園子温版「リアル鬼ごっこ」の興行的失敗と作品的成功の間

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温監督が「リアル鬼ごっこ」について「原作は読んでない」といった発言を繰り返していたのは、マズイと思っていた。そんな事を言われたら侮辱された原作ファンは観る気にならないだろうし、原作に興味無い人がそれで関心を持つかといったら、やっぱり興味ないだろう。興行失敗は見えていたと思う。

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu 園子温監督の「リアル鬼ごっこ」は未だ観ていないので、出来映えは判らないのだけれど、たとえ面白かったとしても、「『リアル鬼ごっこ』としての面白さ」ではないんだよね。園子温は「リアル鬼ごっこ」に興味が無いんだから。それでは「『リアル鬼ごっこ』が観たい観客」は来ない。

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu 「俺はカレーには興味ない」と言っている「ビーフシチューの名人」が、カレー屋を開いてビーフシチューを出したとしても、カレーが好きな客は来ない。カレーが食べたいんだもの。ビーフシチューが好きな客も来ない。だって「カレー屋」の看板が出ているんだもの。結局、誰も来ない。

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu だから、園子温版「リアル鬼ごっこ」の興行的失敗は、ビーフシチューの名人（園子温）に、「カレーを出さなくても良いです」と言ってカレー屋（「リアル鬼ごっこ」）を任せた、プロデューサーの責任なんだよね。 ビーフシチューの腕は確かなので、私は行ってみたいと思うけれどね。

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温監督の「リアル鬼ごっこ」が、興行的に苦戦する中、カナダ・モントリオールで開催された第19回ファンタジア国際映画祭で、最優秀女優賞・最優秀作品賞・審査員特別賞の3部門を受賞。 twitter.com/cinematoday/st…

シネマトゥデイ @cinematoday

[映画]トリンドル玲奈に最優秀女優賞！初主演『リアル鬼ごっこ』が作品賞含む3部門受賞の快挙！ cinematoday.jp/page/N0075453 pic.twitter.com/k9W0DfVyVg

2015-08-06 01:00:03

ＵＷの落日 @uw_susu

グランプリ受賞、おめでとうございます。 園子温監督の「リアル鬼ごっこ」、まだ観ていないんですよね。 これは観ないといけないですね。 twitter.com/mariko_dayo/st…

篠田麻里子 @mariko_dayo

園子温作『リアル鬼ごっこ』、スペイン映画祭で日本映画初グランプリ受賞! news.mynavi.jp/news/2015/12/1… #マイナビニュース

2015-12-17 08:40:09

ＵＷの落日 @uw_susu

ようやく、園子温版「リアル鬼ごっこ」を観た。これが日本で興行的に失敗したのは、まぁ当然ですね。最初から最後まで、全く「リアル鬼ごっこ」ではない。一秒たりともリアルな瞬間がない。普通にサスペンス・ホラー映画を観に来た観客の多くは、置いてきぼりにされただろう。私は面白く観たけれどね。

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温版「リアル鬼ごっこ」は、ある種のホラー・ゲーム映画とも言えるのだが、園子温作品のセルフパロディのように詰め込まれたアナログ的イメージが、不安感と居心地の悪さを呼び覚ます。「説明」をせず、主人公の混乱を観客に同時体験させようとするので、筋を理解したい観客は突き放されてしまう。

ＵＷの落日 @uw_susu

私は、商業映画で観客を過剰に突き放すことに、本来は賛成しない。しかし、だからこそ、この作品は観客に、ゲームの世界に放り込まれたような不安感と疾走感を与えている。園子温は、明らかに仕事をし過ぎなのだけれど、そういう乱作状態でなければ、これを商業ベースで撮ることは出来なかっただろう。

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温版「リアル鬼ごっこ」は、冒頭に園子温らしい派手でショッキングな見せ場があって、ここで海外映画祭の観客の心を掴んだのだろう。ドローンを使った空撮が素晴らしく、前半の映像には園子温らしからぬ洗練とゴージャス感があるのだが、次第にチープで下品な園子温世界になって行くのが可笑しい。

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温版「リアル鬼ごっこ」、出だしは確かに21世紀のエンターテインメントなのだが、後半に行くに従って「寺山修司がゲーム小説に触発されたら、こんな作品を作るのでは？」といった、70年代的アバンギャルドに突入して行く。最近、寺山修司の戯曲の上演会を観たばかりなので、余計にそう思った。

ＵＷの落日 @uw_susu

主役のトリンドル玲奈さんは、虚構と現実の間に落ちた状況を理解できず、混乱したまま逃げ回る姿がリアルで、なかなかの熱演だった。どこか不格好で必死さが伝わる「走り」が良い。 pic.twitter.com/cZFHm9IgTx

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ＵＷの落日 @uw_susu

篠田麻里子さんは意外に出場が少なく、厳密には主演とは言えない。彼女は、この映画で演技の面白さに目覚めたと語っているけれど、確かに、今まで見たことがない表情を見せてくれる。ルックスとスタイルは抜群だから、今後の女優活動に期待したい。 pic.twitter.com/tlKU9thGKa

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ＵＷの落日 @uw_susu

AKB出身者が演技する時の武器のひとつは、動きのキレだろう。園子温版「リアル鬼ごっこ」でも、篠田麻里子さんが回し蹴りを見せるシーンがあったが、スピードがあってキレイな回転で、スタイルの良さとも相まってキマっていた。

ＵＷの落日 @uw_susu

「マッドマックス／怒りのデスロード」と同じ年に園子温版「リアル鬼ごっこ」が公開されたのは、偶然ではない気がする。「リアル鬼ごっこ」は園子温流フェミニズム映画でもあって、男性原理で貫かれて来たB級ジャンルムービーをフェミニズム的視点でイノベーションしている点で、両者は共通している。

ＵＷの落日 @uw_susu

園子温版「リアル鬼ごっこ」が、海外の映画祭で高い評価を受けているのは、冒頭で「かつて見たことのない光景」を見せた事と「アクションによるフェミニズム的メッセージの視覚化」という方法論への共感だと思う。特に「新しい光景」を見せるのは大切で、ウェルメイドよりオリジナリティが評価される。