バリアフリーのその先へ!――車いすの3・11

社会不適合者 @yutapom1984

生活保護受給者への偏見...ということで、いま読んでる本（朝霧裕 著,『バリアフリーのその先へ！』から引用。

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“暮らしぶりや収入の違いが生む心理的摩擦は恐ろしい。私は体力がないためにフルタイムの一般就業ができないのだが、以前、家に来ていた介助者たちから生活保護や障害基礎年金を受給していることを理由に、いじめを受けていた時期があった。”

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“その人たちは、仕事や家庭生活でのストレスのはけ回のように、私の人格を傷つけるような言葉を口にしていた。「障害者って私らと違って、毎日家にいて遊んでいるだけでお金が貰えて、マジ羨ましい」。「働かないで贅沢な暮らしをしているんだから、福祉施設に入ったほうがいいんじゃない？」”

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“「歌だって本だって、売れてもいないものをいつまでやるの。障害年金で生活しているんだから、お金にならないものは早く止めなよ」。介助者が障害当事者にこんなことを言うとは「信じられないかもしれない。しかし、このいじめは日常的に長期間続いた。”

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“その人たちの価値観では、健常者の一般職、フルタイムの企業勤めのみが「働くこと」「いいこと」「正しいこと」で、それに当てはまらない、年金や生活保護を受給している人や介護を要する人は、バカにしても傷つけてもいい人間なのだと考えていることが伝わってきた。”

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“その人たちの介助の仕事はボランテイアなのではなく、公費（介護料）で給与が出ている。しかし、それにもかかわらず、介助も日を追うごとに、「してやっているのに」という態度になってきた。”

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“そして一つ一つに、「働いていないんだから」「年金で暮らしているんだから」「生活保護なのに」という言葉が伴っていた。当時、私にとって唯一の救いは、障害を持つ仲間と会うことだった。”

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“しかしそれにしても、「生活保護を受けている人が、外食なんかしていいの？」と罪人を叱責するように言われたりもした。（略）そうした状態が約二年間続いたが、その期間は地獄のようだった。　一時期は気持ちが塞ぎ、夜は眠れず、食事も取れなくなり、うつ病になつて精神科に通院していた。”

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“しかし一番恐ろしかったのは、繰り返し自分を否定する言葉ばかりを浴びせられているうちに、（私にも悪い所があるんじゃないか）（介助でお世話になつてきた人が言うのだから、そうなのかもしれない）と、自分で自分を信じられなくなっていったことだ。”

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“そして私が口を際んで下を向けば向くほど、事態は急速に悪くなっていった。それでも私が強い態度に出られなかったのは、（この人たちに介助を頼まなければ、今日の介助者がいないんだから）という、身体的不利。それだけだった。”

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“その頃の私は自信がなく、自分の意志が薄弱で、人の言葉や視線に、常にビクビクしていた。介助者同士や親しい友だち同士が携帯電話でやり取りをしていれば、（また陰で私の悪口を言っているんだ）と怯え、”

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“（私は今、人さまに恥ずかしい生活をしているんだ。健常者と同じように働けない私は、恥ずかしい人間なんだ……）と、自分を認識するようになっていった。”

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“（略）しかし、あるきっかけがあり、呪縛がとけたように、私がどのように苦しんでいたのかが明るみになり、行政や警察の助けもあって、問題が一気に解決した。いじめを行っていた介助者たちは交替し、気分が一新した。”

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“（略）なぜ、自分で選んだのではない不運によって苦しんできた当事者が、さらに苦しみ続けなければならないのか。この身体で生まれたために私が受けてきた差別や偏見は、ひとり暮らしを始めてからも、何度もあった。「ラッシュの時間に車いすで来られては困ります」。”

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“「音楽ライブに出るために介助が必要だなんて、わがまま。病院か区役所へ行く以外の外出には介助は付けられませんから」。「障害者は家の中か福祉施設でおとなしくしていることが当たり前」という社会通念を打ち壊すため、私は建物の階段よりも遥かに険しい、差別の壁と闘いながら生きてきた。”

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“（難病の身体を持って生まれてきたり、何がしかのハンディを負った人間は、幸せになってはいけないのか。「健常者の温情で生かしておいてやっている」と蔑まれ続けなければならないのか。”

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“「生きていて申し訳ない」と萎縮して、一生、家で床を見ながら死んでいけばいいのか）。湧き上がる問いに、ノーを突きつけながら。”（p.80-85）

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長く引用しすぎたんだけど、生活保護バッシングの心理ってこれだと思うんだよね。「働かざるもの食うべからず」の思想。 twitter.com/yutanpo1984/st…

社会不適合者 @yutapom1984

生活保護受給者に対して、「怠け者」とか言ったりする人の心理も、たぶんこれだろう。「働くこと」こそが人間の本質であるという、思想。

社会不適合者 @yutapom1984

個人の努力ではどうすることもできない事（障害や貧困等）に対して、「お前がダメなのは怠けているからだ、努力が足りないからだ。」というような、「ありがたい助言」をする人が、21世紀になっても後を絶たないのはなぜなのか。

社会不適合者 @yutapom1984

弱者をいじめたり、差別発言したりすることを「弱者に対しての批判」って言い換えちゃう人もいるのね。。

社会不適合者 @yutapom1984

他人に対して、「お前は怠け者だ」などという権利が自分にあると思ってるようだが、そういう考え方は傲慢ではないでしょうか。

社会不適合者 @yutapom1984

そういう人が死刑廃止運動などに関わって「支援してやってる」みたいな態度をとってるのを見て、なんとも絶望的な気持ちになったわけです。

社会不適合者 @yutapom1984

そういう人は、弱い立場の人を「支援」することによって、「支配」したいのだろうなぁ...。