広田淳一 さんのつぶやき。(アマヤドリ主宰) 2015/12/19

広田淳一 さん 劇団アマヤドリ主宰 劇団公式サイト http://amayadori.sub.jp/ 続きを読む
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広田淳一 @binirock

自分の演技に新鮮な「驚き」を持ちたいと思ったらoutputを変えようとしてもダメだ。それは自分一人で考えたプランに過ぎない。そうではなく、inputを豊かにする。あ、変わった。お、これは新しい。ということに気づくことができれば、受け取ることができれば、自分は変化せざるを得ない。

2015-12-19 08:47:05
広田淳一 @binirock

もちろん相手役の演技こそ、もっとも変化するものだ。そこからも多くのものを受け取れるだろう。よく見ること。よく聞くこと。そして、それを受け取れる状態に自分があること。発見のためにはそれが必要だ。受け取ったもの次第でいくらでも変化していくことが可能な状態をしっかり準備する。

2015-12-19 08:43:03
広田淳一 @binirock

観客の作る空気、共演者の発する集中力、そのシーンに至るまでの流れ、そして、自分の身体の状態。それらが違えば相手の演技が完全に同じものだったとしても、受け取り方は必ず変わるはずだ。演技はoutputではなくinputによって作られる。しっかり入力が行われれば、必ず出力は変化する。

2015-12-19 08:39:51
広田淳一 @binirock

さて、もう一つ。その都度、演技の中に発見をするということ。これは何か。何のことは無い、相手をその都度、ちゃんと見ていれば必ず前回とは違うはずだ、ということ。いや、ありえないことだが、仮に相手役が一回前の演技と完全に同じ演技をしていたとしても、周囲の環境は前回と微妙に違うはずだ。

2015-12-19 08:37:37
広田淳一 @binirock

俳優は、登場人物がどんな予想を立てて相手と会話をしているのか、そして、それがどのように裏切られるのか? を考えておくといいだろう。Aだと思っていたらBだった、という「驚き」を作るために、台本には書かれていないAの部分を想像する必要がある。これで大分、驚きを感じやすいのではないか。

2015-12-19 08:29:58
広田淳一 @binirock

会話劇でそれを適用するためには、予想できてしまう相手の発言≒台詞から意識を逸らす必要がある。相手役の発言を予想外のものとして、驚きとして受け取るためには、台詞以外の展開に対して意識が向けられていなければいけない。

2015-12-19 08:26:58
広田淳一 @binirock

別の対象を見つけて、それに向けて集中していくことでようやく何かを「忘れる」ことができる。その時、不意打ちを食らう準備がようやく整ったと言えるだろう。そうすれば、驚くことができるんじゃないだろうか。

2015-12-19 08:20:24
広田淳一 @binirock

しばしば演技においては、注意力や意識が過剰に集中していってしまう。それを避けるためには、複数の集中すべき対象を見つけて、意識を分散させる。何かを忘れるとか、注意を逸らすためには「忘れよう」と思っているだけではダメだ。別の対象に、意識を向けなければならない。

2015-12-19 08:15:55
広田淳一 @binirock

一人の俳優が「自分の誕生日は別の月だと思い込む」と答えた。「まず自分を騙さないと。自分が今日は誕生日じゃない、って信じこんでいたらお祝いをされてちゃんとびっくりできるんじゃないか?」なるほど、そういうものかもしれない。これは広い意味で言えば意識の分散と言えるだろう。注意を逸らす。

2015-12-19 08:11:02
広田淳一 @binirock

まず1つ目、意識の分散によって驚くとはどういうことか? 僕は俳優たちに問いかけた。「周囲の人があなたに対して誕生日のサプライズを企画しているとしよう。あなたは事前にそれを知ってしまった。さて、どうやって驚けば、いちばん本当らしく驚けるだろうか?」

2015-12-19 08:06:16
広田淳一 @binirock

口と目を大きくあけて身体をのけぞらせ、「ええ!?」とマスオさんみたいな声を出せば、まあ、なんとなく驚いているようには見えるだろう。ここで問題にしているのはそういうことではない。実際に、不意打ちを食らうにはどうすればよいのか? 実際に、発見をするためにはどうすればよいのか?

2015-12-19 08:02:17
広田淳一 @binirock

しかし、俳優はあらかじめ台本を読んでいて、その情報をすでに入手しているのだ。というかもはや暗記するぐらい熟知している。さて、どうやって驚くか? ひとまず2つのアプローチを思いつく。1つは、意識の分散。もう1つはその都度、演技の中に発見をするということ。

2015-12-19 08:00:14
広田淳一 @binirock

「あ、そうか知らないんだっけ、あの自転車盗まれちゃってさ」「えー、そうなんだ?」と、会話が続けば、これまた驚きの連続になる。そもそも会話というものはお互いに知らない情報、新情報を交換しあうことが多いのだから、それが驚きの連続になるのは当然と言える。

2015-12-19 07:58:18
広田淳一 @binirock

たとえば「◯◯さんが交通事故で亡くなったよ」という情報を手にしたら「驚愕」するだろう。それを演じるのも確かに難しい。でも、日常会話には些細な「驚き」がそこら中にある。「今日は電車が混んでてさー」という発言にだって、「あれ? 自転車じゃないの?」という驚きが含まれる。

2015-12-19 07:52:28
広田淳一 @binirock

台本通りに進んでいく芝居の中で、いかにして驚きを感じるか? これは演技にとって重要な問題だ。ここで問題にしているのは驚愕を演じる技術についてではない。さりげない会話の、さりげないやりとりの中に潜んでいる、小さな驚きをどう演じるか、という問題だ。

2015-12-19 07:47:53
広田淳一 @binirock

僕はしばしば俳優に対して「この場面では、もっと驚きがあるんじゃないか?」という提案をする。演技の中に驚きが抜け落ちてしまっていると感じるからだ。しかし、驚きが無くなるのはある意味、当然だ。俳優は次に何が起きるか、どんな言葉が発せられるのか、よく知っているのだから。

2015-12-19 07:42:45
広田淳一 @binirock

連日、新人公演の稽古。無理な日程で、無理な量の稽古をしているのですが、やっぱりこういう企画は劇団としてはとても大切なんだな、と実感する。そして自分は稽古場という場所が本当に好きなんだということが今回よくわかった。現場があるというのはありがたいことですね。

2015-12-19 07:37:07