整備兵氏による「攻撃機動の方式について」

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名無し整備兵 @seibihei

さて、ふと思いついたので攻撃機動の方式について

2011-01-16 23:19:24
名無し整備兵 @seibihei

どこかの国では、攻撃の際の主な機動方式を「迂回」「包囲」「突破」とし、その他の機動方式として「正面攻撃」「側面・背面攻撃」「浸透」を挙げています。

2011-01-16 23:22:53
名無し整備兵 @seibihei

米軍の教範では、「主」と「その他」を分けず、「迂回」「包囲」「突破」「正面攻撃」「浸透」の五つを挙げています。

2011-01-16 23:23:39
名無し整備兵 @seibihei

「迂回」は、敵が現に準備している戦場を放棄するようにしむけ、我に都合のいい戦場に誘い込んで撃破する攻撃機動

2011-01-16 23:26:21
名無し整備兵 @seibihei

このため、「迂回」のためには2つ(以上)の戦場があることになる。一つは敵が準備した戦場。もう一つは我が敵の撃破を企図する戦場

2011-01-16 23:27:25
名無し整備兵 @seibihei

それぞれの間の距離も考えると、「迂回」を実施するためには相当に広い地域とそれだけの規模と機動力を持った部隊が必要になる

2011-01-16 23:28:38
名無し整備兵 @seibihei

このため、米軍では「迂回」は師団以上の規模の部隊が行うもので、旅団以下はその駒として動くものになる。

2011-01-16 23:30:59
名無し整備兵 @seibihei

ところで、現にある陣地や障害を回避して前進を続ける事も「迂回」という。日本語だと両方とも「迂回」なのでややこしいが、「小迂回」や「局部的な迂回」として区別しようとする事もある

2011-01-16 23:34:26
名無し整備兵 @seibihei

英語では、戦術機動の方式としての迂回(敵主力の撃破まで含めた意味)ではturning movementで、敵をそのまま放置する小迂回はbypassである。区別は分かりやすい

2011-01-16 23:36:02
名無し整備兵 @seibihei

そもそも敵が防御するのは何故かといえば、我に戦闘力が劣るから。だから地形を利用し、防御準備を固めて戦闘力を高め、対抗しようとする

2011-01-16 23:37:41
名無し整備兵 @seibihei

ところが全然違う場所に我が出てきて、しかもそれを放置できない場合、せっかく準備した戦場を放棄し、劣勢な戦闘力で知らない土地での戦闘をしなければならない。

2011-01-16 23:39:47
名無し整備兵 @seibihei

我はその敵を待ちうけ、余裕があれば簡単な防御準備までして迎え撃つことが出来る。優勢な戦闘力で防御の優位性まで得られるのだから勝ったも同然。だから「迂回」は推奨される機動方式となる

2011-01-16 23:41:45
名無し整備兵 @seibihei

もちろん防御側は迂回されないように最大限の努力を払う。だから戦術的規模でこれが発生する事はまずない。しかし作戦術規模以上では発生する事が時としてある。

2011-01-16 23:43:34
名無し整備兵 @seibihei

古典的な例は孫ピンの馬陵の戦いや、スキピオのアフリカ上陸がある。レイテ作戦は、米軍が企図せず日本側が進んで引っかかったという珍しい例

2011-01-16 23:45:27
棒人間ひろ @bouninng

@seibihei turning movementの方の「迂回」は「側面背面攻撃」に被るような気がしますが……「側面背面攻撃」を目的として「迂回」という手段をとる、という感じなんだろうか

2011-01-16 23:47:49
名無し整備兵 @seibihei

次に「包囲」。「包囲」は敵が準備した戦場で戦うことが前提となるが、最も準備された正面を避けて攻撃し、退路を遮断して敵を戦場に捕捉するため、「突破」よりは推奨される機動方式である。

2011-01-16 23:48:41
名無し整備兵 @seibihei

なお、米軍のイメージ図では敵の前線を突き破って後方に進出している。それはそうだ。敵が過失でも犯さなければ開放翼はそう簡単に存在しない

2011-01-16 23:50:40
名無し整備兵 @seibihei

昔は某社でも「包囲と突破の違いは目的の違いであり、それは目標の違いに現れる。攻撃の一部が敵陣地にかかっても、目的及び目標が包囲であれば包囲と見なす」といわれていた時代があった。昔の話だ

2011-01-16 23:52:58
名無し整備兵 @seibihei

@bouninng 側面や背面からの攻撃は、今説明している「包囲」に関わります。turning movementは、敵を「今存在している場所」で攻撃するものではない事を覚えておいてください

2011-01-16 23:54:18
名無し整備兵 @seibihei

今では「敵の陣地に少しでもかかったら翼側の『突破』とみなし、包囲ではないとする」というように言われている。遭遇戦なら発生するかもしれないが、陣地戦ではまず発生しない想定だろう

2011-01-16 23:58:18
棒人間ひろ @bouninng

@seibihei おおぅ、不覚……そうでした。敵の防御陣地の側面から攻撃するのではなく、そもそも敵の意図する「戦場」の陣地から出して、別の「戦場」で戦わせる、というか、陣地に篭っていない敵を攻撃するための「迂回」でした。……これでいいんだろうか

2011-01-16 23:59:18
名無し整備兵 @seibihei

以前緑装薬氏は「敵陣地の攻撃で戦力を減らすと、攻撃が成立しなくなるから」と説明していたかと記憶している。しかし、湾岸戦争の第7軍団の機動を「包囲」と説明している事と矛盾しているように思うこともある

2011-01-17 00:00:52
棒人間ひろ @bouninng

@seibihei 「包囲」は「突破」「迂回」によって達成される[目的][状況]であり、「突破」「迂回」と同等の要素として並列の位置に置くのはきびしい気がします

2011-01-17 00:07:54
名無し整備兵 @seibihei

話を戻す。包囲は敵の防御組織をそのままにし、その弱点である側面や後方から攻撃して、また後方を遮断する攻撃機動である。このため、敵は防御組織をある程度温存できる

2011-01-17 00:12:12
名無し整備兵 @seibihei

したがって、包囲した場合は敵が円陣防御であくまで抵抗する事を考えなければならない。これは第2次アキャブ作戦などで発生した

2011-01-17 00:14:27
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