Krita開発史：Kritaの誕生と開発の歴史からKritaの高機能と公式のあり方に迫る

tokiedian @tokiedian

そして8月23日、Bart Szyszkaにより、最終的にKImageShopはKrayonと改名することとなります。しかしこれは後で大きな問題を引き起こすこととなるのです。

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ともかく、Qtのライセンスを巡る対立から、それを発端とするGIMPを巡るKDEとGIMP・Gnome間の論争より生まれたKImageShopは、生まれて数か月で路上に放り出され、1年近く放置されることでどんどんと劣化していきました。

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この状況は2000年10月、ある男の出現で変わります

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2000年9月31日、ある男が自らKrayonのメンテナ、すなわち開発及び維持の主席代行に名乗りを上げます。それがKrita（Krayon）の初代メンテナとなるJohn Califfです。

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Krayonメンテナとなった彼は、コンパイルさえ困難だったKrayonをせめてコンパイルできるようなものへとすべく一人猛然と開発を開始しました。

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彼の開発は4か月にわたって続きます。そして2001年2月12日、54回目のコミットを最後にして、彼は姿を消します。以降、彼の行方は誰も知りません。

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以降Krayonは再び1年近く放置されることとなります。その状況に再び変化が訪れるのは2002年2月27日、初代メンテナJohn Califfの失踪から1年と6日後となります。

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（つまりKrita初代メンテナJohn Califfの在職期間は名目上1年4ヶ月26日、実質的には4ヶ月10日ということになります）

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2002年2月27日、再びメンテナに名乗りを上げる者が現れます。それがKrita2代メンテナ、Patrick Julienでした

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新メンテナになった彼に待っていたのはまず法律の問題でした。Krayonという名称がドイツのグラフィックCDのシリーズを販売しているサイト、crayon.de（現在はcrayon.com/de-DE/）から自サイトの名称にあまりにも似ていると訴えられていたのです。

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Patrick Julienはメンテナ就任の2002年2月27日のうちにKrayonの名称を、スウェーデン語でクレヨンの意のKritaに切り替えます。これにより、名実ともにKritaが誕生したわけです。

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法的問題を解決したPatrick Julienはかの有名なGoF著の「オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン」に基づき、Kritaのリファクタリングに乗り出します。

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しかし、作業すべき範囲のあまりの多さに、Kritaの開発は再び停滞します。ですが、Kritaの開発は停滞しても、開発陣には変化が生まれ始めます

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2003年10月1日、現メンテナのBoudewijn RemptがKritaの開発に参加します。

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そしてSven Langkampが2003年12月14日に、Cyrille Bergerが2004年2月9日にKrita開発に参加するなど、現在の開発陣の最古参達がこの時期にKritaの開発に参加を開始したのです。