メトロイド マイクロフレンド5

メトロイド二次創作SS その5
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さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

メトロイド マイクロフレンド4(後半) 前回までのメトロイドマイクロフレンド togetter.com/li/915310

2016-01-07 21:12:50
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「何故だ!」 「落ち着けよ!サムス!冷静に考えてみな!」 私はスペースシップの座席に座ってある人物と通信を行っていた。 話を続ける前に声を荒げるまでの経緯を説明しなければならない

2016-01-07 21:15:36
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

ショックウィップ機能を手に入れてから私は研究所を後にした。 出来る限りの戦闘を避けたいがために全力疾走していたが、やはりどうあがいても原生生物達とは出会ってしまう。 そういえば彼らはこのメトロイド汚染の中、なぜ生きていられるのか。

2016-01-07 21:17:51
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

そんな疑問はすぐに消えた。 事は簡単である。メトロイドだって人工の物とはいえ生物だ。 当然それがウィルスのように振る舞えば、免疫抗体等も働く、生き残った生物には耐性を会得するものだっているだろう。 過ぎ去った疑問なんかきにもとめず、私は銃を構えた

2016-01-07 21:20:02
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

最大チャージのパラライザーを発射する。敵の動きは行きと同じように一瞬麻痺された。 このまま行きと同じように飛び越えてしまえば.... そう思った矢先、まずいことが確認できた。 麻痺した敵の後方にまたこちらに向かってくる別の敵がいたのだ

2016-01-07 21:22:45
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「くっ!チャージも間に合わない!」 いくら訓練を受けた私でも野生動物相手から生身で攻撃を食らうのは致命傷になってしまうだろう チャージの完了していないパラライザーをチラリと見やる 「試してみよう..!」 私はパラライザーの銃身を上げて引き金を引いた

2016-01-07 21:25:48
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

棒状になったパラライザーは銃口から電子の鞭を伸ばす。 先の研究所で手に入った新機能のショックウィップだ。 私はパラライザーで麻痺している敵の目の前に立ち、股を大きく開いて地を深く足でしがみついた 「やっ!!」 そして掛け声と共にショックウィップを思いっきり敵にぶつけた

2016-01-07 21:28:15
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

鞭を食らった敵はショック効果と同時に物理的な運動エネルギーを喰らい、後方に勢いよく吹っ飛んでいった。 後ろから近づいていた別の敵も巻き添えに吹き飛んで、2匹は樹木に激突して気を失った。 「スマッシュウィップ...とでも呼ぶべきか」 意外な攻撃力の高さに私は驚いた

2016-01-07 21:31:32
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

パラライザーの麻痺攻撃よりは明らかに強い威力を持っている。 単純に当てただけでは命を奪うほどではないが、護身用の範疇からは越えた威力だと言ってもいいだろう。 「帰りは簡単に帰れそうだ」 少し余裕が出てきた私はミランダの家に向かって再び走り出した。

2016-01-07 21:33:31
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

かくして、私はミランダの家の前まで戻ることができた。 「ミランダ!いるか!」 問いかけると家のドアからはミランダがすぐに顔を出す。 「サムス!生きて帰ってこれたようで安心したよ...」 ミランダの顔は私を案じていた不安そうな顔と安否が確認できてホッとした表情が混ざっていた

2016-01-07 21:38:00
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

私は研究所であったことをミランダに話、不時着したスペースシップがどこにあるのかを聞いた。 何のことはない、裏の林を30mほど抜けた先にあった。 背の高い木のおかげで死角になっていたようだ。

2016-01-07 21:39:36
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

早速私はスペースシップのデータ受信口にパラライザーの銃口を差し込む。 エネルギーが通らなかったはずのシップがパラライザーからのデータを読み取り、ダウンロードを開始した。 アイスエレクトリカルをダウンロードし終えたシップは不時着前のようなエンジン音を再び響かせてくれた。

2016-01-07 21:42:16
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「アイスエレクトリカル...あくまで電気配線のみにしか適用されないようだ」 シップ内の他のエネルギー利用は不可能になっていた。 これでは当然、私のパワードスーツもまだ装着することは出来ない。 パワードスーツは電力ではなく、直接融合する合成バイオスーツなのだ。

2016-01-07 21:43:51
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「どうするんだい?これから」 シップのそばにはミランダも来ていた。 この分だと脱出自体は出来そうだが、私の体を汚染しているミクロメトロイドまで外に連れ出すことになる。 私のパワードスーツも戻らないままなのだ。このまま帰ってしまうわけにはいかない。 「試してみたいことがある」

2016-01-07 21:45:52
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

シップに乗り込んだ私は通信装置に手を伸ばした。 そう、あの事件以降....私は"彼"に救難を知らせるための独自の通信コードを教えられていた。 パネルでコードを入力して無線通信を飛ばす。

2016-01-07 21:48:04
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

しばらくコール音が響いてからマイクに風が当たる音が聞こえてくる。通信の相手というのは... 「よぉ!プリンセス!この無線に掛けてくるってことは只事じゃない事態が起こったってことだな?」 「アンソニー!よかった」 ボトルシップの一件で唯一生き残った仲間 アンソニー•ヒッグスだ

2016-01-07 21:53:40
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アンソニー•ヒッグス ボトルシップの事件で唯一生き残ったアダムの部下で、銀河連邦時代の私の同僚だった隊員だ。 事あるごとに私をプリンセスと呼び茶化してくるが、それも今となっては私の心を明るくしてくれる彼の良い性格の表しだ pic.twitter.com/OoGOoWC8Lw

2016-01-07 21:55:52
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「アンソニー。大変なことがわかった。また銀河連邦の裏の顔が出てきたんだ...」 私は彼にこの無名の惑星に不時着したことと、研究所のこと、ミクロメトロイドのこと、内部告発者のことなど情報を事細かに伝えた。

2016-01-07 21:57:35
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

アンソニーは今、アダムの殉職によって欠けてしまった穴を埋める形で銀河連邦の司令官になっていた。 本人はあまり乗り気ではなかったようだが、私の推薦やアダムの思いを引き継いでいきたいアンソニーの考えもあり、渋々司令官に就いたのだ。

2016-01-07 21:59:05
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

だが、それはあくまで表の顔に過ぎなかった。 実の所アンソニーの一番の仕事は... 「アンソニー!頼む!事態は今説明した通りだ!力を貸して欲しい。"銀河連邦極秘監査官"であるあなたでなければ助力は得られない!」

2016-01-07 22:00:33
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

ボトルシップの一件から銀河連邦の汚職が漏れた。 その尻拭いもあって、連邦は自己的に組織の内部調査、矯正させる極秘チームを新たに編成したのだ。 その最もトップにいるのがアンソニー。ボトルシップの功績から彼が任命されたのだ。 つまり彼は極秘裏の連邦汚職を探る立場になったのだ。

2016-01-07 22:02:59
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

故に私は彼に無線を飛ばした。 ボトルシップの直後に教えてもらったこの極秘無線コードを通じて。 画面の先にいるアンソニーはしばらく黙り込んで考える。 その彼から返ってきた答えは期待からは外れたものだった。 「悪いなプリンセス。現時点での協力は出来ねぇ」

2016-01-07 22:04:58
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「なんだと!何故だ!」 「落ち着けよ!サムス!冷静に考えてみな!」 かくして場面は一番最初に述べた所になる

2016-01-07 22:06:00
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

「手は空いている。武装も充分だ。俺たちはいつでもそっちに援護をしに向かうことが出来る」 「だったらなぜ!?」 「自分で言っておいて忘れたのか?その星には驚異的なウィルスに変貌したミクロメトロイドが蔓延しているんだろう?」 そうだった。私としたことがうっかりしてしまっていた。

2016-01-07 22:08:11
さんちゃん🍄🎮 @SANTENSET

ベビーのくれた耐性とメトロイドスーツのおかげで錯覚してしまっているが、この環境下では常人はまず生存できないのだ。 「仮に俺たちが出撃したところで、結果はお前さんの時よりもひどいことになるのが目に見えて分かるぜ。なにせ俺たちにはパワードスーツもメトロイド耐性もないからな」

2016-01-07 22:09:54