちたい。そのためにさらにトレーニングをして、また体験したいと思う。

2015-09-27 02:53:48
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑧表彰台のまん中が初めてなだけでなく、5年間シニアで戦ってきて、今回がシニア国際大会初メダル。これまでの努力、決断があり、練習でいろんな人に支えられ、そのすべてかみ合った。優勝する力はあると思っていたが、実現のためには足りない要素があった。ついにその時が来た。本当にうれしい(終)

2015-09-27 02:57:09
DedicateToSkating @DedicateSkating

【エラジ優勝後記】昨季のナショナル惨敗後、競技生活を再考するタイミングに、自身を見つめ直すアフリカ行が重なったところから、このドラマの幕は開けていたのかもしれません。おじいさんが示した道しるべでしょうか。icenetworkに、マノンペロンさんとの練習について書いてありました。

2015-09-27 03:12:17
DedicateToSkating @DedicateSkating

【エラジ優勝後事】マノンが強くプッシュしてくれる。最初の練習で20分に150回ジャンプを飛んだ。ただやりなさい、と妥協がなかったと。今大会でジャンプに大きなミスなく、安定感を得た背景には、24歳に課せられたスパルタ練習の成果もあったのでしょう。素晴らしいシーズンのスタート。

2015-09-27 03:25:49
DedicateToSkating @DedicateSkating

【エラジ優勝後記】町田君、ダイス、無良君、セルゲイ、ミンショフほか、遅咲きの選手が活躍する中、エラジもその仲間入りとなるでしょうか。心身ともに充実していることが画面越しに伝わってきました。インタビューでも表彰台でも幸せそうだったエラジ。万感の思いが次の活躍につながればと願います。

2015-09-27 03:33:49
DedicateToSkating @DedicateSkating

【バルデさん追加エピ】icenetworkにビバリー・スミスさんが書いてくれています。ビバリーさん自身、彼の奥深い物語と短期間での変化に、感銘を受けたのでしょうね、流し読みするとアップを放置してしまいそうなので、要素のみつなげて書きます。それでも深いです。秘話満載です。

2015-10-07 02:18:35
DedicateToSkating @DedicateSkating

①先のネーベルホルンの優勝は、バルデが新たな姿に生まれ変わったことを強く印象づけるものだった。地元のモントリオールに戻ったのは、ドル高の影響。米デトロイトで佐藤有香、ジェイソン・ダンジェンに師事していると(カナダドルで支払う額に見合う形で)十分なトレーニングを確保できないため。

2015-10-07 02:20:23
DedicateToSkating @DedicateSkating

②労働ビザがなく米国では働けない。コーチ料を払うため多くのショーに出たが、その結果、練習を積めないという悪循環にも陥っていた。渋々、モントリオールの実家に戻ったのだ。「デトロイトを去る時、悲しくて有香やジェイソンと一緒に泣いたよ。僕のキャリアを救ってくれた人たちだったからね」

2015-10-07 02:21:50
DedicateToSkating @DedicateSkating

③2011年にデトロイトに移った時は、何もかもうまくいっていない時だった。進むべき方向を示し、導いてくれたのが佐藤&ダンジェンコーチだった。一方、家族の元を離れていることへのさみしさはいつも感じていた。惨敗したナショナル以降、彼自身が滑ることを楽しめなくなっていたのも問題だった。

2015-10-07 03:20:44
DedicateToSkating @DedicateSkating

④「国内王者になれると信じてやってきたけど、じゃあ、僕って何なのか?答えは見つからなかった。さらになぜスケートをするのかとも考え始めた。楽しめないのになぜここにいるのか。何のためにやっているのか。突き詰めていくと、すべて受け身じゃないかと。自分の内面からは何もでてこなかったんだ」

2015-10-07 03:22:31
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑤滑りたい、スケートが心から好きだという気持ちがわき出るまで、氷から離れることにした。もし、そう思えなかったら彼はスケートを辞めていたかもしれない。ヒントはショーで味わう感覚にあった。「僕が演技をすると必ず、お客さんが反応を返してくれる。それはどのスケーターにもあるものではない」

2015-10-07 03:24:10
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑥「観客とつながれる資質は天賦のもの、自分の持ち味なんだと気づいた。その感覚が僕は大好きなんだと改めて感じたんだ」。4月、ブルーノ・マルコットと会った。ペアコーチとして名高いが、バンクーバーでジョアン・マクラウドとともにケビン・レイノルズやジェレミー・テンを見てきた経験がある。

2015-10-07 03:24:37
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑦「互いのスケート哲学や人生観を語り合う中で相通じるものがあった。すぐ一緒にやっていけると確信したね」とブルーノは述懐する。ジュリー・マルコットの振り付けたSPは変則的なジャズナンバー。気まぐれな旋律にタメのあるリズムを刻んでいく挑戦的なプログラムも飛躍を助ける1ピースとなった。

2015-10-07 03:25:06
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑧体を絞ったことも躍進の一因となった。ビーガンのメーガン・デュハメルの食習慣を取り入れることにした。動物性の食物を控えることで、約6キロの減量に成功。以前は45分の練習セッションごとに長い休憩を取らないと体が持たなかったが、今は1セッションが1時間に延び、間の休憩も10分だけ。

2015-10-07 03:25:41
DedicateToSkating @DedicateSkating

⑨それでも練習中へばることなく活力がみなぎっている。疲労回復も早くなり、翌日の練習にもすんなり入っていける。ロシェットを指導したマノン・ペロンの存在も大きい。「ブルーノはすごいコーチ。精神面の持って行き方をよく分かっているなと思う」。24歳。ついに機は熟したのだ。(終)

2015-10-07 03:26:04
DedicateToSkating @DedicateSkating

【バルデ後記】有香さんの元を後ろ髪を引かれる思いで去ったこと、メーガンのビーガンによる肉体改造、資金難、葛藤…。紆余曲折を経て、それでも滑りたいと戻ってきた真央選手やカロリーナともどこか重なります。表現の裏側にある思いを掘り下げる過程もこのスポーツを見る妙味といえそうです。(終)

2015-10-07 03:26:32
DedicateToSkating @DedicateSkating

次はエラジ沼から抜け出して(笑)、別の選手の趣深い話を見つけて投下したいと思います。勝敗だけでなく、スケート競技を通して見えてくる心の機微を書き留めておきたいと思うので、メーンストリームというよりは隙間を埋めることを意識したチョイスになると思います。断続的に長々と失礼致しました。

2015-10-07 03:30:20