いわゆる「薬害エイズ」の原因となった非加熱血液製剤が使用された背景

郡司篤晃『安全という幻想 エイズ騒動から学ぶ』、武藤春光・弘中惇一郎『安部英医師「薬害エイズ」事件の真実』の2冊を読んだうえでの、僕の理解です。
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akimi_o @名古屋 @akimi_o

こういう認識の人、まだまだいるんだろうなあ…。マスコミの恣意的な報道に惑わされてた。非加熱製剤によって、血友病患者の生活の質は向上し、寿命も延びた。それに対して、HIV感染は危惧されていたものの、その感染力は弱いと考えられていた。 twitter.com/karinoyad/stat…

2016-01-09 07:51:34
akimi_o @名古屋 @akimi_o

非加熱血液製剤は、リスクとベネフィット(利益)の比較で、圧倒的に利益の方が大きいと考えられていた。HIV(エイズウイルス)感染の危惧は伝えられたものの、その感染力は不明で、それほど強くないだろうと考えられた。何より、今更、不便で効果の小さいクリオ製剤に戻ることは考えられなかった。

2016-01-09 08:01:23
akimi_o @名古屋 @akimi_o

加熱血液製剤であればより安全だろう(当時は、HIVよりも肝炎のリスクについてが大だったが)と考えられたが、加熱製剤は製造コストが大きく(非加熱の3倍とか)、原料である血液を海外、特にアメリカに頼っている日本で選択肢にはできなかった。日本の血液供給が献血で賄われているのも影響した。

2016-01-09 08:05:45
akimi_o @名古屋 @akimi_o

折悪しく、日本赤十字社が献血で集めた血液を製薬会社に提供したことで、批判を受けた後だった。「善意によって集められた献血を商売に使うとはけしからん」という批判を受け、赤十字社は血液を製剤の材料として製薬会社に供給することを渋った。「善意の人」が血友病患者の首を締めたとも言える。

2016-01-09 08:08:46
akimi_o @名古屋 @akimi_o

厚労省と医師は、加熱製剤の導入を模索しながら、非加熱製剤による治療を続けるしかなかった。いわゆる「薬害エイズ」が問題になった後、加熱製剤が迅速に導入できたのは、それ以前からある程度準備がされていたからだろう。なのに「医師が加熱製剤の認可を遅らせた」という根も葉もない風評も流れた。

2016-01-09 08:11:46
akimi_o @名古屋 @akimi_o

非加熱製剤による治療が続けられたのは、血友病患者による希望もあった。それだけ、効果が大きく、生活の質が大幅に改善された。自己注射できるというのも、生活の質の改善に大きな役割を果たした。結果的に、HIV感染という悲劇を招いたが、それを予見することは難しかった、というのが結論だろう。

2016-01-09 08:15:04
akimi_o @名古屋 @akimi_o

HIVの感染が危惧された時点で、直ちに非加熱製剤での治療はやめ、クリオ製剤で治療しつつ加熱製剤の認可を待つべきだった…と、今の我々が当時を見て考えるのは簡単だ。しかし、病で苦しむ患者の治療にあたりながら、最新の知見を調べ、その時点で最善の判断がされたのだと僕は考える。

2016-01-09 08:17:40
akimi_o @名古屋 @akimi_o

HPVワクチンも、似たような問題であると考える「薬害エイズ」事件の反省を、という声ももっともだ。しかし「反省」とはなんだろう。結果的に危険な薬品を使用してしまったことについてだろうか。それも当然あるだろう。もっと強く加熱製剤の導入を叫び、献血を製剤に使用すべきだったかもしれない。

2016-01-09 08:21:33
akimi_o @名古屋 @akimi_o

しかし、最も大きいのは、冷静に判断し、最善の道を選ぶ、ということではないだろうか。副反応を恐れ、薬を使用しないことは簡単だ。しかしそれでは、生活の質の低下に苦しむ人は減らない。我々の社会は、どちらを選ぶのだろうか。

2016-01-09 08:25:29