【chapter1】

行き当たりばったり連続ツイートシリーズ。
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リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

◆ 「ねえ、シャドウちゃん?まだ起きてる?」 起きてるよ、どうしたの? 「ちょっと、おはなししよう?」 ん……いいよ。何を話そうか 「……シャドウちゃんってさ、私のこと好きなんだよね」 好きだよ。何を今更そんなこと 「それって、どうして?」 うん?どう言う意味?

2015-11-27 22:14:58
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「どうして、私のことが好きなの」 好きになるのに、理由が必要かな? 「理由も無いのに、好きなの?」 そう言われると困っちゃうな。好きな理由がないといけないみたいじゃない? 「別にいけなくはないけど。変なのって思う」 私は変だからね。本能的にアリスがすきってだけ。

2015-11-27 22:22:10
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「ふうん、へんなの」 まあ、そういう理由を強いて挙げるとしたら…… 「?」 そういう所、かな 「え、なにそれ」 今のアリスみたいな所が、アリスらしくて好き。 「……?わかんないや」

2015-11-27 22:25:49
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

アリスは、アリスのままでいてくれたらいい。 私が好きなアリスのままで、変わらないでいてくれたらいい。 「……変わらないなんて無理だよ」 え? 「だって、変わらなきゃシャドウちゃんの想いには応えてあげられないかもしれない」 ……アリス 「……寝るね、変な事聞いてごめんね」

2015-11-27 22:31:57
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

アリスは、結局何を伝えようとしたのか今の私には理解することが出来なかった。 同じ布団で、背中を見せて眠るアリスがどこか遠くに感じてしまって。 さっきのやりとりを思い出しながら意味を探していくうちに、私の意識は眠りに落ちていった。 ◆

2015-11-27 22:39:50

リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「…………んっ」 「……全く、幸せそうな顔で寝るよねシャドウちゃんは」 「"こんなこと"しても起きないなんて、"イタズラ"のし甲斐があるよ」 「……もう一回だけやって、二度寝しよっと」

2015-12-02 05:16:14

リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「…………」 「シャドウちゃん、言ってたよね」 「好きって、想われ続けてたらその気になるって」 「……だから、なのかな」 「だから、シャドウちゃんは私のことが好きなんだ」 「他でもない私がいつの間にか、その気にさせてたんだ」 「……私は、どうしたらいいの?」

2015-12-03 06:28:52

リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「…………」 「こうして、同じ布団で眠るのも両手両足の指の数じゃあ数え切れなくなってきたよね」 「……なんだかんだ言って、落ち着くんだよね。私の分身みたいなものだからなのかな」 「冬のあいだは、寒いからって理由で同じ布団に入れるけど、夏はどうしよう。今から考えておかないと」

2015-12-04 01:19:52

リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「…………、……………」 その声は、遠くもなく近くもない場所から聞こえた。 私が聞き間違えることのない、アリスの声で。 しかし、何を言っているのかは理解が出来ない。 視界に入る世界には、私とアリスしかいない。 その世界は形をぐにゃぐにゃと変えて端的に言って気持ちが悪い。

2015-12-05 06:22:53
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

嗚呼、たまに見る夢なのだろう。これも。 夢の中でさえアリスに会えるのなら、私はどれだけ幸せなのだろう。 目の前で佇むアリスに、一歩近づこうとする。 それに反応して、世界が歪む。 私の立っていた場所が、ずぶずぶと沈んでいく。 沈む。沈んでいく。 夢の中の意識も、沈んでいく。

2015-12-05 06:26:41
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

まぶたを開ける。 まだ意識が朦朧としている、気がする。 目の前には、アリスの顔。 それは間違いない。 「好きだよ、きっと私も」 夢か現か聞こえたアリスの声は。 今度は明確に、はっきりと聞こえた。 だけど、その意味を理解する前に私の意識はまた途切れて行った。

2015-12-05 06:31:53
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

「……シャドウちゃん?起きた?」 「……へ、返事がない。眠っちゃったみたい」 「焦ったあ、好きって言った瞬間目を開けるんだもん。そこだけ聞いたらまるで告白したみたいじゃない」 「……ん?焦る必要、あるのかなあ?」 「いや、どうでもいいや」 「起きるまで、こうしてよっと」

2015-12-05 06:37:35

リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

…… 数時間前のことだ。 この話の結論から話そう。 アリスに、部屋に閉じ込められてしまった。

2015-12-05 21:49:19
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

回想。 『ねえシャドウちゃん。ひとつ、お願いがあるの』 なに?何でも言ってよ。 『ちょっと、シャドウちゃんのお部屋。行こう?』 ん?別にいいけど…… 『入って』 私の部屋なんだけどね、一応。 ……ん?どうしたの。アリスは部屋に入らないの?廊下は寒いよ?はやくおいでよ。

2015-12-05 21:51:29
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

『…………』 ……、アリス? どうして扉をしめ…… っ、開かない。どうして? 鍵はこっち側に付いてる筈なのに。 『あのね、シャドウちゃん』 アリス、こんなイタズラは良くないと思うな。お話があるんでしょう? 『私に、ちょっと時間をちょうだい』 時間……?

2015-12-05 21:52:27
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

『うん。私が、私である為にどうしたらいいかの時間。大丈夫、ちょっとしたら戻るから』 ……なに、それ。 悩みでもあるの?だったら尚更話してもらった方がいいんじゃない? 『いやいいの。私の問題だから。一人でゆっくり考えたいの。だからお願い、ここにいて』

2015-12-05 21:53:30
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

……アリスがそう言うなら、分かったよ。ここにいよう。遠慮することのない、私の部屋だからね。 『念のため、釘を刺しとくけど。私が帰ってきた時にシャドウちゃんがこの部屋にいなかったら、シャドウちゃんのこと嫌いになるから。間違っても窓からおにさんこちらで逃げたりしたら駄目だからね』

2015-12-05 21:54:29
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

それから、アリスの声は聞こえなくなった。 回想おわり。 状況を整理すると。 アリスに、私の部屋の扉の"外側"から鍵をかけられた。 その部屋の中には私がいる。 窓の鍵は開いているが、ここから抜け出す事はアリスとの絶縁を意味する。

2015-12-05 21:56:08
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

檻として機能していない檻に、無様に閉じ込められた。傍からみればそういう事らしい。 が、言ってしまえばそれはそこまでだ。 アリスに"この部屋にいて"と、命じられたのだ。 それに歯向かう理由なんて、私には無い。

2015-12-05 21:57:26
リトル・アリスを溺愛するシャドウ・アリス @Alicelove_S

さっきも言ったけれど、ここは私の部屋なのだから何も遠慮することはない。ただ、出られないだけで。 ならば、偶にするみたいにこの部屋に引きこもっていればいいのだ。何も苦痛では無かった。

2015-12-05 21:58:31