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「けれどもほんとうのごはんのともはいったいなんだろう」ジョバンニが言いました。 「僕わさび漬け」カムパネルラがぼんやり言いました。 #文豪料理本
2015-12-08 00:09:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ。どこを見てもトウモロコシばかりだ。そして煮え立つ鍋の湯の中からは、髭の生えたトウモロコシが、額縁の中の絵のようにして、大きく浮き出して現れていた。 #文豪料理本
2015-12-08 11:19:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ではみなさんは、そういうふうに大豆だと云われたり、大豆の汁だと云われたりしていたこのぼんやりと白いものが本当は何かご承知ですか。」先生は黒板に吊るした大きな黒いお皿の上の、白く四角くけぶったものを指しながらみなに問いをかけました。カムパネルラが手を挙げました。 #文豪料理本
2015-12-08 12:28:16![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
吾輩は芋である。品種番号はまだ無い。どう生産されたかとんと見当が付かぬ。何でも北国の種苗管理センターで栽培試験をされていたことだけは記憶している。 基礎から学びすぎる #文豪料理本
2015-12-08 12:37:57![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
夜は麺……啜つても啜つても、 熱い具材無数の麺の混ぜ合わせる夜、 腹鳴の底知れぬ夜、 寒い夜、 ひとりぼつちの夜、 夜……夜……麺…… #文豪料理本
2015-12-08 13:03:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの男は、酷い。酷い。(中略)その拘りは私の母を殺したにも関わらず、至高のメニューとやらを得意気に見せびらかしては世に持て囃されているのです。(中略)申しおくれました。私の名は、東西新聞社の山岡。へっへ。山岡士郎。 #文豪料理本
2015-12-08 13:40:41![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
メロスには料理がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、ツナ缶をレンジで加熱し、ガムを煮た。味の素でドーナツを作り、卵の殻も親子丼にした。生焼けが嫌でハンバーグを炭になるまで焼いた。外側のフィルムごとカニカマを焼いた。メロスには玉ねぎがどこまで皮なのかわからぬ。#文豪料理本
2015-12-08 14:39:27![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名をミシュランに連ね、ついで料理長に補せられたが、片栗粉、卵、自ら小麦粉を育てるところ頗る厚く、唐揚げにレモンをかけるに甘んずるを潔しとしなかった。 #文豪料理本
2015-12-08 16:15:53![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
だめでせう とまりませんな ぐつぐつ沸いてゐるですからな ゆふべからねむらず煮つづけなもんですから そこらは黒くしんしんとして どうも間もなく焦げさうです けれどもなんといゝかほりでせう #文豪料理本
2015-12-08 16:16:26![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
部屋の英子がこちらを向いた気配に、彼は炊かれた白飯を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見た英子はカニ玉を力一杯障子にぶつけたのだ。天津飯は見事、的に当って皿に落ちた。 #文豪料理本
2015-12-08 17:42:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その瞬間、竜哉は体中が引き締まるような旨味を感じた。彼は今、口内で感じるあのギラギラした、咀嚼されるあんかけの喜びを味わったのだ。 彼はそのまま障子を明けて中に入った。 #文豪料理本
2015-12-08 17:44:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
剥く皮の長さは絶えずして、しかももとの林檎にあらず。よどみに浮かぶ皮は、かつちぎれ、かつつながって、久しくとどまりたるためしなし。🍎🔪 #文豪料理本
2015-12-08 21:28:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
芥川龍之介「日々の食事・厨房の人」 「日々の食事」は必ずしもわたしのレシピを伝えるものではない。唯わたしのレシピの変化を時々窺わせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草。ーしかもその蔓草は幾筋も蔓を伸ばしているかもしれない。 #文豪料理本
2015-12-09 00:45:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
三つのイカリングは空の下なるエルフの王に 七つの枝豆は岩の館のドワーフの君に 九つの手羽先は死すべき定めの人の子に 一つの卵焼きは、暗き御座の冥王のため 影横たわるモルドールの国に #文豪料理本
2015-12-09 07:48:53![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
つれづれなるままに、暗中、鍋にむかひて、各々持ち寄った食材を、そこはかとなく投入し煮たれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 #文豪料理本 あずきと砂糖と餅を持ち寄るとぜんざいになる闇鍋レシピ(違)。
2015-12-09 15:39:35