【シナリオ】白幕の坂【完結】

Twitterのアンケート機能を利用し、投票数が多い方へ展開していくゲームブック的な何かです。
0
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【序章】あなたは旅人だ。あなたは、最近得た報酬金の半分を馬車に注ぎ、歩き疲れた身を休めている。晴天日和であるが生憎風が強く、馬車に揺られようと麻のローブは外さずにいた。重い瞼を開けて景色を眺めていても、見飽きた緑と茶に溜め息一つ溢す。「お客さん、お疲れのようですね」 #白幕の坂

2015-11-10 23:04:37
ただしまor酒のお供 @vatdsm

声を掛けてきたのは、前方から背中で見守っていた男性。顔の皺を深めた中年の男は、馬を操りながら此方へ振り向いて笑う。えぇまぁ、あなたはそう曖昧に笑い返すが、引き金となり大きな欠伸が出た。「到着したらお教えますので、ごゆっくり」親切に言われたが最後、あなたは意識を離した。 #白幕の坂

2015-11-10 23:10:30
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】あなたの眠りは相当深かったのだろうか?否、例えそれが理由であったとしても、今の状況とはまるで繋がらない。あなたが瞼を開け、その目に飛び込んで来たものは…… #白幕の坂

2015-11-10 23:19:53
ただしまor酒のお供 @vatdsm

あなたはボヤけた頭も一瞬で覚醒させ、息を飲むなり一気に距離を離した。目の前に、白いワンピース姿の少女が立っている。先ほどまで揺らしていたはずの馬車は何処へ消えたのか、獣道に投げ出されていたあなたは辺りを見渡し、どうやら森の奥深くで何とも呑気に眠っていたことを理解した。 #白幕の坂

2015-11-11 23:36:20
ただしまor酒のお供 @vatdsm

「君は……」あなたの口から疑問を溢すと、少女は小さく微笑んで首を傾げるだけだ。代行と言わんばかり、風に煽られた多数の木の葉が応じる。そこであなたは、少女にふとした違和感を覚えた。泥が好き勝手に張り付くワンピースは、黒く綺麗な髪は、周囲に身を任すことをまるで忘れている。 #白幕の坂

2015-11-11 23:37:50
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】そしてあなたはもう一つの違和感、不思議と少女と初対面でない気がした。「…………」少女は微笑みながら口開いたが、あなたは上手く聞き取れない。パッチリと開いた少女の瞳は赤いが、何処か懐かしい。あなたはそんな少女に…… #白幕の坂

2015-11-11 23:40:41
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】馬車は見なかったかと尋ねた #白幕の坂

2015-11-12 23:40:12
ただしまor酒のお供 @vatdsm

頭上で覆い尽くす木の葉は、何枚も重ね合わせ空を隠している。あなたは赤い瞳の少女へ、特徴挙げた馬車は通らなかったかと問うた。少女は瞬き二つ、そしてあなたの袖を遠慮がちに掴み、ずんずん獣道を踏み越えて行く。時々露出した太い根に足を取られるが、その度少女が手を取ってくれた。 #白幕の坂

2015-11-12 23:40:54
ただしまor酒のお供 @vatdsm

歩みを進めてどれほど過ぎたか、一言も発しない少女は今も尚前向きだ。触れられてる感覚はあるのに、布越しの温もりは感じない。「ちょっと」疲労に根を上げたあなたの声で、少女は足をピタリと止めた。馬車は本当に此処を通ったのか、再び尋ねたあなたの疑問に、少女は確かにコクリ頷く。 #白幕の坂

2015-11-12 23:41:19
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】空模様すら遮る暗い中あなたと少女のみ、まるで閉じ込められたようだった。太い木に背中を預け休息取ると、ふとすすり泣く声を聞いた。あなたはハッと顔を上げると少女は…… #白幕の坂

2015-11-12 23:42:31
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】きょとんとしてあなたを見た #白幕の坂

2015-11-14 01:38:30
ただしまor酒のお供 @vatdsm

ことり、と小首傾げあなたを見た少女の頰は白く、瞳から溢れる雫も見当たらない。疲れた末の幻聴だったか、不思議そうに見つめる少女へ笑って誤魔化そうとした。が、それは失敗に終わる。背後から再び聞こえたすすり泣く声に、あなたは咄嗟に少女の手を取り、急いでその場から離れた。 #白幕の坂

2015-11-14 01:39:27
ただしまor酒のお供 @vatdsm

サラサラ揺れるは、頭上で踊る無数の木の葉。木漏れ日も望まない暗闇に閉ざされているが、あれから数時間経過している。闇に慣れた目は、木々に浮き上がる表情を掴み、声にならない悲鳴が喉から込み上がった。同じよう異変に気付いた黒髪の少女は、不安げにギュッとあなたの袖を握る。 #白幕の坂

2015-11-14 01:39:59
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】『……シテ』三度目の正直。この森、否、周り囲む木々の声だったと理解した。あなたは護身用に持ち歩いている拳銃を、汗と共に握る。同時に周囲を見渡すが、逃げ道は幾らでもあった。スルスル、蔓のような根があなたに迫る。 #白幕の坂

2015-11-14 01:41:19
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】少女と共に逃走する、少女を庇い銃で戦うが同等 #白幕の坂

2015-11-15 12:18:48
ただしまor酒のお供 @vatdsm

鞭のようくねらせる無数の根は痺れを切らし、あなたに目掛けて襲いかかった。未だ鼓膜に響く木々の泣き声、騒めく木の葉が鬱陶しい。それを裂かんばかりに銃声を鳴らし、放たれた銃弾は頭上の薄っぺらな葉を押し退けた。「下がってて」ビクリと肩を震わせた少女は、素直に従ってくれる。 #白幕の坂

2015-11-15 12:19:24
ただしまor酒のお供 @vatdsm

『カエシテ』泣き叫び伸ばされる根に向かい、そして化け物に弾丸を二発撃ち込む。鍛え抜かれた精度で木に当たりはした、しかし耳に届く声に変化はなく、明らかに手応えがなかった。そんな、あなたは思わず言葉を溢すと、躊躇なく化け物に背中を見せる。震える少女の手を取り、走り出した。 #白幕の坂

2015-11-15 12:19:49
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】走っているからか、乱れた呼吸が苦しくなるが御構い無しだ。逃げた先で普通の木々が立ち並んでいようと、少女と無我夢中に走る。走る。走った、先であなたは…… #白幕の坂

2015-11-15 12:21:18
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【結果】蔦が絡んだ小屋を見つけた #白幕の坂

2015-11-16 19:26:53
ただしまor酒のお供 @vatdsm

木々と葉が覆い道なき道を突き進み、はたと顔上げた。先には蔦が好き放題に絡んでいる、長い年月放置された様子の小屋が退屈そうに突っ立っている。休息を得られる安堵と、立ち止まる恐怖があなたを襲い、急いで小屋へと転がり込んだ。脆くなった扉に、錆びた鍵や腐った家具を押し込む。 #白幕の坂

2015-11-16 19:27:18
ただしまor酒のお供 @vatdsm

外部からの声は既に静まり、あなたは一息胸を撫で下ろした後、隣の少女を盗み見た。恐らく予想通り、あれほど走ったにも関わらず呼吸すら乱れていない。不思議そうに視線を彷徨わせた少女は、クルリとあなたへ振り向く。「怪我はない?」白いワンピースは暗闇の中で、少女を綺麗に見せた。 #白幕の坂

2015-11-16 19:27:45
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【一章】この深い森も、天からの恵みはあるのだろう。カビ臭さと湿気が充満しており、あなたは窓枠へと手を掛ける。数ヶ月、数年のブランクに軋み上げ解放された通路は、僅かながら篭った空気を新調した。そしてあなたは新たな事実を知る。天井の隙間から仄かに照らす、青白い星の存在を。 #白幕の坂

2015-11-16 20:05:10
ただしまor酒のお供 @vatdsm

大まかな時刻を把握すると、くいっと袖を引っ張られ視線を移す。まだ未熟さ宿る手を、あなたへと差し出している少女だ。首傾げると、少女は赤目を細め自身の首へ指差した。細く丈夫な紐に吊るされるは青白い星、それは儚げに現世を写している。貰って良いか、最後に問えば持ち主は頷いた。 #白幕の坂

2015-11-16 20:05:34
ただしまor酒のお供 @vatdsm

【分岐】「ありがとう」あなたは言葉ない子に礼を言い、頭を撫でて笑う。すると少女は、あなたを見るなり花が咲いた。思えば、此処に来てから笑ってなかった。密かに感謝を述べた後に、小屋の中を見渡す。まず目に留まったものは…… #白幕の坂

2015-11-16 20:07:05
1 ・・ 7 次へ