ツイッター小説 お気に入りセレクト 2011/01/20

とおる6th @windcreator

流れ星が墜ちる度に身の丈より大きな砂時計を回す。それだけの仕事。「延々と繰り返す行為に、何の意味があるのだ」「星ハ意味ガアルカラ墜チルノカ」答えは常に変わらぬ合成音。機械に飼われている我々は、意味もわからずに星空を見上げ続け、砕かれた地球の欠片を数えている。 #twnovel

権田 @pg030712

妙齢の女は三つの顔を使い分けるのよ気をつけなさいとは姉の弁。独身女と一緒にいるとき、既婚者と一緒にいるとき、子持ちと一緒にいるとき。全部顔と舌を使い分けるから覚えておけと。加えて男の前でも使い分けている私は本当の顔を残念なことに思い出せなくなっている。 #twnovel

シンイチVR2 @shinichikudoh

誰がどこで何をして世界がどうなってるかなんて本当はどうでもいいのだけれど、それを言い出したら何も書けなくなってしまうから何も考えないようにしている。考えないことによって考え、書かないことによって書き、生きないことによって生き、 #twnovel ないことによって #twnovel

layback @laybacks

いつもは凶暴なゾンビが揃いも揃って月を見上げている。それほど今夜の月は美しかった。狼の遠吠えが静寂を破ってもゾンビどもは微動だにしない。思えば可哀想な連中だ。死んでも死に切れぬのだから。涙とも膿ともつかぬ液体を虚ろな眼窩から垂れ流しながら奴らは月を見上げている。 #twnovel

シンイチVR2 @shinichikudoh

「遅刻遅刻ー！」と食パンくわえた転校生が角を曲がったところで俺のスーパーカブと激突。首がとれているので明らかに即死だ。反省して石段を転げ落ちたら時間が逆戻りして転校生は生き返ったものの俺が俺じゃない。どうも世界と入れ替わってしまったようだ。俺が世界で世界が俺で。 #twnovel

せな かやは @hime0831

[魔法] 口紅を塗ると、ちょっぴり魔法がかかった気がするの。例えばスラスラ言葉が出て来て、貴方とのお喋りも弾むし、いつもより大人に見えるでしょ？だけど、キスをしてからその先は、貴方の方がお喋りになるわ。だって、そう、私の魔法が移ってしまったんだもの。#twnovel

みやさかみこと🌖 @EdensLord

#twnovel　未来未来。人工知能の技術は発達し、アンドロイド達は人間と変わらぬ知性と感情を持っていました。各先進国のアンドロイドは人と変わらぬ市民権を勝ち得ました。しかし日本のアンドロイドは見た目があまりにアニメチックで可愛らしい為、いつまでも愛玩動物のように扱われましたとさ

神沼三平太 @y1s

#twnovel Nさんは三十代の会社員だ。ある夜、仕事を終えて自宅のマンションに戻った。シャワーも浴び、さぁ寝るかと寝室に行くと、天井から無数のつり革が垂がっており、しかもその大部分には腕がぶら下がって揺れていた。その日は居間のソファで休んだ。Nさんは普段自転車で通勤している。

@SocratesInLove

白い闇の中で、眠りそうになる。凍てついた頰を誰かが叩いた。薄目を開いた僕の視界に白い少女の姿が映った。「私は樹氷よ。夜になると動けるの。こっちよ」手を引かれると、身体が不思議に軽くなる。やがて懐中電灯の光が見えた時、少女が耳元で囁いた。「もうここへ来ちゃだめよ」 #twnovel

夢名 七志 @mumei7c

カラン。中身が無い入れ物を叩いた音だ。せめて蓋が閉まっているなら多少は硬い音もするだろうに。少し風が吹き付けただけで盛大に鳴る。聞きたく無いと騒いで消そうとすれば、間隙を詰めるように響き続ける。頭から水を注いでみた。満タンだ。少し歩きにくいが音は消えた。タプン。 #twnovel

あＱ （CTT) @aquall

#twnovel コンビニには何でもある。便利な世の中になったものだ。大失恋した日の帰り道、私は放心状態のままいつものコンビニに入る。「いらっしゃいませ、温めますか？」「……な、何を？」「アナタの心を」キミは真っ直ぐ私を見つめる。コンビニには何でもある。私は新しい恋を手に入れた。

ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 今日は月が綺麗だね。付き合って二年になる彼が呟いた。何時もなら口にしないようなロマンチックな台詞。夜景が綺麗な場所に二人というシチュエーション。これはと期待してしまう条件が揃っていた。私は努めて平然と空を見上げる。夜空には気合い入れて着飾った月が浮かんでいた。

瀬井隆@SEI's factory（官能アカ） @seiryu_09

#twnovel 【見えない川】都会と呼ぶには小さいこの街でも、中心部から自然は駆逐された。かつて流れていた小さな川の上にはコンクリートの蓋が被せられ、憩いの緑道公園となった。封印された川が次に地上に顔を出すのは、神社の境内。さらさらの水面に、街での暮らしに悩む人たちの顔が映る。

高山 環 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕（宝島社文庫）」より発売中 @Takuya11

#twnovel 会社帰りのコンビニで高校の同級生がバイトしていた。「久しぶり！飲みに行かない？」「最近どう？」居酒屋で私は彼に訊ねる。「好きな人がいるんだ。毎朝サンドイッチを買う常連のお客様なんだけど」それはスッピンの私だ。本当の私の姿を気に入ってくれた彼の顔を改めて見つめる。

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel ドアを開けると強烈な風が吹いてきた。少女はスカートを押さえつつ外へ出る。すると不思議なことに彼女の周り以外は風が吹いていないのだ。少女が苦しむ中、風は嬉しげに舞っている。かすかに残る前世の欲望、女子高生に触れたいという想いを叶え、その感触を堪能しているのだ。

ジュン @jun50r

#twnovel ツイッター小説大賞の応募規定に「４００字詰め原稿用紙換算で０．００２５枚～０．３５枚まで」と書いてあったらオシャレ。さらに「ラストまでを書いたあらすじを添付のこと。８００文字程度」とあったらサイコ－。

ショートショート @shortxshort

「本当に申し訳ありません」母が深々と頭を下げると、スーパーの店長はため息をつき、俺の方を見た。「もう二度と万引きなんてさせないで下さいね」「すいません。ほら、タカシちゃんも謝りなさい」仕方なく俺も頭を下げる。「すいません。万引きした母にはきつく言っておきます」 #twnovel