パパウォルターに向かって

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@vipiansalmiakki　安心できるものでなくてはならない。そうであるべきものなのに。自分の情欲のはけ口にそこを選ぶとは一体どういう了見なんだろう。姿も知らない彼の母親は本当に人間なんだろうか。ウォルターや俺と同じ生物だと思いたくもない程度には自分は怒っているようだ。

ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@kz_gc11 静かな空間に響く音にびっくりしてそちらをみやる。エンブリオの手を伝って赤茶色い水滴が彼の怒りを表すかのように染みを作っていく。そして思わず気付いたら、泣いてた。．．．僕の為に怒ってくれる。顔も知らないあった事もない僕の家族。いや箱庭に→

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@kz_gc11 これが、もしかしたら《家族》が本当にとってくれるべき行動では？僕が得ることも知る事もなかった父性。子供にむけて与えるべき心配、怒り。ああ、そうだ。エンブリオの姿を目に焼き付ける。今この涙の意味。この暖かい感情を胸に刻む→

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@kz_gc11 何れ　僕が　父になったら。そうだ。エンブリオのようにこうして。暖かさを。優しさを与えよう。ボロボロと涙をこぼし手で拭いながら「あり．．．．が．．．．とう。エン．．．．」最後まで言えない

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@vipiansalmiakki 最後までよばれるこのとなかった名前に顔をあげ、ぎょっとした「は！！？？ｴｯちょっ…待て待てなんでお前が泣いてんだよ！」一度も自分の前で泣くことのなかった、いや自分の前じゃなかろうと泣くとこなんて想像できないくらい朗らかに強かに生きていると→

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@vipiansalmiakki 思っていた男が目の前で泣いている！慌てて立ち上がって棚にしまってたタオルを取り出すと相手の顔に押し付け背中をぽんぽんっと叩く。最近になって誰かとようやく打ち解けてきた寂しい人間にはまだ目の前で泣く人の慰め方がよく分からない。

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@kz_gc11 「うれ、しくて。エンブリオが本当に代わりに怒ってくれるのが本当に」喋る途中乱暴にあてられたタオルに「うわっ」と声を上げモゴモゴとする。そして背中を優しく叩く手に顔が綻ぶ。そして慌てぶりが面白くてつい笑い出す。「エンブリオ、君って本当に良いお父さんになれそう」

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@vipiansalmiakki 「……そうかよ」そりゃよかったな、とぶっきらぼうに一度だけ頭をぐしゃりと撫でてまた椅子に腰かける。続いて言われた言葉に自嘲的な笑みで返しながら「良いお父さんね…俺には無理だな。きっと家庭より”国”をとる」主上と国に捧げると誓った自分が→

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@vipiansalmiakki この先愛する誰かと家庭を作ったとしても、容易に置き去りにしていくだろうことは火を見るより明らかだ。だったらそんなもの、最初から持たないと決めていた方がいい。その方がいいに決まっている。「（それに今の所そういう相手もいねえしなあ）」

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@kz_gc11 ニヤリと笑って)「え、じゃあ主様と一緒になれば両立出来るんじゃない？」元気になったウォルターは相変わらずだった。「国と家族。仕事。両立出来る。それになんだかんだ言いつつエンブリオならきっと」(微笑む)→

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@kz_gc11 「エンブリオになら…置いてかれても、きっと構わないと思う」「こうやって、きっと心を裂いてくれる。何かあったら飛んできてくれる。気にかけてくれるってわかる。それをわかってくれる人がいるかもよ？」

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@vipiansalmiakki 「はぁ！？アホぬかせ！俺とあの人はそういうんじゃねえの！大体畏れ多すぎるわ」主を勧められ、思わず目ん玉ひん剥いて噛みついた。あの方にはこれからのオリュゾンを担う立派なお世継ぎとを得るために、それを支えてくれる有能で人のできた伴侶が必要なのだ。→

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@vipiansalmiakki それは、自分のように空っぽで、ねじれまくった人間では、断じてない。「たっく簡単に言ってくれるぜ…できねえもんはできねえよ。そんな都合のいい人間いるわけねえし、第一本人がよくても俺が嫌だね」置いて行かれる辛さを知るなど、自分一人で十分だ。

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@kz_gc11 冗談に食いついて捲し立てるエンブリオの様子にあれ？っと驚く。よほど大事な主人なんだなとニコニコする「あれ？躍起になっちゃって。冗談なのに。もしかして意識しちゃった事あったり？」何時もの通りすっかり悪戯ウォルターだ。「いやまあ、何が起きるか人生はわからないさ」

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@vipiansalmiakki 「チッ！うるせえなあ…どうだっていいだろんなこたあよ！」すっかりいつもの調子になった相手に悪態をつきつつも内心ほっとする。多分もう大丈夫だろう。「何が起きるか分からない、ねえ…？」確かに今現在自分がこうやって国の事を思い、親しい人を作り、→

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@vipiansalmiakki 自室に招いて茶を啜ることになるなど少し前の自分は想像もつかなかったことも起きているわけだが。「はあ…そうだな、まあ頭の片隅に留めてはおくさ（絶対ないと思うけど）」とため息交じりに返した。

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@kz_gc11 「うん、絶対にエンブリオが僕の前であんな無様に泣く事があるなんて奇跡だよね。何が起こるか。未来なんか決めつけないほうが良いじゃない」(ヒョイっと言い逃げして部屋から出ていく

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@vipiansalmiakki 「ああ、全く持ってｓオウコラてめえ最後なんつった？？」部屋から出る相手に少しだけイラつきながらも自分も席を立ち、目に留まった机に置いてあったものを手に取り、紐と布で手早く包むと後ろから相手に向かってぽんと柔らかく投げた。「それ、やる」→

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@vipiansalmiakki 「俺はもう新しいのがあるからいい」要らねえんなら捨てろ。とだけ言って部屋に戻り始める。包みを開けばそこには小ぶりの、塗装と彫刻による装飾の施された気の鞘のナイフが入っている事だろう。遅れた結婚祝いには少々見劣りするかもしれないが、→

＊＊＊ @kz_gc11

@vipiansalmiakki それでも一応は、彼の部族では”お守り”として贈られるものではあった。 （この間から木彫り職人なんて言われるから…ほら…多分こういうの一本くらいは作ってるよ…母ちゃんと一緒に…（震え））

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@kz_gc11 え!?っと振り向き顔面に受け止めいててと鼻の頭を擦りながらも開いて中を確認してニッコリ微笑む。あちこちを旅していろんな物を見てきたウォルターだ。模様から珍しいものだとわかる。ここの周辺で手に入る物でもない「ありがとう。大切にする」 →

ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@kz_gc11 腰に下げ、何時もとは違う。芝居かかった動作でなく。無駄な大袈裟な身振り手振りも。洗練された輝きもなく。ひょいっと軽く頭を下げる。「本当に。今日は色々とありがとう」

＊＊＊ @kz_gc11

@vipiansalmiakki 足を止めて振り向き「何のことやら。俺はただ、あんたと茶を飲みがてらに昔話をしたに過ぎねえよ。…礼をいわれるまでもねえ」素のままで頭を下げた相手にこちらも同じように素のままでそれだけ返すと、今度こそ部屋に戻る。口元には笑みが浮かんでいたかもしれない

ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@kz_gc11 く、ありがとう　ございました。まさかあの内容(ギシアン)からここまで．．．．!!お付き合いありがとうございました!!綺麗にここで終えたいと思いますがどうでしょう

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@vipiansalmiakki 俺もびっくりだよ！wwwいやぁ…ずいぶんきれいな話まで飛んできたもんだなぁwこちらこそありがとうございました！まさか兄ィより先にこちらに過去を話すことになるとは夢にもwww ですな！キリがいいのでそれでよいかと！