【現代パロ】ポルナレフ(大学の先輩)は人付き合いが上手い、と承太郎は思っている。友達になる相手はだいたいいいやつらで、逆に他人から好かれていても「なんとなく合わない」と感じた人間からは距離を取る。そういう場合たいてい、その人間は後から酷い事実が発覚したりするのだ。
2016-01-09 22:54:43【現代パロ】ただ、ある日どこでどう知り合ったのか、神学生だという青年を連れてきたときには思わずタバコを取り落とした。「……プッチ、という」名乗りを聞かずとも、その名を知っていた。
2016-01-09 22:56:15【現代パロ】「どういうつもりだ、アイツは!」「……あいつはもう別人だよ。なあいいじゃあないか。例え記憶があっても、別人なんだよ、あいつも俺も。戦わずに済むならそれでいいじゃないか」達観したように告げられては、そういうものかと飲み込んだ。
2016-01-09 22:58:19【現代パロ】「誰だ」と承太郎は聞いた。二人が連れ添って歩くのを見かけ、好奇心から後を追いかけた日のことだ。たどり着いた病院。ベッドに眠る二人の男。黄昏時に佇む二人の男。
2016-01-09 22:59:51【現代パロ】ベッドボードに名前。『ジャンピエール・ポルナレフ』『エンリコ・プッチ』承太郎の知る名前。見慣れた二人は承太郎の知らない名を名乗った。二人はやっぱりポルナレフとプッチといった。――眠る二人の双子の兄弟だと。
2016-01-09 23:01:52【現代パロ】知らない。承太郎の記憶にそんな話はない。では誰だ。今まで彼がポルナレフだと、プッチだと思って接してきたのは。ポルナレフの記憶を持った彼は。
2016-01-09 23:06:52【現代パロ】黄昏。照らされる部屋。日が沈む直前の残光に照らされる二人。――白。白銀と、白蛇。見覚えのある姿。息を飲んだ。二人はただ押し黙り、傍らの片割れを見つめた。
2016-01-09 23:08:54【現代パロ】「早く目を覚ましてくれ」と。そうすれば今すぐにでもこの立ち位置を返してやれるから。魂の半身を愛しげに見つめて、二人はそう呟いて。だから二人は友人になったのだ。承太郎はそれを悟った。
2016-01-09 23:11:21