ツイノベ大賞応募用まとめ

第二回ツイノベ大賞に応募してみようかと。応募作を纏めてみました。てへ。
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ぬこ @sakuranuko

森の中で動物達が困り顔。狸「何で新月の夜にしたんだよ」兎「だってカレンダーにダーツ投げたら今日だったんだもん」「お月様祭りに月がないなんて…」鼠達はしょんぼり。「待ってろ」狼がそう言って何処かに消えた。1時間後、街の灯りが全て消え満点の星空に黒い月が浮かんだ。 #twnovel

2011-01-19 12:13:57
ぬこ @sakuranuko

「この子、粉薬は飲めないんです。水薬を…」動揺する母親と泣く子の姿が見える。ここは病院。あの子供は僕。茶碗に入っていた熱湯で火傷をしたのだ。何故子供の自分が見えているのかわからない。「行かないで!」今度は母の声が聞こえる。ハッとした。正気に戻った螺旋階段の頂上 #twnovel

2011-01-19 12:11:51
ぬこ @sakuranuko

深夜NASAから地球外の生命体について発表があると言うので、横で寝ている彼女に悪いと思いつつ、同時中継を見ていた。「既に他の星からの生命体が人間と同じ姿で紛れています」衝撃的な内容だ。驚く僕に何時の間にか起きてる彼女がキスをしながら言う。「細かい事キニシナイ」 #twnovel

2011-01-19 12:10:25
ぬこ @sakuranuko

「大丈夫、上手くいくように魔法をかけたから」そう言って僕は短く切った君の髪を撫でた。弱々しく微笑むと君は瞳を閉じる。オペ室に向かう夜のエレベーター。緊急オペだ。お互い魔法など無いことは百も承知だ。僕はまた長く伸ばした髪の君と手を繋いで散歩する日だけを祈る。 #twnovel

2011-01-19 11:49:39
ぬこ @sakuranuko

僕は図書館の司書。今夜も書庫で残業。ふと呼ばれた気がして窓を開ける。春の夜風が頬をくすぐる。床に目をやると光るモノ、魚の鱗のようだ。大きくキラキラして美しい。「それを返して下さい」振り返ると美女が。アンデルセン童話棚の前… 僕は目を疑いつつも彼女に心を奪われた。#twnovel

2011-01-19 12:05:01
ぬこ @sakuranuko

僕らは水族館に住む海月。あたためあった想いも毒も漂いながら観客のいない深夜に吐き出してしまおう。降り積もった落ち葉が土に還るように、僕らは月の光も届かない蒼い水槽で海に還る。月が輝く海は僕らの胸の中で宇宙のように広がっている。 #twnovel

2011-01-19 12:08:07
ぬこ @sakuranuko

昼間の水族館、何度目のデートだろう?並んで水槽を眺めながら彼が口を開く「実は俺 結婚してるんだ」眼鏡の奥の瞳は水槽を見つめたまま。突然の告白にさほど驚きは無かった。大海原を泳ぐ魚達をこの狭い水槽に閉じ込める事を罪と言わないのなら、誰が私達を責められるだろう。 #twnovel

2011-01-19 11:58:27
ぬこ @sakuranuko

仕事を終えて紅葉狩りのデート。この時期ライトアップをしている。渓谷に架かる橋の両脇の紅葉達は照明のせいで本当に赤いのかわからない。全てが真っ赤だ。夢と現実の区別がつかない。彼の手を探してスーツのポケットに手を入れた。冷たい感触。外した指輪が私を現実に引き戻す。 #twnovel

2011-01-19 11:45:20
ぬこ @sakuranuko

仕事が早く終わって久しぶりに訪れた夕方の映画館。学生の頃は映画好きの彼と毎月1日には必ず来ていたのを思い出す。俳優の顔や名前を覚えられない私を貴方はいつも笑ったっけ。別れを切り出された時は随分落ち込んだけれど。ごめんね、貴方の顔ももう覚えてないや。 #twnovel

2011-01-19 11:59:39
ぬこ @sakuranuko

夜勤明けの朝。雨と雷を避けた高架下で君を拾った。ミィと名付け一緒に暮らすようになって一年、ある夜ミィは人の姿になった。凄く可愛いくて僕を愛してると言う。夜な夜な愛し合うようになり5年。僕より年上になってしまったミィ。ある雷の夜を境に人の姿になる事はなくなった。 #twnovel

2011-01-19 11:36:49