サトセレリレー小説 第2弾【完結】

今回は千草さん(@t3uw)にリーダーをやっていただくことになりました♪ ありがとうございますー(*^^*) それと、新しく趣味男さん(@shumi_man)さんが加わって下さったので、6人で回したいと思います! 順番は、 続きを読む
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千草 @t3uw

サトセレリレー小説 第2弾! - Togetterまとめ togetter.com/li/899659 @togetter_jpさんから もったいなくも、一番手を任されましたので、僭越ながら務めさせていただきます(`・ω・´)ゞ どうぞよろしくお願いします♡

2015-11-13 21:47:42
千草 @t3uw

「ねぇセレナ。シャンプー貸して!」 それはユリーカのこんな何気ない一言がきっかけだった。 風呂上り、ドライヤーをかけていたセレナは鏡越しのユリーカのキラキラした瞳に振り返った。 「いい?」 「ん、いいわよ。待ってね」

2015-11-13 21:52:04
千草 @t3uw

ちょっと申し訳なさそうな様子に笑って見せて、ついさっきまで使っていたビニール製のポーチから桜色のボトルを取り出す。そういえばこの間、セレナの髪いい匂いするねなんて話をユリーカとしていたから試したくなったのかもしれない。

2015-11-13 21:52:53
千草 @t3uw

可愛い妹分とのお揃いに嬉しくなり、セレナは「はい、どうぞ♪」とそれをユリーカに差し出した。 それに翌日振り回されることになるとは思わずに。

2015-11-13 21:53:11
千草 @t3uw

「セレナ」 疲れたのか早々に寝てしまったユリーカとその横でメカ作りに没頭しているシトロンに一声かけ、バルコニーでノートを広げ、パフォーマンスの流れを確認していたセレナに、ポケモンセンターの食堂で買ってきたのだろうか、紙のカップを2つ携えてサトシがやってきた。

2015-11-13 21:53:43
千草 @t3uw

「体冷やすぞ」 「うん、ちょっとステップだけ確認してたからユリーカ起こしちゃうかと思って」 えへへと笑い、セレナはサトシが差し出すカップを受け取った。彼の手にあるうちから暖かそうな湯気が出ていたそれを覗き込む。 「わ、ホットオレンジだ、いいの?ありがとう」

2015-11-13 21:54:08
千草 @t3uw

「シトロンに夜だからカフェインはやめとけって言われてさ」 心配性だよなと笑うサトシも、カップを持ちながら器用に抱えていたのは、ジョーイさんが貸してくれたらしいチェックのショールで、思わず口元が緩んでしまう。心配性は4人揃ってお互い様だ。 「ほら、肩掛けとけよ」 「ありがとう」

2015-11-13 21:54:46
千草 @t3uw

誰に言われて持ってきたのかは邪推しないでおき、サトシのやさしさをありがたく受け取る。お風呂に入った後のようでサトシの髪は毛先が少しまだ濡れていた。彼のほうこそ風邪を引いてしまうんじゃないかと思うが、前を締めないままに羽織ったジャケットと首にかけられたタオルを見て、口をつぐむ。

2015-11-13 21:55:30
千草 @t3uw

せっかくの時間だ、ほんの少しだけ幸せに浸らせてもらおう。 「パフォーマンス、新しいやつ?」 カップを持つ手とは反対の手でごしごしと乱暴に髪を拭きながら、サトシはテーブルに広げられたノートに視線を落とす。 「あ、見たらまずいか?」

2015-11-13 21:56:00
千草 @t3uw

「へ?ああ、全然。大丈夫。流れ書いておいたら皆に説明するときスムーズかなって思っただけだから」 「へぇ、俺そういうの苦手」 暖かな果汁を口に含みつつ、サトシは少しだけ眉を寄せる。確かに彼にこういう細かなことは似合わないかもしれない。

2015-11-13 21:56:15
千草 @t3uw

くすっと笑みを落としたとき、バルコニーを風が吹き抜けた。思ったよりも冷たいそれに、セレナは慌てて己の欲に蓋をした。 「それで、どうかした?」 「あ、そうだった、これ」 サトシの手が青いジャケットのポケットを探り出てきたのユリーカに貸したはずのシャンプーとリンスのボトルだった。

2015-11-13 21:58:01
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

「あれ、これ…」 「使わせてもらったぜ。ありがとな。」 「っ、使ったって、サササトシだったの!?私てっきりユリーカが使うのかと…」 2つのボトルを受け取りながら、セレナは動揺したように声をあげる。 そんなセレナの様子をきょとんと見つめていたサトシは眉を寄せて呟いた。

2015-11-13 22:33:30
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

「…なんかごめん。嫌だったか?」 困った目で見つめられれば、セレナはぐうの音も出ない。 そうじゃないけど、と小さく返すと、サトシはほっとしたように良かったと微笑んだ。 当初の目的も終え、セレナの閉じられたノートを一瞥したサトシは、中に入ろうとセレナを促す。

2015-11-13 22:39:09
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

飲みかけのホットオレンジを携えて共に部屋へと戻ると、シトロンもちょうど一段落ついた様子でこちらへ顔を向けた。 「明日も早いですし、僕たちもそろそろ寝ましょうか。」 「おう、そうだな。」 シトロンの言葉を聞いてカップの残りを飲み干したサトシは、タオルで髪を拭くのを再開する。

2015-11-13 22:43:51
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

それに倣ってセレナも残りを飲み干すと、サトシのカップを受け取って一緒にゴミ箱に捨てた。 その時、サトシの方から、ふぅわりと独特の香りが漂ってきて、思わずセレナは目を見張った。 さっきまでホットオレンジの甘酸っぱい香りにかき消されていたそれは、甘くて艶やかでセレナのお気に入りの。

2015-11-13 22:49:06
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

「?セレナ、どうかしたか?」 驚いた顔でこちらを見つめるセレナに、サトシが訊ねる。 思わず赤くなっていたセレナは、気づいてしまった事実から立ち直れず、すぐに返事が出来なかった。 その後気を利かせてドライヤーを持ってきたシトロンのおかげで、なんとかその場を誤魔化すことができたが。

2015-11-13 22:54:43
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

(そ、そうよね…。同じやつ使ってるんだから何もおかしいことないじゃない…。サトシが私と同じ香りでも…。サトシが私と同じ香り!?) 寝支度を済ませた後のベッドの中で、このようなことをセレナが延々と考える羽目になったのは言うまでもない。 「よーし、じゃあ次の町に向けて出発だ!」

2015-11-13 23:02:21
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

翌朝、元気よくポケモンセンターを出発した一行は、今日の予定を話し合いながら歩を進めていた。 「じゃあ今日には町に着くのか。」 「ユリーカ、お買い物行きたい!」 「色々と買い足さないといけないものもありますからね。」 シトロンの言葉に、あ、と思い出したように声を発したのはサトシ。

2015-11-13 23:08:01
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

「オレもシャンプー買わないと。」 その言葉にびくりと肩を震わせたのは、セレナだった。 シトロンが今知ったとばかりに目を丸くする。 「あれ、昨日は足りたんですか?」 「いや、無かったからセレナに借りたんだよ。」 それに反応したのは、今度はサトシの肩の上のピカチュウだった。

2015-11-13 23:12:01
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

「ピかピ!ピカピカッチュ!」 「ん?どうしたんだ、ピカチュウ」 何やら必死に訴えてくるピカチュウに珍しく首を傾げるサトシ。伝わらないことにもどかしさを感じたのか、ピカチュウは小さな鼻をひくつかせながら、サトシの髪の中に顔を突っ込んだ。 「ちょ、何して」 「あ、ユリーカ分かった!」

2015-11-13 23:14:35
千 晶@ギョエー🦈 @cK_lightweight

嬉々としてサトシに突進したユリーカは、ピカチュウと同じようにサトシの頭の方へ鼻を寄せた。訳が分からないサトシはされるがままだ。 何かを感じ取ったらしく、やっぱり!と声をあげてからユリーカが離れた。 「サトシの髪、いい匂いがする!セレナの匂い!」

2015-11-13 23:19:03
趣味子(ジュニヲ) @shumi_man

@cK_lightweight 「そっか、昨日セレナのシャンプー借りたもんな」サトシは大して気にしていないようだった。 「なるほど、ピカチュウはこの匂いがお気に入りの様ですね」シトロンはいつも通り、ピカチュウの行動を冷静に分析している。

2015-11-14 00:05:40
趣味子(ジュニヲ) @shumi_man

@cK_lightweight  ピカチュウの行動に納得がいったサトシ。それとは対照的に気恥ずかしさから赤面するセレナ。 「じゃあ今日はサトシとセレナで『お揃いの香り』なんだね!」 そんなセレナを知ってか知らずか、ユリーカが無邪気に言った。

2015-11-14 00:09:02
趣味子(ジュニヲ) @shumi_man

@shumi_man セレナは恥ずかしさでどうにかなりそうだった。幸いなことに、三人は俯いて真っ赤になっているセレナに気付かずに歩を進めていたので、余計な注目を浴びたくなかったセレナは一歩下がった距離からついて行くことにした。

2015-11-14 00:07:33
趣味子(ジュニヲ) @shumi_man

@shumi_man それからというものピカチュウはサトシの肩でずっと匂いを嗅ぐ仕草をしていた。 「おいおい、そんなに気に入ったのか?」サトシが尋ねると、ピカチュウが嬉しそうに声を上げる。 「ピーカ、チャアー!」まるでニャースにマタタビ状態。

2015-11-14 00:09:24
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