「これからのアーティスト像について」宮島達男( @tatsuomiyajima)さんの連続ツイート

まとめました。
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宮島達男 @tatsuomiyajima

15) たぶん、ファインアーテイストと呼ばれる者の今後の役割は、これまでの神の代理として人々の手の届かない天才という立場でなく、むしろ、あらゆる人々が未だ気づかない想像力を刺激し、眠ってる創造の翼を開かしめ、鼓舞する役割が求められるだろう。アーテイスト像は変更されなければ。了。

2015-11-18 14:02:45
宮島達男 @tatsuomiyajima

14) これが、ソーシャルアーテイストの実像ではないか。だとすれば、これから、真に社会を変えていくアーテイストは、美大からだけ出現するのではなく、あらゆる場所から生まれてくる。それが、私がいつも言っている「Art in You」の世界だ。では、これまで芸術家と呼んでい者の役割は?

2015-11-18 13:51:50
宮島達男 @tatsuomiyajima

13) 彼らは一般の高校から来た子が多い。しかし、限界集落に賑わいを取り戻したり、伸び悩む企業を再生したりと「コト」をデザインしている。それは、もはや立派なボイスの言う「社会彫刻家」と呼べるだろう。つまり、絵が描けなくても、モノが作れなくても創造力の翼で芸術家になれるのだ。

2015-11-18 13:46:23
宮島達男 @tatsuomiyajima

12) 先に出した「芸術立国」の理念の元、東北芸術工科大学では、デザイン系の学部に「企画構想学科」や「コミュニティデザイン学科」を立ち上げた。ここに学ぶ若者は絵を描いたりモノを作ったりが必ずしも得意ではない。しかし、彼らは人と人とを繋いだり、奇抜な発想で社会を変えようとしている。

2015-11-18 09:43:24
宮島達男 @tatsuomiyajima

11) ちょっと間が空いてしまったが、連続ツイートの続き。だから、山本氏は芸術家の意識改革へ期待を寄せる。芸術家がボイスの言う「社会彫刻家」となって活躍することを願うのだ。私も同感だが、それは何も芸術家(ファインアーテイスト)だけとは限らないのではないかとも思う。

2015-11-18 09:38:18
宮島達男 @tatsuomiyajima

10) 近年、より複雑化する世界の中で重要なのは「創造性」と、殆どの企業家が言う。山本氏は、だからこそ、芸術家はニーズがあり、社会の中でソーシャルアーテイストとして活躍することを積極的に提唱する。これは、私が関わる京都造形大や芸工大の理念「芸術立国」に呼応する。

2015-11-11 13:10:58
宮島達男 @tatsuomiyajima

9) これは、芸術が社会に歩み寄ったというより、あきらかに経済活動が芸術に近寄ったと見るべき。近年の美術館独立採算性、そして、妻有や瀬戸内芸術祭の成功など、もはや、芸術は社会の経済活動と切っても切れない関係と、美術部外者から認知されている。ボイスの論「芸術=資本」は自明なのだ。

2015-11-11 12:58:46
宮島達男 @tatsuomiyajima

8) この年、権威ある純粋芸術の祭典、ベニス・ビエンナーレとミュンスター彫刻展が市場を代表する雄、バーゼル・アートフェアと手を組み、一大キャンペーンを張った。これにより、神話体系内の人々は「商業化した」と嘆き、外部者は「芸術も通常の商行為か」と安堵したと言う。

2015-11-10 11:30:22
宮島達男 @tatsuomiyajima

7) これは、美大が悪いとか先生が悪いという単純な犯人探しではない。17世紀の芸術アカデミーの創立から18世紀の美学の誕生、19世紀の美術史の創出という歴史の流れの中で、不純物が取り除かれ確立した、強固な芸術神話体系の問題なのだ。これに、メスを入ったのが2007年だと氏は語る。

2015-11-10 11:25:03
宮島達男 @tatsuomiyajima

6) 山本氏は、アンケート調査を自称アーテイストに実施した。その中で「大学で習ったことは何ですか?」で一番多いのが、「自分が納得できる作品の作り」だった。のに対し「本当に習いたかった事は?」との問には、「アーテイストとしての生計の立て方」や「資金調達方法」が最も多かった。この乖離

2015-11-10 10:55:09
宮島達男 @tatsuomiyajima

5) その芸術家の再生産は、主に美術系大学で行われており、「良い作品が出来ればいつかは報われる」という幻想、チャンスはきっと巡ってくるというギャンブルへ若者を駆り立てる。何故なら、教える側も組織も先のミクロ的芸術世界の内部であり、「神話的価値体系」の価値観で教えるてしまうからだ。

2015-11-10 10:42:52
宮島達男 @tatsuomiyajima

4) しかし、その活況とは裏腹に、未だ殆どのアーテイストは貧乏でニーズはほぼない。にもかかわらず、若いアーテイストは生産され続けている。山本氏は「大量の芸術供給者が再生産されるこの不健全な状況は、経済学的に不合理なのではなく、芸術の概念そのものの誤りに起因している。」と指摘する。

2015-11-10 10:29:58
宮島達男 @tatsuomiyajima

3) そして、芸術は社会や世界の現実から目を背け、ひたすら純粋で自由な遊びとして、神聖化、神話化されてきた。結果、世界から孤立し、柄谷行人が指摘する「国家と資本を神聖化するシステム」と同様に市場での「神話ビジネス」で現在のバブルとも言えるアート市場の活況を生んできた。

2015-11-10 10:32:12
宮島達男 @tatsuomiyajima

2) これは、ボイスの「芸術は芸術というゲットーの中で生きるよう強制されている」と呼応し、また、私の数年前のツイッターでの考察と通ずる。そして、ハンス・アビングが「芸術の神話体系に依存する特殊な市場経済」と指摘する世界だ。docs.google.com/document/d/1mM…

2015-11-10 10:15:28
宮島達男 @tatsuomiyajima

話が長くなり途中だったので改めて連ツイ。1) 山本和弘が書いた「厚生芸術の研究」を読み深く動かされた。彼は、これまでの美学、美術史、美術批評は芸術的価値の自律性を前提にしたミクロ芸術論だ。と言い、今必要なのは世界における芸術の位置(意義)を考察するマクロ芸術論であると述べる。

2015-11-10 10:13:58