2015.10.31 虎徹さんbotハロウィン＆バニ誕 ツイート2015版

鏑木・Ｔ・虎徹bot @KTK_b

・・・・・・ふぁああ～～ぁ・・・・・・なんっか、スッゲェ変な夢見てた気がする・・・（頭カキカキ）

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（両頬をパシンと叩いて）っしゃ！ 今日も張り切っていきますかっ！

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「ようバニー！ 『とりっくおあとりーと』っ！」 「・・・今年はパターンを変えてきましたね（ボソッ）」 「何の話だ？」 「いえこっちの」

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「（掌を上に向けて両手を差し出し）んっ」 「何ですいったい」 「だーかーらー、『とりっくおあとりーと』！」 「ああ、それですか。って、さすがに今は持ってませんよ。第一あなた子どもじゃな・・・」 「じゃ、イタズラ決定～♪」 「ちょっ！？」

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がっしり掴まれた頭の上で、何かが揺れる気配。 「・・・あなた、まさかこれ」 「（ビシッ！と人差し指を立てて）似合ってるぞぉ、ながーいおみみ！」 「（ムッ）いい加減に・・・って、取れない！？」 「斎藤さん特製カチューシャ。４時間くらい取れないんだってよ」 「ハァ！？」

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「どうするんです、この後の生放送！」 「んで、衣装これ」 「あなた人の話聞いてます！？」 「や、だから」と、手提げ袋を押し付け「それとこれで、出ろって、特番」 「このまま！？」 「それ（耳）とこれ（衣装）でこーでぃねーとはバッチリだって、アニエスが」

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「スーツ、ベスト、白手袋に懐中時計…案外まともですね」 「ＢＴＢで出演する子ども向けのやつだからさ、ほらさっさと仕度しねえとプロデューサー様のカミナリ落ちるぞぉ」 「ブルーローズさんと？ということは」 「そそ、アレ」 「あなたまさか猫…」 「ちっげぇよ！帽子被る方っ！」

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「あぁ、そのあとのハロウィンパーティ用衣装ってのはまた別だっていうから安心しろよ。ながーいお耳のない、カッコイイやつだって」 「あなたの言う『格好いい』は信用できません」 「だーいじょうぶだって、市民アンケートで決めたっていうからさ♪」

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「ハァ…ようやく外れた」 「メシ買ってきたぞ～…って、なーんだもう外しちまったのか、似合ってたのに。子ども達も喜んでたろ～」 「冗談じゃありませんよ、この姿で一日中なんて」 「そーだよな、誕生日だってのに」 「あ」 ウサ耳ショックですっかり失念していたことを思い出す。

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「誕生日、おめでとうさん。バニー」 向かい合わせに腰を下ろし、目線を合わせて。 「・・・あなたの『イタズラ』で、朝からそれどころじゃありませんでしたけどね」 そっけない皮肉は、照れ臭さの裏返し。 「発案者は俺じゃねえんだって～、もー勘弁してくれよぉ」 「実行犯ですから」

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「実行犯って・・・オイオイ」 「で、いつもは発案者のあなたが、今回はどんなサプライズを企画していると？」 「それ訊いちゃう？ てか、サプライズってわけでもねえんだ、今回は」 「珍しいですね・・・却って怖いな」 「なんだよそれ、ひっでぇ」

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「今日あっちこっちで衣装替え多いから、プレゼント持ってきてなくってさ。仕事終わったらちょっと時間、いいか？」 「構いませんよ」 「ぃよーっし、そんじゃまずメシしっかり食って、午後の仕事頑張りますかあ！」

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「・・・えーっとぉ？ これが市民アンケートで決まったって仮装ってやつか（ごそごそごそ）」 「僕はこれですか。マント・・・長いですね」 「うわっ、ハンサム凄み1割増し」 「なんですその微妙な数字」 「元がいいってこと！」

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「・・・っだーー、今年もお菓子配りまくったああ！ もうスッカラカン！」 「さすが子どもに人気でしたね、ワイルドタイガー」 「お前だって女の子にぐるーっと囲まれてただろぉ」 「あなたは男の子が多かったですね。『こてつー！』って」 「それを言うなって！」

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「バニーなんてほらあれ、みんなおめでとう！おめでとう！って。よかったな」 「ええ。みんないい子たちでしたね」 お菓子の代わりに渡された、小さな花束の山を両手いっぱいに抱え、頬がふわりと緩む。いつの間にか、こんなにもやわらかい表情を見せるようになった。

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「それで？ あとは収録した分の放送で済むそうですから、もう上がれますけれど」 「そうだな、じゃ行くか」 「あなたの家へ？」 「いや、行き先は・・・」 「・・・えっ？」

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「バーナビー！ お誕生日おめでとう！」 「おめでとう～！」 車が着くなり駆け寄ってきて、笑顔で迎えてくれる、見慣れた顔の子どもたち。 「みんな・・・・・・ありがとう」 急かされるように手を引かれ、招き入れられた室内は、いっぱいの手作りの飾りで彩られていた。

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「すごい・・・これみんなが？」 「わたしこれ作ったの！」「ぼくはこれ！」 紙やリボンを上手に使って作られた、星や花、カボチャやヒーローの形のモビールが、あたたかな灯りに照らされて、きらきらゆらゆら。まるでおもちゃ箱のよう。

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「ほら、この間リハーサル兼ねて出張コンサートやったろ？ そんときここの子たちがさ」 バーナビーの誕生日はいつもハロウィンと重なるから、お仕事忙しそうでお祝いしてあげられないの。 そう孤児院の子どもたちが遠慮がちに言っていたのが、ずっと気にかかっていたという。

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「で、そんならみんなでお祝いしちゃおっか！って思ってな」 「虎徹さん・・・」 あのコンサートのことだって、会場に来られない子たちのために、どうにか聴かせてあげられないかと知恵を絞って掛け合ってくれた。そしてまた、今日もこうして。 まったく、このひとときたら。

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「ケーキもあるよ」「みんなで作ったの！」「上手に焼けたよっ」「クリーム絞ったのわたし」「お庭のミント摘んでね、飾ったの」 差し出されたのは、まあるいバースデーケーキではなく。見覚えのある、素朴な。 思い出に良く似た、パウンドケーキ。 pic.twitter.com/ys7luDJKvr

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口々に沸き起こるバースデーソング。音程もテンポも揃っていないけれど、とても心地よい響き。 「ねえ、ろうそく消して！」「早く早く！」 ふぅっと一息に吹き消せば、わあっと拍手が上がった。 嬉しいのに、目頭のあたりがきゅうっと痛くなる。 「みんな、本当にありがとう！」

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透明な液体を湛えたグラスの中の氷が、かろん、と鳴る。 「・・・どこが『サプライズはなし』ですか」 「ん？ 実際『俺は』なーんもしてねえだろ。子どもたちが、自分らでやりたいって言ったんだ」

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何もしてない、なんてことはない。いや、このひとにとってはなんてことない、自然な行動なのだろうが。 「そういえば、あなたからはまだ『プレゼント』貰ってませんよ。持ってきてない、って言いましたよね」 そう、出掛ける口実のためについたであろう嘘の、揚げ足取りのつもりで言ったのに。

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「あぁ、それ」忘れてねえよ、と言い置いて戸棚の方に行き、10cmくらいの紙片を手に戻ってきた。 「改めて、誕生日おめでとうさん。バニー」 長辺の真ん中あたり、縦にミシン目のついた、薄い緑色の紙。表にも裏にも、何も書いてはいない。