思い出に変わるまでー片思い×章大続編

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あみ @ami_qitt25

1 『俺な引っ越そうと思うねん…』 遊びに来た大倉に 《ん?ヤス引っ越すん? そやな、この街辛いよな…》 『そやねん… 何処もあの子を思い出すから…』 《ん、それがええかもな、 もう大分経つやろ?》 『ん…そやな、、、』 #想い出に変わるまで

2015-10-07 17:56:01
あみ @ami_qitt25

2 やっとあの子の事を話せる迄に なったけど やっぱり何処かで探してる俺が居って この街に居るんが最近ちょっと 辛いねん そんな話をして数日 #想い出に変わるまで pic.twitter.com/mTcPvyxVMn

2015-10-07 17:57:38
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あみ @ami_qitt25

3 仕事が忙しいから部屋探しは マネージャーに任しとったん で、引っ越す前に1度見てくれって 言われて 引越し先に行ったらマンションの前に 女の人が立ってて 『あの?不動産会社の…』 俺の声に振り返ったその人は… あの子なん? #想い出に変わるまで

2015-10-07 17:58:54
あみ @ami_qitt25

4 いや、そんな訳無いやん… 車椅子やないし ましてあの子は… もう、居らへんのやから… 「あの…大丈夫ですか?」 その人は俺の顔を覗き込み心配そうに 『あ、ええ、… 大丈夫です、ちょっと知り合いに 似ていたから…びっくりして』 #想い出に変わるまで

2015-10-07 17:59:53
あみ @ami_qitt25

5 「あ、はあ…顔色が悪いですけど… お日にち変えますか?」 『いえ、大丈夫ですから… 見せて下さい』 少し強引に言って先に歩き出すと 慌てて後ろから走って俺の前に 出ようとして 溝にヒールを挟んで前に 倒れそうになる #想い出に変わるまで

2015-10-07 18:00:50
あみ @ami_qitt25

6 慌て手を差し出して彼女の身体を 受け止めてそのまま2人して倒れた 「ご ごめんなさい…大丈夫ですか?」 『あん、 俺の上から退いてくれたら大丈夫』 「あ、ほんとごめんなさい」 慌てて彼女が俺の上から退いて 見るとヒールの踵がポッキリ折れてる #想い出に変わるまで

2015-10-07 18:10:11
あみ @ami_qitt25

7 『ああ、あかんね…』 「ですね… いえ、あたしの不注意ですから… すみませんでした」 そう言って頭を下げるから 『ええよ、気にせんといて』 立ち上がり 『歩ける?』 彼女に手を貸し建物中に #想い出に変わるまで

2015-10-07 18:11:30
あみ @ami_qitt25

8 部屋の中を1通り見て リビングになる筈の部屋で図面を 見ながら説明を受ける 彼女は床に座ってて俺は中腰 説明する度上目遣いで 俺を見るから‥‥ あの子が話してる気がして来る 段々と日が落ちて来て薄暗い中だと 尚更… #想い出に変わるまで

2015-10-07 18:12:38
あみ @ami_qitt25

9 【ねぇ?章大君?】 そんな声が聞こえた気がして 周りを見回す… 居る訳無いのに… 「あの?…大丈夫ですか?」 心配そうに覗き込む仕草迄 あの子に見えて #想い出に変わるまで pic.twitter.com/mi7K1hs7Lw

2015-10-07 18:13:55
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あみ @ami_qitt25

10 彼女を抱き締めてしまった 「え?あの?なんで?…」 『ごめん、少しだけ… こうさせてくれへん? ちょっとだけで‥‥』 彼女を抱き締めながら泣いて居た あの子が居なくなってから 初めて泣いた 声を上げて‥‥ #想い出に変わるまで

2015-10-07 18:17:40
あみ @ami_qitt25

11 彼女は俺の背中を 優しく撫でてくれて居て その手があの子の様な気がしてくる どのぐらい経ったんだろう 【章大君‥‥もう、忘れてね…】 そんな声が聞こえた気がして 顔を上げた 「大丈夫?…」 #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:42:20
あみ @ami_qitt25

12 彼女がゆっくりと身体を離そうと するからもう一度抱き寄せ… そのまま床にゆっくり倒した 『ごめん、‥‥ごめんな…』 彼女は黙って俺を受け入れて… #想い出に変わるまで pic.twitter.com/rPlIBo2Uoc

2015-10-08 02:43:52
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あみ @ami_qitt25

13 真っ暗な部屋の中で 彼女が服を直してるのを ぼーっと見つめてた 「‥もう、 暗くなったから帰りませんか?」 彼女の声で我に返り 『ああ、…あのう… ほんまにごめんなさい』 頭を下げると #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:45:09
あみ @ami_qitt25

14 「もう、謝らないで下さい… 何だか、あたし自体を否定された みたいで…大丈夫ですから、 言いませんし、 何も無かったですから…」 そう言った彼女の瞳が濡れて 見えたのは 車のライトが反射しただけなん やろうか? #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:46:31
あみ @ami_qitt25

15 マンションの前で 「では、手続きはマネージャーさんと行いますから…失礼します」 そう言って頭を下げて片手にヒールが 取れた靴を持って歩き出した 『あ、…まっ…』 なんと言って引き留めるん… 俺は彼女を傷つけたんやで… #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:47:59
あみ @ami_qitt25

16 止めることなんか出来ひん… 彼女の後ろ姿を黙って見るしか 無かった あの日から彼女にどうしたら 許して貰えるのか考えてた …なんでや? 別に許して貰う必要あらへんやん 彼女だって納得しての事やねんから… #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:49:05
あみ @ami_qitt25

17 ほんまにそうなんやろか? 誰かの代わりだって 解ってたんやろか? 解ってるわな… じゃなきゃ、あんな事言わへんよな 「あたし自体を否定されたみたいで…」 彼女の声がリフレインする そんなつもりは無かった… #想い出に変わるまで

2015-10-08 02:50:48
あみ @ami_qitt25

18 あの子の代わりに抱いたんや無い… ほんまにそうなんやろか? あの子に伝られへんかったから あの子を抱き締める事が 出来んかったから 代わりに彼女を抱いたんや無いの? #想い出に変わるまで pic.twitter.com/wqxxREJ4lB

2015-10-08 02:52:13
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あみ @ami_qitt25

19 結局、自問自答… 俺は誰も幸せにする事なんて 出来やしないんや… だからあの子も… 俺の前から去ったんやないの? [章ちゃん? 元気あらへんね…何かあったん?] 仕事終わりに丸に声を掛けられた 『ん、…ちょっと…』 #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:03
あみ @ami_qitt25

20 [ん?俺で良ければ話聞くで?] 話を聞いて欲しいんや無くて1人で 居たくなかった…それが本音 やって、1人で居ったら彼女を考えてしまうから… あの日の彼女の後ろ姿を [章ちゃん、 それはその子に惚れたんやないの?] #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:12
あみ @ami_qitt25

21 丸の軽い調子の言い方に 少しムッとしながら 『そんな事あらへん、やってあの子と外見しか似てへんのに…』 [そりゃそうやけど、そこから入る事やって有るやろ?見た目は大事やん] 『だからって、 あんな事したんやから…』 #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:21
あみ @ami_qitt25

22 [でも、 その子も受け入れてたんやろ? 全く嫌や無かったんやろな… 章ちゃんの事] そうなんやろか?丸が言う通りなら… 確かに最近はあの子の事を 思い出すより 彼女の事を考えてる方が多いけ それは恋ちゃうと思う… #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:29
あみ @ami_qitt25

23 ただ、彼女に… もう一度会いたいのは事実やけど その機会は案外早くやって来た 俺は結局あの部屋に引越しを決めて 今日は引越しの日 業者がバタバタと出入りしてる中で 俺はあの日の事を思い出していた #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:37
あみ @ami_qitt25

24 彼女の声、姿、… それはあの子とは違う 彼女自身… ああ、彼女の事何も知らへんのや 思い出すのはこの手に残った肌の感触 もう一度…いや、初めからやり直さな どうしたら… ああ、簡単や 不動産屋に連絡したらええんや #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:45
あみ @ami_qitt25

25 そう思い立ちマネージャーに連絡先を 聞こうと振り返ったら… 彼女が立って居た 「お忙しいところ恐れ入りますが …さんは?」 随分、他人行儀に… 少しムッとしながら 『その辺にいませんでしたか?』 彼女は俯きながらカバンから 書類を出して #想い出に変わるまで

2015-10-08 17:52:54