どこかの国では、攻撃の際の主な機動方式を「迂回」「包囲」「突破」とし、その他の機動方式として「正面攻撃」「側面・背面攻撃」「浸透」を挙げています。
2011-01-16 23:22:53ところで、現にある陣地や障害を回避して前進を続ける事も「迂回」という。日本語だと両方とも「迂回」なのでややこしいが、「小迂回」や「局部的な迂回」として区別しようとする事もある
2011-01-16 23:34:26英語では、戦術機動の方式としての迂回(敵主力の撃破まで含めた意味)ではturning movementで、敵をそのまま放置する小迂回はbypassである。区別は分かりやすい
2011-01-16 23:36:02そもそも敵が防御するのは何故かといえば、我に戦闘力が劣るから。だから地形を利用し、防御準備を固めて戦闘力を高め、対抗しようとする
2011-01-16 23:37:41ところが全然違う場所に我が出てきて、しかもそれを放置できない場合、せっかく準備した戦場を放棄し、劣勢な戦闘力で知らない土地での戦闘をしなければならない。
2011-01-16 23:39:47我はその敵を待ちうけ、余裕があれば簡単な防御準備までして迎え撃つことが出来る。優勢な戦闘力で防御の優位性まで得られるのだから勝ったも同然。だから「迂回」は推奨される機動方式となる
2011-01-16 23:41:45もちろん防御側は迂回されないように最大限の努力を払う。だから戦術的規模でこれが発生する事はまずない。しかし作戦術規模以上では発生する事が時としてある。
2011-01-16 23:43:34古典的な例は孫ピンの馬陵の戦いや、スキピオのアフリカ上陸がある。レイテ作戦は、米軍が企図せず日本側が進んで引っかかったという珍しい例
2011-01-16 23:45:27@seibihei turning movementの方の「迂回」は「側面背面攻撃」に被るような気がしますが……「側面背面攻撃」を目的として「迂回」という手段をとる、という感じなんだろうか
2011-01-16 23:47:49次に「包囲」。「包囲」は敵が準備した戦場で戦うことが前提となるが、最も準備された正面を避けて攻撃し、退路を遮断して敵を戦場に捕捉するため、「突破」よりは推奨される機動方式である。
2011-01-16 23:48:41なお、米軍のイメージ図では敵の前線を突き破って後方に進出している。それはそうだ。敵が過失でも犯さなければ開放翼はそう簡単に存在しない
2011-01-16 23:50:40昔は某社でも「包囲と突破の違いは目的の違いであり、それは目標の違いに現れる。攻撃の一部が敵陣地にかかっても、目的及び目標が包囲であれば包囲と見なす」といわれていた時代があった。昔の話だ
2011-01-16 23:52:58@bouninng 側面や背面からの攻撃は、今説明している「包囲」に関わります。turning movementは、敵を「今存在している場所」で攻撃するものではない事を覚えておいてください
2011-01-16 23:54:18今では「敵の陣地に少しでもかかったら翼側の『突破』とみなし、包囲ではないとする」というように言われている。遭遇戦なら発生するかもしれないが、陣地戦ではまず発生しない想定だろう
2011-01-16 23:58:18@seibihei おおぅ、不覚……そうでした。敵の防御陣地の側面から攻撃するのではなく、そもそも敵の意図する「戦場」の陣地から出して、別の「戦場」で戦わせる、というか、陣地に篭っていない敵を攻撃するための「迂回」でした。……これでいいんだろうか
2011-01-16 23:59:18以前緑装薬氏は「敵陣地の攻撃で戦力を減らすと、攻撃が成立しなくなるから」と説明していたかと記憶している。しかし、湾岸戦争の第7軍団の機動を「包囲」と説明している事と矛盾しているように思うこともある
2011-01-17 00:00:52@seibihei 「包囲」は「突破」「迂回」によって達成される[目的][状況]であり、「突破」「迂回」と同等の要素として並列の位置に置くのはきびしい気がします
2011-01-17 00:07:54話を戻す。包囲は敵の防御組織をそのままにし、その弱点である側面や後方から攻撃して、また後方を遮断する攻撃機動である。このため、敵は防御組織をある程度温存できる
2011-01-17 00:12:12