ツイッター小説 お気に入りセレクト 2012/07/14 ついのべの日!

毎月14日はついのべデー。今月のお題は「花火」でした。詳しくは @twnvday_bot へ 今日読んだついのべの中から個人的にお気に入りの作品を選んでみました。 ついのべ #twnovel とはツイッター小説、つまり140文字以内で書かれた短いお話です。
0
毎月14日はツイノベの日! @twnvday_bot

毎月14日はツイノベの日! 今回のお題は「花火」です。長い時間を掛けて作られ、夜空に刹那の花弁を広げ散る花火。時間を掛けて書かれ、時の川に流れ去る物語。夜空を焦がす140字の花弁を、あなたならどのように描きますか?【毎月14日はツイノベの日! お題「花火」 #twnvday

2012-07-13 23:37:06
夢名 七志 @mumei7c

オーロラより激しい空に踊る光輪。無数の七色の火花で構成する饗宴は、地平の向こうへも続いていた。夜の側から昼の側へ。打ち上がるのは地から海から吹き出すマグマの火柱。互いが競うように煌めく。地を空を震わすのは轟音。歓声を上げる人も居ない地球の催し。 #twnvday #twnovel

2012-07-14 00:02:02
すわぞ @suwazo

#twnovel #twnvday 一緒に肝試しに来た友人達は皆、一目散に逃げた。残された僕は、花火を持った子供に「火、つけて」とお願いされた。「大人の人につけて貰えって、ママが」そうか。ずっとそうしてくれる人を探していたのか。輝く花火に子供が笑う。もうここに幽霊は出ないだろう。

2012-07-14 00:05:25
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel #twnvday 「花火やったことないにゃあ」とコネコが言うので、シイナさんが買って来ました。「お花みたいにゃあ。でもすぐ消えるにゃあ」「今度は打ち上げ花火見に行こうね」「にゃ?」コネコが楽しそうに花火を振り回しているので、シイナさんは線香花火に火をつけます。

2012-07-14 00:13:45
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 【1:アナタは世界を救う勇者です。→4】【2:魔王はアナタに言いました。「仲間になるなら世界の半分をやろう」はい→2、いいえ→5】【3:「ゆうべはお楽しみでしたね」】【4:遂に魔王のフロアに辿り着いた。→2】【5:アナタは魔王を倒しました。めでたしめでたし。】

2012-07-14 00:16:17
yosizaki @0Y0y0y00480

「あの星が欲しいな」「観察して見ましょう」「うわっ!」「どうした?」「私達に威嚇して来てます」「見せて見ろ」「確かに無数に爆発物を発射している」「私達に気づくとは地球人もやりますね」「ああ、地球は諦めるか」この爆発物が花火だと宇宙人は知らない #twnovel #twnvday

2012-07-14 00:33:51
トーリン @1thorin

#twnovel 小舟は睡蓮の葉をかき分けて、昼下がりの陽に温められた古池をすべるように進んでいく。早朝の雨が水滴となって葉の上で煌めいている。舳先の蜘蛛は落ちて、たちまちあらわれた水底の鯉に呑まれてしまった。水面を叩く尾が波紋を作り、葉を揺らした。花も笑うようにゆっくり揺れた。

2012-07-14 00:42:56
蒲公英 @haruka_tanpopo

暑い中帯をしめたのは 、綺麗だと言って欲しいから。まだ明るいうちの浴衣なんて無粋だって、おばあちゃんに怒られたけど。一緒に土手の上に立って、今年一番の花火を待つ。ひゅるんと上がった火の玉と一緒に、私の心も打ちあがる。「好きだよ」弾ける音と弾ける気持ち。#twnvday

2012-07-14 00:46:16
碓地海 @taichiumi

「これは特別な飴、花火味です」それを口に入れると、パチパチと音を立てて舌の上で小さく弾けた。「美味しい。これ買おうかな」飴屋は頷かなかった。「花火味なので一度きりです」いつも夜空に花火があったら有難味ないでしょう? 彼が囁くと同時に口の中の飴は消えてしまった。 #twnvday

2012-07-14 00:46:19
河原あずさ@「コミュニティづくりの教科書」#コミュつく 共著者/ #Voicyフェス 出演決定! @as_kwhr

【こねこの谷のナウシカ】「こわくない」「おやつくださいにゃあ」「こわくない」「おなかすきましたにゃあ」「こわくない」「指にポテチの粉がついてるにゃ!」ガブリ!「ね、怖くない」「おいしいにゃ!」「ユパ様、この子わたしにくださいな!」「ポテチ下さいにゃ!」 #twnovel

2012-07-14 00:53:43
紺屋 @ysga1002

病弱な彼女はいつも夏になると体調を崩して入院する。俺は幼馴染の縁で、夏休みに毎日のように会いに行く。「今回の病室、ハズレだわ」彼女はいつになく真剣に呟いた。「花火の上がる方角と真逆じゃない」そんな彼女に俺は浴衣を贈った。濃紺の生地に鮮やかな花火が描かれた浴衣を。 #twnvday

2012-07-14 01:09:25
おぼろちゃん @oboroose

#twnovel 数値としての身長を彼らは忘れてしまった。地上の定規はすべて熱で歪んでいる。だから、まだ動く仲間と比べて、高いか低いか、喜んだり悔しがったり。空の向こうには正確な計測器が飛んでいるはずなのだが、呼び寄せるための座標もまた数値なので忘れてしまった。誰も覚えていない。

2012-07-14 01:10:20
おぼろちゃん @oboroose

#twnovel コンコンと誰かが天球を叩いた。風のない日なので、その音は地上にまでよく届いた。割れないかな、と心配になってつぶやいた。大丈夫ですよ、と隣で風を待ち続ける天使が笑う。あれはたまたま通りかかった何かがこの星を綺麗な鉱石だと思ったのですよ、と懐かしそうに見上げていた。

2012-07-14 01:11:30
おぼろちゃん @oboroose

#twnovel 青い小さな石を温めています。石の卵です。手のひらから私の体温を吸い上げています。私はいつか滅びますが、新しく生まれた次の者がきっと温めます。石が孵化するのは何億年後かわかりません。誰もその姿を見られないかもしれません。それでも、いまここにあるので、私は温めます。

2012-07-14 01:18:03
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 線香花火に火をつけた。ジジ……ジジ……。俺の人生もこんな地味な人生だったなぁ。「あら、でもこうすればチョットはマシじゃない?」女房がもう一本の線香花火を寄り添わせてきた。玉が大きくなり線香花火の輝きが増した。 #twnvday

2012-07-14 01:35:07
だりむくれ @darimukuretyu

すぐ近くにいる人の気持ちが分かるようになった。ぼんやりしていると考えが流れ込んでくる。大体誰もが表情と異なることを考えている、と分かった。私とは正反対だ。私は、表情で自分の内面を全て伝えている。それなのに、周りの人には何も伝わらない。理由は分からない。苦痛だ。 #twnovel

2012-07-14 01:50:13
だりむくれ @darimukuretyu

救済を生み出す装置が発明された。一定のお金を入れると、その人に今最も必要とされる救済が施される。私は全財産を注ぎ、救済を求めた。中から出てきたのは一人の女性だった。彼女は凄まじい勢いで私を罵りだした。何か意味があるのだろう、と信じて、私は彼女を連れ帰った。 #twnovel

2012-07-14 01:52:32
良崎 @kanfrog

夕日のやわらかな赤、向日葵の弾む黄、そよぐ木々の緑、凪いだ海の青、微笑む月の白。僕は色を借りてひとつの玉に詰め込む。打ち上げられた花火は夜空できらめくたびに色を返していく。朝がくればいつもの景色が広がっているのだ。まるで何事もなかったように。 #twnvday #twnovel

2012-07-14 01:54:37
だりむくれ @darimukuretyu

かつて、タイムマシンが存在した時代があった。多くの人がこぞって乗り、好きな時代に旅立っていった。しかし、帰ってくる人は一人もいなかった。そのせいで装置は信用を失い、タイムマシン時代は終焉を迎えた。それから百年が過ぎ、無数の人が満面の笑顔で到着しだした。 #twnovel

2012-07-14 01:55:22
薄桜(蒼真あきら) @usuzakuraetas

花火しよっか?私は彼にそう言った。やるか?夏だしな。彼は子供みたいに笑ってた。コンビニで花火を買って、川原で火を着け大騒ぎした。これは賭だった、疲れてた私の。まだ彼を好き?まだときめくのかな?綺麗な炎、ぼんやりして火傷、彼は慌てて…嬉しかった。 #twnovel #twnvday

2012-07-14 01:55:45
だりむくれ @darimukuretyu

雷が落ちると、その光の中に人影が見えた。美しい、女神の姿だった。私は苦心して雷を起こす機械を作った。見事に雷は落ち、一瞬一瞬に私は女神を観た。ひどく満足した。その雷撃で何人もの人が命を落とし、無数の建物が焼けたが、それでも私は心底から満足した。価値はあった。 #twnovel

2012-07-14 01:58:00
だりむくれ @darimukuretyu

おお、と言ったきり彼は動かなくなった。何かに感銘を受けたらしい。そして、そのまま三十年が過ぎた。彼は年老い、私も老いたが、しかし彼は動かず、衝撃を受けた表情のままだった。ある時、私は彼が止まった瞬間に喋っていたことを思い出し、それを喋ってみた。彼は動き出した。 #twnovel

2012-07-14 02:04:20
NSNL @sui_m4

窓ガラスに雨粒が叩きつけられている。水滴の向こうに滲んでいるのは隣のマンションの灯りで、そこで誰かが呼吸をしているのだろう。ビルとビルの狭い隙間を風がひゅうひゅうと苦しげに通り抜けていく。この街は肺炎なのだ。向かいのマンションで、肺胞が一つ、灯りを消した。 #twnovel

2012-07-14 02:20:04
layback @laybacks

いつまで寝てるん。はじまってしまうよ。肩を揺り動かしても、父は、うん、わかった、と唸るだけ。お酒の匂いが浴衣につかないように少し離れる。外でどーんと音がする。五歳のわたしはいてもたってもいられなくて窓を開ける。家々の隙間から半月のように切り取られた花火が見える。 #twnovel

2012-07-14 02:34:12
@saeba7

#twnvday #twnovel 僕らの国では花火は兵器だった。花が散ると火炎が散った。黒煙が散った。閃光が散った。命が散った。それが、ここ東の国では子供達の手に握られている。形を変え規模を変えながら…身震い。どうかした?少年が僕に聞く。夜風のせいさ。震える腕を抑え誤魔化す。

2012-07-14 03:34:02
1 ・・ 4 次へ