大倉さんとドライブ

うさぎ🐰ときどき妄想してました @eitars_h

1 『眠かったら寝ててええよ』 仕事終わりで誘ったドライブに二つ返事で来てくれた大倉さん。 嫌なことがあって気分が沈んでいたから、彼の低いトーンの優しい声はささくれだった私の心を解きほぐす。 「ありがと。ごめんね？突然」 『ん。えーよ。暇やったし』 #大倉さん①

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2 彼氏と別れて落ち込んでいる私を見かねて友達が紹介してくれた彼とは知り合ってまだ2週間くらい。 たまにLINEをしたり、仕事の後でご飯を食べたり、特にお付き合いをしてるわけじゃないそんなフランクな関係 を私は今の処楽しんでいた。 大倉さんもそうだと思う。 #大倉さん①

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3 今だって、 暇だから来てくれたって。 《どこ行くー？メシは？》 「うーん。大倉さんは夕飯は？」 《俺？俺はもう食べてもーてんなあ。あ、でもハラ減ってるなら付き合うで》 ‘まだ食えるし’って笑う 「wお腹は大丈夫かな。私も」 優しいんだよね。 #大倉さん

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4 《そっかー…》 あてがないけど車を走らせてくれる。 そのうちに標識が見えてきて、どうやら向かっているのは海だとわかる。 車内にはボリュームを抑えたソウルミュージックが流れていて、それがまた心地いい… …好きになりかけてるんだろうなって思ってる。 #大倉さん

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5 しんどい時に会いたいと思ったのが大倉さんだった。 もう、暫くは誰とも付き合いたくないって思って、大倉さんにもそれは伝えてて、それでもええやんて快く友達になってくれて。 豪快に笑う顔、ご飯を美味しそうに沢山食べるところ、何気に優しい事も知る度に好きになってる… #大倉さん

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6 単純なのかな？ 落ち込んでるから優しさが欲しいだけなのかもしれないし。 大倉さんだって付き合ってくれてはいるけど、甘い雰囲気なんて全然ならないし。 《今日は何があったん？》 前を向きながら聞いてくれる。 いつも仕事の愚痴を聞いてもらってたから。 #大倉さん

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7 「んー、いつもと一緒」 《ああ、例のいけすかん上司？》 「そう！」 《wそっかー。頑張ってんのにな》 「…うん」 ほら優しい。 彼女いないって言ってたけど相当もてるんじゃないのかなあ。 車は海岸の駐車場に停まる。 時間は夜の10時を回っていて、 #大倉さん

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8 夜の海は真っ暗で波の音しか聞こえない。 《外出てみる？》 「うん」 外は少し風が強くて、夏の終わりの肌寒さを感じた。 自分で自分を抱きしめるように腕を回し砂浜を歩いていくと 「ぅわっ」 砂に足を取られて転びそうになって 「あっ」 彼の方によろめく #大倉さん

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9 《大丈夫？…足元危ないから、ホラ手貸し？》 え？ 「///！」 返事も待たずに手を引かれてしまう。 …やっぱり手大きいんだなあ。それにあったかい。 ふふ、大倉さんて体温高そうって思ってたんだよね。 《ん、この辺でええ？》 そこに座り何もない海を眺める #大倉さん

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10 「真っ暗で空と海の境界線がわかんないね」 空には雲がなくて漆黒の闇の中に幾つもの星が瞬いていて、感動を覚えていると ふいに後ろから肩に回される腕 「っ…大倉さん///⁉︎」 《寒いやろ？》 息遣いを耳元で感じてかあっとなる。 今どんな顔してる？ #大倉さん

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11 どんな気持ちでこうしてるの？ 怖くて身動きがとれない… ぴったり密着した彼の体から心臓の鼓動が感じられた… 「…あの…大倉さん？」 《ん？》 こんなこと、言ってもいいのかな？なんて思われるんだろう。 でも聞きたい好奇心が突然波のように押し寄せる #大倉さん

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12 「…私たちって…何？」 《えーw…なんやろ？》 「…友達にも普通にこんなことするの？」 《…どうやろ？嫌やった？》 海を見ながらそんなやり取り… 何を考えてるの？ たまにぎゅっと力がこもる腕 そっと触れてみる すると更にぎゅーっと抱きしめられた #大倉さん

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13 からかってる？ これって抗議するべき？ そっと首を回して後ろを睨む 「っ！」 突然、チュッと音を立ててキスをされた。 今度こそと講義しようと開いた口を、次にはしっかり塞がれた。 「っんん…っ、おお…倉さ、ん！」 必死で振り切り睨みつける #大倉さん

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14 「どう言うつもり？」 キッと見上げると欲望の光を宿した眼差し。 《…好きって言ったら？》 「…え⁉︎」 《お前を好きになったって言ったら、付き合ってくれるん？》 「えっと…ごめ、え？好き？」 ドキドキと混乱でしどろもどろになる。 #大倉さん

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15 《まだ元カレんこと忘れてへんのやろ？やから、友達のまま待ってよう思ててん》 え？本当に？ 《せやけどさー、自分警戒心なさすぎやで》 腕をほどき大倉さんの顔を正面から見る。 《信じられへん？》 あー！あー！！！ 突然叫んで立ち上がる。 振られたぁー！ 大倉さん

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16 え、え⁉︎ちょっとまって！ 私も慌てて立ち上がる。 それについてはまだ何にも伝えてないっ！ ちょっと！なんで走ってるの⁈ 待って！置いてかないで！！ 「大倉さん！！」 精一杯叫んで呼び止めた。 ようやく彼は振り返る。 イタズラな顔をして。 #大倉さん

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17 「……っ」 サクサクと近ずいてきて、そして目の前に立つ。 「あのっ、…」 《っ、…俺が泣かせたらあかんな》 いつの間にか泣いていたらしい私の両目を両手で拭ってくれる。 《…もう1回だけ言わせて？》 コクンと頷く。 《俺と付き合ってください》 #大倉さん

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18 ん？ って笑う。 その顔は確信してる顔だよね？ 悔しいけど、バレてる。 悔しいからキッと睨んで、それから右手を差し出す。 大倉さんは《睨むなやあ》って笑って、その手を取った。 手を繋いで歩く帰り道、来た時とはなんだか違う感覚。 トキメキを思い出す #大倉さん

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19 「いつから好きだったの？」 《えー、いつから？いつからかあ》 「ふふふ」 《最初からかなあ//…そういう自分はどうなん？》 「私？んー、自覚したのはさっきかなw」 《なんやそれー》 ふざけ合いながら私はどんどん大倉さんの魅力にハマっていった。 #大倉さん

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2-1 車内に戻ると何故か沈黙が流れる。 エンジンがかかる音がしたからシートベルトをつけていると 大倉さんの手が伸びてきて、私の髪をそっと耳にかける。 ////// そういえば。 大倉さんて人懐こいのにボディタッチとかあまりなかったなあ。気遣ってたのかな？ #大倉さん

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2-2 だって、今日はやたらと触れてくるから。 ドキドキしながら大倉さんを見ると、ハンドルに両腕を預けて、何食わぬ顔でこちらを見てる。 「///なに？」 《…考えてる》 「wなにを？」 目を逸らす大倉さん。 遠くの波を見つめながらボソッと呟く… #大倉さん

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2-3 《帰したないな…て》 空耳かと思う程小さな声 でも確かに聞こえた… もう一度、ハンドルに体を預けて首だけこちらに動かして 喉仏がごくんと上下するのに目を奪われて、つられて私もごくんと唾を飲み込む。 静かな空間にチリチリと焼けるような見えない火花… #大倉さん

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2-4 スゥッと大倉さんの顔が近ずいて、一瞬視線を絡ませて、柔らかい彼の唇が重なった… 頬を両手で挟まれて何度も何度も唇を吸われる。 「ん…ﾁｭｯ…ふ…ん…」 角度を変えて深くなっていくキスにぼーっと身を任せていると、大倉さんの手が滑り下りて背中を撫でる。 #大倉さん

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2-5 その手がだんだん胸の辺りまできて、そして服の上から包み込むようにやわやわと揉まれる。 「っ…ァ…」 その声に反応したのか服の下に直に潜り込み、胸の突起を探し当てられた。 「あﾝ…」 《…アカンわ》 おでこをくっつけて 《止まれへん》 呟く… #大倉さん

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2-6 その苦しげな表情にキュンっとなって、思わず自分から口付ける。 《…ん…っ…はぁ、…してもええ？》 「ァ…！」 返事もしてないのに、彼の手がスカートの下に忍び込もうとしたから咄嗟にそれを抑える。 待って、今ここで？ …こうなるって思ってなかったから… #大倉さん