そうじ日和

あさこ。 @yoko_7d8u_asako

【そうじ日和×隆平】 1 誕生日目前に 彼氏に振られた。 後輩に寝とられたパターン。 せっかく･･･出かける予定で 誕生日休みにしたのに。 こんな日に限って みんなと予定合わないし。 ･･･はぁ。最悪。 こんな日は 「掃除でもしよっか･･･」 #そうじ日和

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2 元カレとの思い出の品。 ゴミ箱にポイ。 デートに来た服。 私の好みじゃなくて 彼に合わせたやつだから。 ゴミ箱にポイ。 彼のマグカップも。 叩き割ってwww 気をつけてゴミ箱にポイ。 あんなヤツ。 こっちから忘れてやる。 #そうじ日和

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3 何てしてたら 高校の卒アル出てきて。 「懐かし！」 思わずパラパラ開く。 すると･･･ 寄せ書きの中に 小さな文字で。 当時付き合ってたけど 大学別になるから別れた 隆平からのメッセージが。 『10年後のお前の誕生日。 ここで再会しちゃおうぜ。』 #そうじ日和

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4 それを見て鳥肌が立つ。 「10年後って･･･今日やん･･･」 ────私は一瞬考えて。 速攻でかける準備をした。 ･･･そりゃ こんな寄せ書き。 彼が覚えてるとは思わない。 でも。 「ひとりで掃除してるより 全然ましだよ･･･」 #そうじ日和

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5 向かう高校は 家から3つ駅をいった所。 私は地元に残ったから すぐに行けるけど･･･ 地元を離れた隆平は 今どこにいるんだろう？ この街に帰ってきてるのかな？ ･･･どちらにしても そこにいる可能性は薄いよね。 でも。 彼なら･･･ #そうじ日和

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6 高校は10年前と ほとんど変わりなくて。 久々の景観に思わず顔がにやける。 平日だから 授業中の生徒がちらっと見える。 懐かしくて それだけでにやける。 敷地内は入れる場所が限られるから。 当たり障りなく うろうろしていると･･･ 「あ･･･」 #そうじ日和

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7 体育館に繋がる裏階段。 部室の並ぶそこに･･･ 「隆平･･･？」 ひょろりと背の高い男性がいて 思わず声をかける。 するとその人は振り返って 『あぁ！ほんまに来たwww』 って屈託なく笑った。 #そうじ日和 pic.twitter.com/e3vLjA3v14

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8 「それはこっちの台詞だよ！」 私も笑って 彼に駆け寄る。 ────瞬間 一瞬なんだけど。 隆平が左手を隠して なにかしたのを見逃さなかった。 ゴソゴソと ポケットに手を入れて。 何食わぬ顔でまた出す。 『変わってへんなぁ！ 元気やった？』 #そうじ日和

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9 「うん･･･」 私は答えつつ 考えを巡らす。 ･･･そして。 ひとつ試してみる。 「せっかくだからさ。 ランチでも行こうよ！ ･･･って今何時？」 そう言いながら 彼の左腕をとり 時計を眺める仕草をする。 『11時･･･ちょっと早ない？』 #そうじ日和

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10 「そうやねwww」 『やし･･･小腹すかすためにも この辺ぶらつかん？ 天気もええし。話しながらやぁ♪』 「そやね！」 そう言って二人で歩き出す。 会話しながらも 私の頭の中は さっき捉えたワンシーン。 時計を見つつ確認した 左手の薬指。 #そうじ日和

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11 そこにはうっすら日焼けの跡･･･ 明らかにリングがあった形跡。 ────ふーん。 隆平は今、他人のものなのね。 でも。 それを隠したってことは。 ［下心アリ］ そう見なしていいんだよね？ #そうじ日和 pic.twitter.com/1MtU6WmxFG

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12 少し散歩して。 懐かしいファミレスで 安いランチして。 『まじあの頃戻ったみたいwww』 ってドリンクバーではしゃぐ隆平。 「ちょ･･･落ち着こうよwww 見た目アラサーなんやからwww」 『ええやんたまには！』 そう言って何度もおかわり。 #そうじ日和

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13 ひとしきりご飯を食べて。 思い出したように 隆平が尋ねる。 『でも･･･よぉ覚えとったね。 今日、わざわざ休みとってたん？』 「ん･･･偶然ねwww 用事あって休みとったんやけど キャンセルになって。 掃除してたら卒アル見つけて。 で、思い出した。」 #そうじ日和

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14 すると隆平は笑って。 『あぁ！そのパティーンねwww って俺も実は。 最近引越てんけど そん時に卒アル見てやぁ。 あ！お前の誕生日もうすぐやん！ ってなって。 で、試しに来てみたwww』 隆平は少しはにかんで。 そんなの見たら弄りたくなる。 #そうじ日和

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15 「誕生日･･･覚えててくれたんや。」 上目遣いで聞くと 隆平は顔を赤くして。 『うん。 ･･･だって。 初めての彼女やってんもん。 そら覚えたら忘れへんよ。』 ────可愛い人。相変わらず。 あー。 どうしよう。 ちょっとやばいな。 #そうじ日和

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16 私はため息をひとつついて ぼんやり外を見る。 「隆平は優しいなぁ。 隆平と･･･ずっと付き合ってたら どうなってたのかな？」 そんなふうに言えば 彼がどう聞いてくるか。 何となく想像しながら･･･ 『･･･どないしたん？ なんか･･･元気ないなぁ。』 #そうじ日和

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17 ほら。隆平は今も優しい。 「おとといね。 いきなり彼氏に振られたん。 ほんとは今日彼と･･･ 1泊遊びに行く予定やったんに。 ほんと。隆平と違って。 ひどい男。」 こんな失恋したての 可哀想な女が目の前にいたら･･･ 隆平･･･貴方は何て言う？ #そうじ日和

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18 隆平は･･･ 私の手を握って 真っ直ぐ見つめる。 『何やねんその男･･･腹立つわ。 そんな奴･･･忘れてしまえや。 今日は俺ずっと一緒におるし。な？』 ･･･一緒にいてくれるんだ。 ほんと。 今日掃除して 卒アル見つけてよかった。 #そうじ日和

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19 私は彼の手を握り返し 「それって･･･ 隆平が忘れさせてくれるってこと？」 って聞き返す。 すると隆平は 少し驚いて。 でもそれから優しく笑って。 耳打ちする。 『･･･うん。忘れさせたる。 あわよくば･･･ 俺で頭いっぱいにしたい。』 #そうじ日和

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20 私は目を伏せる。 そうだね。 頭の中は･･･ 隆平に一掃してもらおう。 「いいよ･･･ 隆平の事だけ考えたい。」 ────この意味わかるよね。 そう言った私の頭を撫でて 隆平は立ち上がる。 「･･･どこいくん？」 わかってるくせに聞く私。 #そうじ日和

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21 すると隆平は 伝票をとりつつ 『お前が俺だけ考えられる場所。 ･･･もう大人やねんから。 この意味わかるよな？』 うん。わかるよもちろん。 ────私たち二人共 駆け引きできる ずるい大人になったね。 #そうじ日和 pic.twitter.com/GwQtJZxwPb

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22 気づくと･･･ 隆平は私の腰に手を回し 私は隆平の腕にしがみついて くっついたまま近くのホテルに入る。 平日。しかも昼間。 部屋は空室だらけ。 隆平は鼻頭を掻きながら 『お嬢様･･･希望あります？』 なんて茶化して。 私は彼にもたれつつ笑う。 #そうじ日和

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23 「じゃあ･･･せっかく誕生日やし。 いっちゃん高い部屋♡」 『そやなwww』 そう言って 私たちは最上階の部屋を チョイスした。 ────「うわっ･･･広！」 部屋に入って私は驚く。 部屋やベッドのサイズはもちろん 諸々の小道具もあってwww #そうじ日和

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24 『さすがいっちゃん高い部屋www』 キーカードをテーブルに起きつつ 隆平はシャツのボタンを外しながら ベッドに座り込んだ。 それから大きく手を広げて 『こっちおいで』 って。 「･･･いきなり？シャワーとかは？」 私が躊躇うと 隆平は笑って。 #そうじ日和

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25 『いきなりってこっちの台詞www エロいことの前に とりあえず１回ぎゅってさせてや。 ･･･あかん？』 そう言われ恥ずかしくなる。 そうなる事ばかり考えてたのが 見透かされたみたいで。 堪らず私は その腕に飛び込んで 顔を彼の胸に擦り付ける。 #そうじ日和