自分の生き様のドキュメンタリー映画化は、挫折からくる人生のストーリー的破綻を阻止する

自分の描いたストーリーライン上の主役でいられなくなった時点をもって人は子供のときからの夢を諦めたこととなる http://togetter.com/li/881369 の続き 続きを読む
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アトレティコ・アドリー @rrrt77

今ある映画監督が野球選手の人生に関するドキュメンタリー映画を撮影しろという課題をつきつけられたとする さらにその主役として、先に3人の選手がすでにリストアップされているものとする

2015-10-08 17:34:12
アトレティコ・アドリー @rrrt77

一人はイチローで、一人はとあるNPBのチームに在籍するそこそこの選手で もう一人は地域リーグに属するチームの万年ベンチ要員であったとする ここで多くの人間は、それがよほどのひねくれものでなければとりあえずイチローに目がいくことになる

2015-10-08 17:34:58
アトレティコ・アドリー @rrrt77

すでにいたるところで伝記化されているその生涯は物語的要素に溢れ題材には事欠かない 仮に語りつくされていようがここは自分なりの切り口でと野心を抱き行動を起こす後姿は容易に想像できる では残る二人、つまりNPBのそこそこの選手と万年ベンチ要員との比較についてはどうか?

2015-10-08 17:48:25
アトレティコ・アドリー @rrrt77

ここで「そこそこ」の定義についてであるが 例えば全盛期の数年を、野手ならば2割6分 8本 46打点 投手ならば7勝4敗 防御率 3.92 程度でまわし、特に優勝に絡んだり、世間一般で衆知されるほど印象に残る活躍は見せず

2015-10-08 18:03:40
アトレティコ・アドリー @rrrt77

あまり新聞紙面をにぎわすこともなく気がつけば引退していたというくらいの選手というとする ただ「そこそこ」というのはあまり目立たないという意味合いであって 数え切れない野球少年達の憧れで、しかしながらそのごく一握りしかなれない野球選手になり

2015-10-08 18:09:58
アトレティコ・アドリー @rrrt77

しかも一軍で何年かプレーできた時点でそれは大変な成功者であるということは疑いようもない事実である 野球という同じルールで行われるスポーツにおけるレベル、知名度、年収などに関しては 地域リーグのベンチ要員と雲泥の開きがある

2015-10-08 18:17:23
アトレティコ・アドリー @rrrt77

どちらのほうが魅力的に感じられるか? ドキュメンタリー映画という半現実のフィルターを通して見た場合、弱者の人生にほうにより いや弱者であればあるほど、価値が感じられる事例は往々にしてある

2015-10-08 18:25:03
アトレティコ・アドリー @rrrt77

野球選手として一定以上の高い能力、技量を持ち 安定してプレーの場に恵まれたものの、それが故に誰の目にも明白な悲劇性を見に纏わず ただただ呼吸をするかのごとく淡々とプレーして去っていった選手の一打数一試合一シーズンに何か特別なテーマ性を与えることは難しい

2015-10-08 18:41:38
アトレティコ・アドリー @rrrt77

もちろんその選手にはその選手なりの苦悩、努力、情熱、歓喜、悲哀があったことは間違いないのだが ドキュメンタリー映画というジャンルの雰囲気を考えると、作り手としてそれを浮き上がらせるのが困難であるのだ そこにはある種視聴者側の そしてその視聴者を意識するカメラ側の 残忍な視点がある

2015-10-08 18:50:25
アトレティコ・アドリー @rrrt77

これと比較すれば 恵まれない立場にある地域リーグの万年ベンチ要員から発せられるテーマ性は明確である 仮に出番がないならないで、座して試合を見つめるその姿自体に 万一、一打席でも与えられようものならその打席には確実に 映画の全ての尺を割いても余りある価値が宿る

2015-10-08 18:59:43
アトレティコ・アドリー @rrrt77

野球選手として高い評価を受けられず、苦渋に浸り、出番を限定されるからこそ逆に映像上での輝きが増すのである だが無論、その本体の内面は、仮にそれがドキュメンタリー映画化された場合観客の網膜に焼き付くその像とは 必ずしも一致しないであろう

2015-10-08 19:04:10
アトレティコ・アドリー @rrrt77

NPBで活躍し賞賛され荒稼ぎする自分を夢見ていたにもかかわらずなんでこんなことになったのかと悔いているかもしれないし 野球なんてくだらないスポーツはさっさとやめたいと考えているかもしれないし 頭の中はすでに転職のことでいっぱいかもしれないし

2015-10-08 19:07:32
アトレティコ・アドリー @rrrt77

さっさと家に帰りたいとばかり願っているかもしれない だとすればこの選手の中で彼の野球選手としてのストーリーは折れかかっているのだ そして映画であかの他人に勝手な描かれ方をしたとしれば不本意に感じるかもしれないし はては激怒したりするかもしれない

2015-10-08 19:08:20
アトレティコ・アドリー @rrrt77

しかし今ここで部外者が勝手にでっち上げたものであれ ドキュメンタリー映画のスモークを通してみれば 彼は未だに野球選手として、少なくとも夢を描いた野球に携わる何者かとして そのストーリーを継続させているのである

2015-10-08 19:10:41
アトレティコ・アドリー @rrrt77

視点を変えればあくまで彼が子供のころから一貫して人生の主人公であり続けられていることに変わりはない だから他者の視点で勝手に取られたドキュメンタリーの現実との乖離を受忍する精神 あるいはそもそもそんなものは撮影されていないにもかかわらず

2015-10-08 20:36:40
アトレティコ・アドリー @rrrt77

むしろそれを脳内で自主的に撮影、編集し(カメラつき携帯、youtubeという、誰もが安易に映像作品を作成 公開できる現代においては実際に撮ってしまってもいいのだが) これをメタ的に意識する精神があれば、たとえその後引退するにせよ

2015-10-08 20:37:34
アトレティコ・アドリー @rrrt77

子供のころから自身に課していたストーリーを破綻させずにすむことになる このような行為は厳しい見識を持つ人間の目には負け犬の自己満足にも写るかもしれない しかしながらそれは短くない半生を全否定し、あるいは一部しか肯定できず、

2015-10-08 20:50:04
アトレティコ・アドリー @rrrt77

残り半分の人生に改めて新たなる意味合いと ストーリーを模索し直すか、あるいはその作業そのものを人生レベルで放棄してしまうような 自分の歴史、時間に空白地帯を作ってしまうような生き方をするよりも 精神衛生上はるかにプラスになるのである

2015-10-08 20:50:22