【シナリオ】白幕の坂【完結】

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ただしまor酒のお供 @vatdsm

机の上でぽつんと佇んでいたノート。長年空気中に曝されていたのか酸化の進行が止まらず、紙に触れると微かに湿気も帯びていた。馬車も結局見つからず終い、先ほどの化け物と言い隣の少女と言い、あなたは手掛かり欲してノートを手に取る。紙を捲ると、埃が風に押されて宙に舞って踊った。 #白幕の坂

2015-11-17 21:39:08
ただしまor酒のお供 @vatdsm

一日目…此処まで来れば見つかるまい。しかしこの小屋は埃臭い、前の家主には悪いが使い易く整頓させて貰おう。 二日目…自由になれた実感が未だ信じられない。純白な施設とおさらば出来たのか?子供の声は聞かずに済むのか?あぁでも、最後ぐらいあの子に礼を言っておくべきだったかな。 #白幕の坂

2015-11-17 21:39:32
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】四日目…昨日から外が騒がしい。食材調達に出た時は静かだったのに。もしや助手が探して、いや、止めよう。 五日目…うるさい、騒音が酷く不愉快だ。幸い武器もある、少し借りよう。 日記は続いてるようだが、あなたは…… #白幕の坂

2015-11-17 21:49:07
ただしまor酒のお供 @vatdsm

六日目…今日は静かで安眠も出来たが、昨日の騒音は原因分からず終い。いつまで続くのか。それにしても、やけに霧が濃い。 九日目…まただ、外がうるさくて眠れやしない。それも日を跨ぐごとに近付いてる気がするのに、一向に騒音の原因が掴めていない。一体誰が泣き叫んでいるのだろう? #白幕の坂

2015-11-18 22:54:23
ただしまor酒のお供 @vatdsm

十日目…昨日の食料調達から、誰かにつけられてる気がする。そう言えば、人なんてかつて通ったのだろうか。 十三日目…愛おしいはずの、人の名前が思い出せない。可笑しい、何故此処に居るのか、早く此処から出なければ。外から懐かしい誰が呼んでる。そうだ、日記つけてる場合じゃない。 #白幕の坂

2015-11-18 22:55:13
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】窓の隙間から不意にごうっと風が吹き込み、読んでいたノートが煽られ数ページだけ捲られた。白紙を一瞥して息を飲み、ノートを投げ捨てる。そしてあなたは…… #白幕の坂

2015-11-18 22:56:40
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】壁に掛かったライフルを掴んだ #白幕の坂

2015-11-19 23:36:35
ただしまor酒のお供 @vatdsm

腐りかけの壁に備えられたライフル銃を掴み取り、圧力に軋み上げる小屋の中で銃声を鋭く響かせた。口の開けた窓から覗くは、撒いたと思っていた木の化け物。ガタガタ横揺れする床にバランス崩したのは、壁を背にする二メートルの本棚だ。「危ない!」赤目の少女は、あなたの声に振り返る。 #白幕の坂

2015-11-19 23:36:59
ただしまor酒のお供 @vatdsm

条件反射に等しかった。銃を抱えて棚へと体当たりし、難は一先ず逃れ息を吐く、間もない。窓から侵入した蔓を忍ばせたナイフで切り払い、少女の身を自身の側へ寄せた。脳裏に並ぶのは、先ほど読んだノートに書かれた最期の一文。『馬車はまだ来ない、少女を陽の下へ返すまでは恐らく一生』 #白幕の坂

2015-11-19 23:37:24
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】未だ悲鳴上げ耐える小屋は、限界の一寸前を告げている。『カエシテ』地の底から這い上がる泣き声は四方八方から鼓膜を揺るがした。ぎゅ、と裾を掴み見上げる少女の視線に気付いたあなたは…… #白幕の坂

2015-11-19 23:38:42
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】「大丈夫」と言い聞かせた #白幕の坂

2015-11-21 00:06:49
ただしまor酒のお供 @vatdsm

「大丈夫」少女に言って聞かせた後、ライフル銃を構え先を見据えた。冷や汗が一筋肌に伝い、息深く吸い冷静を保つ。抜け道が何処か、青白い光さえ遮られた密室であなたはヒビ割れた壁に目をつけた。締める根に圧迫し、それは歪に変形している。そしてカラカラ泣くのは、灯火失せたランプ。 #白幕の坂

2015-11-21 00:07:17
ただしまor酒のお供 @vatdsm

「これ持ってて」急いで引っ手繰り少女に押し付け、再び窓へと銃弾を二発打ち込んだ。怯む気配無く、寧ろ小屋全体に加える力を上げてギチギチ言わせる。「!」少女の手を掴み、大きく歪み開いた壁の隙間へと飛び込んだ。その際パキンと何かが壊れるが、脱出する足を止める訳に行かない。 #白幕の坂

2015-11-21 00:07:43
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】小屋は破壊へ辿り、屋根も壮大に崩れ落ちる。うねる根の束は、森すら踏みにじりながらあなたを執行に追ってくる。だが、やがてあなたは足を止めてしまう。目の前に待ち伏せたのは、崖。 #白幕の坂

2015-11-21 00:09:06
ただしまor酒のお供 @vatdsm

大蛇の如くうねり迫る森を尻目にあなたは、恐怖も払い一寸の間で決断を下した。崖の先は底知れぬ闇が覆い、何があるかなんて確かめる術もない。だが、長年の旅を経て予感が働いている。此処で踵を返そうと死に行くようなものだと。怯えた赤目を見て、あなたは言葉繰り返した。「大丈夫」 #白幕の坂

2015-11-22 00:47:02
ただしまor酒のお供 @vatdsm

少女の小さな体をしっかり抱き、躊躇させない内に共に崖の向こうへ飛び込む。轟々吹き込む荒風を裂きながら、落下速度を増す毎に叩きつける空気に息が止まる。包まれた闇の中でただ一つ、月光と風を受けた白のワンピースは必死に羽ばたかせていた。少女の体を抱く腕に、一層力が篭る。 #白幕の坂

2015-11-22 00:47:26
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】どれほどの時が経ったのか、あなたはいつの間にか手放していた意識を取り戻す。「あれ……」瞼を開けると久しく思えた青空が浮かんでいた。体を起こしたあなたが、まず目にした光景は…… #白幕の坂

2015-11-22 00:48:34
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】さざなみ立てる海原だった #白幕の坂

2015-11-23 12:06:11
ただしまor酒のお供 @vatdsm

さらさら風と共に奏でている、小々波が押し寄せている海原が広がっていた。浜辺に投げ出されたか、闇の底での記憶を呼び起こそうにも空白ばかり。その時、はたと息飲んだあなたは慌てて周囲を見渡した。白いワンピースを着た少女の姿は、陽の下の少女は、何処見渡せど見当たることがない。 #白幕の坂

2015-11-23 12:06:56
ただしまor酒のお供 @vatdsm

背後へ振り向いたあなたは気付く、決まってジャングルが出迎えるはずの光景はないことを。代理は墨から生み出されたような黒い海原。そして空は、あなたが立つ浜辺を境に夜へ染まっていた。戸惑いの言葉を零し、状況を把握するに思考が巡る。少女は、本当に陽の下へ帰ったのかも共に……。 #白幕の坂

2015-11-23 12:07:21
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】殺気は感じられない。あなたは青と紺の地平線を見つめた後、反対側の夜を睨んだが、不思議と恐怖心はない。寧ろ月光を浴びていたせいか、光が煩わしくも思える。「懐かしい」そう目を細めた。そしてあなたは…… #白幕の坂

2015-11-23 12:08:36
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