12月16日 三笠の昔話

第一次世界大戦:スカーバラ、ハートルプールおよびウィトビー襲撃事件(1914) #三笠の昔話
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戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

今日は第一次世界大戦・独海軍によるスカーバラ他襲撃の日(1914)です。 独巡洋戦艦部隊による、民間にも被害が及んだ要塞襲撃作戦として知られています。 #三笠の昔話

2014-12-16 20:49:58
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

歴史上の名称「スカーバラ、ハートルプールおよびウィトビー襲撃」とあるとおり、独艦隊は複数の都市・要塞を攻撃しましたが、日本で知名度の高い「スカーバラ」(別名スカボロー)でご紹介。 民謡「スカボロー・フェア」で有名な城塞都市です。 #三笠の昔話

2014-12-16 20:53:03
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

独・襲撃部隊は、巡洋戦艦モルトケちゃん、ザイドリッツちゃん、フォン・デア・タンちゃん、デアフリンガーちゃん。加えて、巡洋艦ブリュッヒャーちゃんと、軽巡・駆逐艦。 目的は、襲撃によって出動してきた小規模部隊を巡洋戦艦で撃滅すること。 #三笠の昔話

2014-12-16 20:59:26
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

もともと艦艇数で英国に倍近い差をつけられていた独海軍は、機動力を活かして小規模な戦力をおびき出しては殲滅して英艦隊の戦力を殺ぐ作戦を採用。 しかし、一方で自艦隊の損害は致命的ともなりえるため、やや消極的な運用である点は否めない上・・・ #三笠の昔話

2014-12-16 21:02:18
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

独皇帝・ヴィルヘルム2世は作戦立案・命令発令にまで干渉するようになっており、提督たちは極めて不自由な思いをしていました。 この日も、撃滅用の主力である大洋艦隊本隊は北海はるか東方沖に展開し、ほとんど無意味な出動になっていました。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:06:28
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

一方の英艦隊も、暗号解読等により、一部不十分ながらもその動きや狙いを察知していました。 ここで、英海軍は未だに賛否の分かれる決断をします。長官・ジェリコー提督の指令は、「襲撃をあえて許容し、帰投中の独艦隊を殲滅せよ」。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:11:36
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

ヒッパー提督率いる独艦隊は、悪天候により一部の軽巡と駆逐艦に撤退命令が出たものの、他は計画どおり英本土を襲撃。 ハートルプール港の襲撃に際しては、哨戒の駆逐艦や停泊中の巡洋艦を撃破。スカーバラ市他の襲撃では民間人にも死傷者が出ました。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:19:33
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

ところがそのころ、北海では大変なことが起こっていました。 なんと、沖合いに集結中の英艦隊と、独大洋艦隊とが接近しつつあったのです。英艦隊は巡洋戦艦4・戦艦6、独艦隊は戦艦22。もし会敵したらとんでもない事態になっていたのですが・・・ #三笠の昔話

2014-12-16 21:25:23
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

駆逐艦・巡洋艦部隊同士が小競り合いを始めた時点で、独大洋艦隊を率いるインゲノール提督は皇帝の方針「艦を失うな」に従い撤退を決定。 互いに駆逐艦・巡洋艦に損害が出たものの、主力同士が接触することはなく独大洋艦隊は帰投を開始しました。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:28:14
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

襲撃を終えたヒッパー艦隊は、作戦通り本隊の位置を照会。すると答えは「もう母港に帰ったよ」(意訳)。 (゜д゜)エッ ヒッパー艦隊は全艦合流の上、全速で離脱を図りますが・・・・ #三笠の昔話

2014-12-16 21:33:42
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

もちろん英艦隊も、機雷原の隙間を埋めるように艦隊を配置して詰め将棋のようにヒッパー艦隊の退路を塞ぎにかかりました。悪天候の中、お互いに先鋒同士での小競り合いがありあわや会敵かと思われましたが、英・ビーティー提督は指令ミスで好機を逃し、ヒッパー艦隊はついに離脱に成功。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:38:12
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

結局、互いに何度も会敵の機会を持ちながら両軍とも相手を撃滅する好機を逃し続けて、大規模な海戦は起こらずに全てが終わってしまいました。 ただ、どちらかというと痛手が大きかったのは英国。民間に犠牲者を出してしまった上、その敵を結局は取り逃がしたからです。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:41:27
戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

追撃指揮に失敗したビーティー提督は、海軍内での評価ゆえ非は問われませんでしたが、この禍根はその後ドッガーバンク海戦、ユトランド沖海戦で噴出することになります。 また、柳の下を狙ったインゲノール提督も、ドッガーバンク海戦で重巡を失い更迭されることになります。 #三笠の昔話

2014-12-16 21:48:50