2014年9〜10月頃 狭間と彩雅

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狭間 駿 @c_yu_n

@tune_sig89 狭間】特に引き止められることがなければ、退出しようと個室の出口に向けて、歩きだそう。

2015-10-13 17:48:17
--- @tune_sig89

@c_yu_n 彩雅】「…」引き留めることはない。部屋を出ていく背中を見つめながら、最後に彼が投げかけた表情と言葉が思考に引っかかる。

2015-10-13 17:54:56
狭間 駿 @c_yu_n

@tune_sig89 狭間】あとは振り返らず、部屋を、そして店を出てゆく。僅かな笑みだけ含んだまま、特に早足でも、特にゆっくりでもなくフロアの床を踏んで歩きながら、無機的にまばたきをする。周りを見るでもなく下りエスカレーターに乗って、さっきまでいた空間をあとにして、降りてゆく。

2015-10-13 17:58:26
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】アメリカンチェリーとチョコレートの、どこか薬品の気配を感じるような上品で繊細な味は、その印象の記憶だけ残してもう、口の中から消えている。上等なエスブレッソの芳醇な苦みの、冷めた残り香が残っている気がして、舌先で頬の内側を、拭うように舐める。

2015-10-13 18:02:40
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】有意義か無為かと問われれば、有意義だった気がする。楽しかったよ、と言って揺れた細い鎖を思い返す。楽しかったかどうかと問われると、自分にはよく分からない。しかし不快だったかと思うと、そういうわけでもない。幻のように、実体があるようでないような、でもある時間だったように思う。

2015-10-13 18:04:58
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】(………、) デパートのエントランスを出たあたりで、振り返って振り仰ぐ。さっきの喫茶店があった場所に見当をつけて、それを見上げる。

2015-10-13 18:05:58
--- @tune_sig89

彩雅】「…」少年が出て行った部屋の中で一人になり、テーブルに肩肘をついて手の平に顎を乗せ、視線の先にあった窓から東京の灰色がかった街を眺めながら、ふぅんと一息つく。

2015-10-13 18:06:59
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】(……ろくな仕事じゃないと思いますよ、人身売買なんて。マジで。) 改めて、そこにいた人物に呼びかけるように言語化して頭の中で考えて、それから、視線を街の、雑踏の中に戻す。ポケットに指を引っかけるようにして、歩きだす。

2015-10-13 18:07:54
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】(……なんか、食べて帰ろっかな…、) ハイジはガッコ、終わってるかなあ、と、ぼんやり考える。どこかでなにか、甘いものでも食べて、帰りたいな、と思った。 金木犀の香りが、風に乗ってまた、鼻先をかすめて消えていった。

2015-10-13 18:09:40
--- @tune_sig89

彩雅】(『ろくな仕事じゃない』)それを理解していないで仕事を続けているほど自分も連中も純粋じゃない。それよりも彼の残したその言葉と、笑顔が一体何を意味しているのか、ふつ、と泡のような興味が再び芽生える。

2015-10-13 18:13:58
--- @tune_sig89

彩雅】日が短くなった空は澄んだ青からオレンジの夕暮れに色を変えている。水色の瞳が瞬きをしてその空を見つめている。(まさか忠告…まさかね)彼がこの短い中で自分に何か見つけたのか気になるところだ。

2015-10-13 18:22:44
--- @tune_sig89

彩雅】ただ単純に組織自体を終わらせてほしいというならその心も理解しよう。(もし君がボクらを言いくるめられるようになったら考えてやってもいいよ)もういくか、と帽子をかぶり直し立ち上がる。ゆっくり歩きながらデパートを出れば散策するようにふらりと目的も無く歩を進める。

2015-10-13 18:30:34
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