- humptyhumtpy
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「街の皆様こんにち!今日は【 #ここ聞ぃ 】秋の特番夫婦スペサルです。ゲストは #浜の錦湯 の男前・波留さんと初登場、噂の「若旦那」!」 #空想の街 「もしかして #オトトイ食堂 のスキャンダル?!お便りどしどし待ってまーす!@tibikorotikaまでっ!」
2015-10-27 12:31:18\FMトケイトウ♪FMトケイトウ♪ウィーウィルカムッスーン/「今階段上ってるとこだからちょっと待って!」 #FM時計塔 #空想の街 #ここ聞ぃ
2015-10-27 22:59:19ひばり「 #空想の街 名物ラジオ #ここ聞ぃ !は今夜20時、 #FM時計塔 からON WAVE!お便りまだまだどしどしお待ちしてるんだからねっていっても私今日の特番の内容聞かされてないわ、なにすんだろうねー?」
2015-10-28 12:09:57黒い箱が、門をくぐって街を出たシヘンを先行する。しかし、その足取りはどこか乱雑である。地を踏み固めるような、力強さと乱暴さを帯びている。『まあ、そう怒るな』黒い箱はキッと鋭い動きでシヘンを振り返ると、再び前を向いて歩き出す。 #空想の街 #シヘン
2015-10-27 21:35:28『随分とひどい対価だったが、前にはもっとひどい対価もあっただろう』その言葉に黒い箱が再びキッと鋭い動きでシヘンを振り返る。『…吾が身?ソレがどうした?』涼やかな音を響かせながら、いつもと変わらぬ顔で、シヘンがたずねる。 #空想の街 #シヘン
2015-10-27 21:39:50黒い箱が疲れたように立ち止まりその身を2、3度、軽く横に振った。そして、再び歩き出す。その足取りは先ほどよりも若干落ち着いている。「…君にはいつも苦労をかけるな」ぽつり、シヘンが歩みを止めずに呟く。 #空想の街 #シヘン
2015-10-27 21:48:52ソレを聞いた黒い箱が、やはり歩みを止めずに一瞬振り返る。それはどこか呆れたような仕草に見えた「はっはっは、ばれたか」シヘンが、楽しげに笑う。 #空想の街 #シヘン
2015-10-27 21:55:45翌日のお話
「代用ウミガメの頭ってさ、豚だっけ牛だっけ?」「……は?」 #アティア #空想の街 ハンツピィの宴が終わって二日目の朝。店内のテーブル席に置いた荷物を確認していた助手は、カウンターで頬杖をつく師匠に顔を向けた。師匠も、自分が振った問いの不備に気付き、ああ。と言った。
2015-10-27 01:47:25「ごめんごめん。不思議の国のアリスの原作って読んだことある?」「いえ。絵本でなら」「そっか。じゃあ知らないな」師匠は頬杖を解くと、カウンターを出てテーブル席に腰掛けた。助手も自身のスペースを確保して腰掛ける。 #アティア #空想の街
2015-10-27 01:55:20「なんですか。代用ウミガメって」「原作のアリスに登場するんだ。ハートの女王の命令で、アリスがグリフォンと一緒に出会うんだ。名前は代用ウミガメスープのもじりなんだって」 #アティア #空想の街 「グリフォンも出るんですね」「絵本はざっくりしてるから、助手くんが知らなくて当然だよ」
2015-10-27 02:03:38師匠はまた頬杖を付き、窓の外を眺めた。店の中にいても、街から冬の気配が漂うのが分かる。 #アティア #空想の街 「代用ウミガメスープだから……豚か牛、どちらの食材を代用しているか」それが思い出せないのか。と、助手の合点がいった声を聞けど、師匠は上の空で、「まぁ、うん」と返した。
2015-10-27 02:14:09「亀のスープなんて飲んだことありませんけど。豚じゃないですか?」「それだと悪魔になるじゃん」間髪入れずに師匠の声が飛ぶ。 #アティア #空想の街 「ん?」と助手が僅か目を見開くと、師匠も「ん?」と助手を見た。見てから「あ」と口を開き、えっとあのそのだの言って焦った。
2015-10-27 02:21:03「あのそのつまり、ほら、豚って七つの大罪でいうところの『暴食』の象徴じゃん? 『暴食』って言えばベルゼブブだから、悪魔になるなーと、思って……」 #アティア #空想の街 成程、その発想はなかった。助手は純粋に師匠の博学さに納得しつつも、なぜ語尾が小さくなるのか分からなかった。
2015-10-27 02:29:17「じゃあ牛でいいんじゃないですか?」「あ、うん、そうだよね、うんうん」助手は師匠をジト目で見遣った。 #アティア #空想の街 「師匠。また何かやらかしたのですか?」「人を問題児みたいに言わないでよ!」「怒らないんで言ってください」「それ絶対怒るパターンでしょ!?」
2015-10-27 02:36:01数分後。「──へぇ。亀」「そう。亀だったの。だから豚だったら、嫌だなって」結局洗いざらい話した師匠は、肩を竦めて唇を尖らせた。#アティア #空想の街 「まぁ、未来の義兄さんが豚なのは嫌ですね」「やだ助手くんいつからウチの子に!?」「なってませんし。食いつくポイントが違うのでは?」
2015-10-27 02:43:28あと科を作るのもやめてください。と助手のツッコミを受ければ、流石の師匠も体が縮こまる。#アティア #空想の街 「ていうか未来の義兄ってなんだよ!ジロちゃんは愛する親友だけど恋愛対象としての好きはないって前言ったじゃん!」師匠の時間差ツッコミ&テーブルバーン!にため息をつく助手。
2015-10-27 02:56:55「私がいない間、この件以上の面倒事を起こさないでくださいね」「ハイ」再び縮こまる師匠。 #アティア #空想の街 「でも、よかったですね。『好き』って言ってもらえて」「……うん」ヘヘ。と甘えるように笑う師匠と視線を合わせないように、助手はツンとそっぽを向いた。
2015-10-27 03:07:04「助手くん?」「なにか?」「拗ねてる?」「いいえ」「うっそだー」「いえいえいえ」助手にしては不自然な否定の仕方である。師匠は堪らず噴き出し、助手の頬をつついた。#アティア #空想の街 「ふふ。拗ねるなんて可愛いなあ」「だから拗ねてませんって」代わりに唇を尖らせた。
2015-10-27 03:12:18しばらく助手の頬をつついていた師匠。また「あ」と口を開いて立ち上がる。「そうそう。助手くんに言伝をお願いしようと思ってたんだ」言伝。と復唱する助手を置いて奥へ引っ込んだ師匠は、メモを手に再び店へ。#アティア #空想の街
2015-10-27 03:18:43「ラブレターですか?」「伝えてほしいことが長いからメモったの」「メッセージカードぐらいなら送った方が」「その人に助手くんを紹介したいんだ」お得意様かな。と、助手は師匠からメモを受け取った。 #アティア #空想の街 「……この『ダイナ』って誰ですか?」「助手くんのことだよ」
2015-10-27 03:27:25「じゃあこの『アリス』は?」「私だよ」「正気ですか?」「助手くん最近私の扱い酷いよね」「気のせいです」冗談はさておき、助手はメモの内容を読み上げた。 #アティア #空想の街 「『白ウサギは見つかりませんでした。なぜなら私は、最初からアリスなんかじゃなかったのですから』?」
2015-10-27 03:40:15「どういう意味ですか?」「たいしたことじゃないよ。助手くんは『ハートの女王』とその王に、自分は『アリス』の飼い猫の『ダイナ』だと名乗ればいいから」「私が飼い猫……」「不服なのは分かるけど、我慢してね?」 #アティア #空想の街 師匠は唇に人差し指を当て、助手に片目を瞑ってみせた。
2015-10-27 03:43:25納得のいかない顔でメモを仕舞う助手から、師匠は窓の外を見遣った。#アティア #空想の街 「私の心配より、親友さんの心配ですか」「あ、ごめっ」「冗談ですよ。でも、2番目の約束を破棄してよかったんですか?うまくいけば…」助手が言いかけて、師匠の乾いた笑いが飛ぶ。
2015-10-27 03:52:16