【レズボス鎮守府】プロジェクトD 【ドボク鎮守府】其の十ニ 今日もご安全に

まも（C102お疲れさまでした） @Kojimamo

山城の艤装から砲塔と飛行甲板を外し、ドリルジャンボを付ける。 「アタッチメントは便利だな。」 「ジャンボだわ…」 山城に5、6本もの腕が生える。この先端には火薬を詰めるための穴を掘るドリルがついている。ち #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/iPFqSRr0Vc

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深海棲艦と戦う時は大戦時の武装（もしくはIF武装）のみと交戦規則に定められているが、今回の相手は岩盤…つまり「地球」なのだ。 だから艦娘の艤装もある程度は好き勝手にできる。まぁ、艦これ世界の標準線での話ではあるが。 #ドボク鎮守府

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ダダダダダダ　ヴｧｧｱｱｱｱ 山城のドリルが切羽に穴を開けてゆく。戦艦が土と岩相手に戦っているのだ。これこそが陸戦だ！いや地中戦と呼ぶべきか？ 山城は防塵マスクを被り、煙突の排気はチューブを通しトンネル内にある排気設備へ流している。流石に電動化は無理だからな。 #ドボク鎮守府

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穴に火薬を詰め導爆線と雷管を接続して点火する。 ４…３…２…１ 「発破ァ！」 バァン 切羽の岩が崩れ砕けた岩石「ズリ」をトロッコで運び出す。トロは蓄電池機関車が牽いてゆく。 #ドボク鎮守府

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発破で崩されたズリはバケットローダーと呼ばれる機械ですくい上げて、後ろの鉱車に積んでゆく。これもレールの上を移動するもので、満潮がコンプレッサーを艤装パックごと背負って操作している。圧縮空気で稼働するのだ。 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/QWT52d9115

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バケットローダーの操縦を駆逐艦に任せるのは、なんたって「小さくて力持ち＆可愛い」からである。どちらにも通じる概念だ。 Eimco Rocker Shovel in Action youtu.be/l0QbRN9gyJ0 @YouTubeさんから #ドボク鎮守府

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積まれたズリはトンネルの外のズリ捨て場に運んでゆく。 何分、量が多いのでチップラーで車両ごとズリを降ろす事にした。 本社から周辺装置含めてユニットごと設置。 チップラーとは鉱車を回転させて積載物を降ろす装置である。 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/m2cbiH2P5P

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鉄筒のようなものの中に鉱車を入れると、線路も丸ごと回転し下へ流れ落ちてゆく土砂。 それを眺めながらレズ鎮の艦娘らが、ほほうと感嘆の声を上げている。 「そんなに珍しいんですかね、これ？」まるゆが不思議そうに首を傾げる。 鉱山機械は海のモンにゃ珍しいからな。 #ドボク鎮守府

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まるゆはトンネルボーリングマシーンである。土竜だからだ。親”造船所”が副業でトンネル機械を製造してたから潜水艦と土木機械がくっついても不思議ではない。 まるゆが活躍するのはまだ先の工程だ。 #ドボク鎮守府

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「そういやお前、海に潜れたっけ？」 前から疑問に思っていた事を口にした瞬間、彼女の表情が強ばった。 「海の下には潜れますが中は怖いです…。一度…海底に穴を開けてしまった事が…事が…」 「青函トンネルでも似た話あったなぁ。魚も落ちてきたってな。」 #ドボク鎮守府

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でもそう言えば、まるゆを演習に出した事があるが確か海戦してたな？あれ？ 「穴が…異常出水…坑道閉鎖…」 まるゆのトラウマを掘り起こしてしまったらしく、小さき彼女の口からブツブツと恐怖の出水が噴いている。 あっ、坑道の中で潜水戦闘ってオチか？ #ドボク鎮守府

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「おれの指揮官は無能なのかぁ！」BAKON！ 後頭部を叩かれた。後ろを振り返ると珍しく怒った木曽が小説『海峡』の文庫版＆DVDを両手で持っていた。 「まるゆのトラウマ掘り起こすなって！」 高倉健もヘルメットを投げ捨てて「それはないですよ…」と言い出す雰囲気である。 #ドボク鎮守府

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「おお、すまんすまん…」 木曽もまるゆとトンネルに関わってきた土木屋だから怒るのも判る。艦娘も機械も処女を抱くように優しく扱わねばそっぽを向いてしまう。 まぁ、たまには乱開発で火傷するのもいいかな？ #ドボク鎮守府

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地下洞窟を拡張する前に海水を塞き止めて排水をせねばと思案していた時、比良坂提督から土木妖精と魔術を併用してはどうかと勧められた。ど #ドボク鎮守府

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ど、土木のド突き突貫工法である。艤装に妖精がいるようにこの世界には重機や工法にも妖精がいるのだ。彼女らを魔女の魔法で鼓舞し、艦娘の建造で使う高速建造材でいうよう突貫工事を行うのだ。これで洞窟の入口を堤で塞ぎ、排水工事もトントンと進んだ。 #ドボク鎮守府

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この時の為に排水ポンプ車を数台持ってきてよかった。 しかしド突き突貫工法というのがすごい。妖精や機械に魔術バーナーで焔を浴びせるのは燃えないと解っていても最初はたじろぐ。見るみる間に土砂が形を成して堤になっていく。 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/s71cuBzzle

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ド突き突貫工法の魔術バーナーで焔は魔術用語で「仄（ほのを）」とも書くらしい。 意味は傾き…微かに僅かに等だが深い意味があるのだろう。特定の産業に集中させる「傾」斜生産方式…つまり高速建造材に通じるのかもしれん。 #ドボク鎮守府

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一方でそのころ艦隊のカアチャンこと高速船オガサワラは、島の港の片隅で船体を休めいた。船娘の体は港の傍の洋館の招待所で安楽椅子に掛けながらギコギコと揺られている。 「心臓がまだ熱いわ…」 目を閉じて呟く。 #ドボク鎮守府 pic.twitter.com/yaKbORxXhy

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まぁ、無理もない。本土から南冥の何処かにあるこの島まで久しぶりの全開運転航行をしたのだから。彼女は本土と小笠原諸島を結び21世紀の新たな足と期待されながらも、就航できなかった悲運の船である。造船所で産声をあげてから旅客を乗せて海を駆けた事がないのだ。 #ドボク鎮守府

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旅客を乗せられない旅客船というのは船娘にとっては無念の過積載である。 私は海を速く駆けて島を繋ぐ事に産まれた船なのに…。 暫く岡山の玉野の港で係留される日々が続いていた彼女に、ようやく活躍の場を与えてくれたのは統合海軍設営隊だった。 #ドボク鎮守府

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「海を駆けたいか？駆けたいのならば土木艦隊に来りゃァ全開で緊急航行させてやる。船を人を助ける為にな。」 風貌は30～40代辺りだろうか、安全メットを被って背部に起重機を背負った彼女は言った。 威圧感がありつつも手練さを感じさせた顔からは私を欲していたのが判った。 #ドボク鎮守府

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「でも、まさか起重機船が私の『トウチャン』になるとはね…」 主人…相方になったのは同じ船娘でも異色の娘…熟女であった。 おまけに、かの戦艦大和の艤装から瀬戸大橋まで工事にも携わったという熟練の作業船である。 #ドボク鎮守府

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ドボク鎮守府とも名乗る其処に傭われた彼女。 災害や艦娘サルべージを必要とする海域へ艦娘らを乗せて緊急展開しえる役割を与えられた。当初の役目こそ違うものの己の能力を最大に使ってくれる主人が現れたのはトビウオが跳ねるように嬉しさがピッチングした。 #ドボク鎮守府

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着流しに黄と黒のゼブラマークで帯を締めた彼女は大潮に車椅子…台船を押させて私のねぐらの玉野の造船所へやってきた。港のタグは「伝説の三光さん」と呼んでいたのがずっと頭に残っている。 #ドボク鎮守府