横山先生　完結編

あみ @ami_qitt25

1 『で、どんな取引したん？』 準備室に入って振り返らず切り出した 〈え？〉 『多分、大倉やろ？ 俺を誘惑でもしろ言われたん？』 〈そんな事…〉 『大概の男なら乗るやろ？ お前、可愛ええもんな… でも、俺は乗らへんよ』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

2 不思議そうな顔で俺を見つめて 『恋人が居るからな、裏切らへんよ』 〈ふーん、結衣って人？〉 お、本性出して来たな 『おん、大倉から聞いたん？』 俯くとつまらなさそうに 〈大倉先生もその人が好きだって、、〉 『で？』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

3 〈へ？〉 『で、お前は何が欲しい？』 俯いてた顔を上げると真っ直ぐ見つめて 〈大倉先生、、あの人が欲しい〉 また大倉もエライのに惚れられたな 『ふーん、落とせやええやん、 お前ならやれそうやんか』 俺の言葉に悔しそうに唇を噛み締めて #横山先生

あみ @ami_qitt25

4 〈落ちなかったの、、だから...〉 『交換条件か？』 深く頷いて 〈でも、失敗したからダメね〉 『そやな、そんな手使わんで真っ直ぐぶつかればええやん、その方が通じるんちゃうの？』 〈そんな事した事ないもん…〉 『そっか、、で...話し戻すけど、』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

5 〈ん、 多分誘い出すんじゃ無いかなぁ〉 『そっか、ありがとう... きっと、引っ掛かったと思っとるから成功した言うて誘い出し...』 それを聞いて目をキラキラさせて 〈うん！〉 『あ、遅い時間がええやろ... その方が信ぴょう性あるやろ』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

6 〈分かってた、先生ありがとう♡〉 喜んで出てったけど... すまんな、そんな簡単や無いんよ 『あ、玲奈か？俺や...』 玲奈とは全部言わんくても 分かるから楽でええわ さぁ、後は結衣のお仕置きやな 全く...なんの反省もしとらんやん、、 #横山先生

あみ @ami_qitt25

7 結衣が帰って来た 大分酔って、、ったく... 「あ、侯くん...ただ今」 パフっと抱き着いて来たから 『結衣、、飲んで来たん？』 「うん、... 駄目だった？ごめんなさい、、」 今日は随分素直やん 『誰と居ったん？』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

8 「え？、、」 一瞬目を逸らして... 「忠義、、ごめんなさい」 そう言って強く抱き着く その結衣の肩を掴んで身体から 引き離すと 『結衣？俺が言った事守れへんのな』 「ごめんなさい」 見上げる目にみるみる涙が溢れて #横山先生

あみ @ami_qitt25

9 『ん、もう…ええよ、、』 「え？怒って無いの？」 『ん、怒らへん...結衣、、』 真っ直ぐ結衣を見つめて 『別れよう』 「え、、、」 『やって、いくら言っても分からへんのやろ、、もう、ええわ』 #横山先生 pic.twitter.com/euJKHQPw4u

拡大

あみ @ami_qitt25

10 「侯くん...」 『ええから、お前は此処におり、 俺が出て行くから』 そう言って結衣から離れて用意して あったカバンを手に部屋を後にした #横山先生 pic.twitter.com/dmphqjzr4W

拡大

あみ @ami_qitt25

11 侯くんが別れを告げて部屋を 出ていった 取り残されたあたしはその場に 座り込みただ、呆然としていた だって… そんな事は絶対に無いと思って 居たから 侯くんの愛は変わらないと... #横山先生

あみ @ami_qitt25

12 全部あたしの独りよがりだったんだろうか 泣くことも出来ず 現実を受け入れられず ただ、その場から動けずに居た #横山先生

あみ @ami_qitt25

13 あの日から一週間... 侯くんは戻る気配がない 気になるけれど、あたしからは連絡は出来ない... だって、出てくれなかったら？ あの時と同じ...ただ待つしかなくて でも、あの時と違うのは 待っても戻って来ないかも知れないって事 #横山先生

あみ @ami_qitt25

14 そうなったら... それもみんな自分が悪いの 不意にLINEの通知音にびっくりして 飛び上がる 侯くんかも？...違ったら？ 《お前らなんかあったの？》 忠義からだった、、 「何が？」 #横山先生

あみ @ami_qitt25

15 《横山、様子変やから...イライラしてるって言うか...いつにもまして当たり強いんやけど》 「ごめん、あたしのせい」 《何があったん、 あ！飯行ったのバレたんか？》 「うん、...」 《やって、飯だけやん》 「うん、侯くん...出ていっちゃった」 #横山先生

あみ @ami_qitt25

16 《はあ？お前置いて？》 「うん、、」 《別れたん？》 「別れようとは言われた」 《それで、お前なんて言うたん》 「答えてない」 《それでええの？いや、俺が言うのもおかしいけど…大丈夫か？》 #横山先生

あみ @ami_qitt25

17 確かに、、忠義が言う事じゃない... 何だかその矛盾に可笑しくて、、 壊れた様に笑い出してるあたしが居た 《結衣、、》 笑いながら涙が止まらなくて... LINEに目をやると 着信が点灯してる #横山先生

あみ @ami_qitt25

18 「はい？」 《結衣？大丈夫か？》 「ん、もう…可笑しくて、、」 《なんで笑ってる？》 「だって…、、可笑しいでしょ？、、」 《可笑しくなんかあらへん、 お前...大丈夫か》 #横山先生

あみ @ami_qitt25

19 「大丈夫だよ、、もう、、 そんな…やだ、、心配しないで、、」 息が出来ないぐらい笑いが止まらない 《今、行くから、、》 気が付いたら通話は切れて居た 忠義が来たら又、侯くんに怒られちゃう #横山先生

あみ @ami_qitt25

20 そんな事を画面をぼーっと見ながら ぼんやり考えて… ああ、そうか、、 もう侯くんは居ないんだ... 叱ってくれる事も心配してくれる事もない... 抱き締めてくれる事も、、、 もう、居ないんだ... #横山先生

あみ @ami_qitt25

21 チャイムがなった... 出ない方が良いのかなぁ 忠義だよね... でも、心配してくれてるんだから 暫くは躊躇してる間もチャイムはなり続ける 仕方なく玄関に向かいドアを開ける 「だから、大丈夫だって…、、」 そこに居たのは...侯くん？ #横山先生

あみ @ami_qitt25

22 「どうして...」 『少しは反省した？』 「･･･」 『しとらへんの？』 「した、反省しました」 『なら、ええよ』 そう言って笑って...抱きしめるから 「...侯くん、、」 『ん、』 「ごめんなさい、 もう、何処にも行かないで...」 #横山先生

あみ @ami_qitt25

23 『お前がええ子にしてれば行かへんよ』 「する、、するから...」 『ん...そうか？』 そう言って抱き上げて、、 あたしを運んで... 「侯くん？」 『あん？なに？』 「何処行くの？」 『決まってるやん、、 それとも此処でしたいん？』 #横山先生

あみ @ami_qitt25

24 「へ？、、したいって...」 『アホ、、そんなん決まってるやん』 ベッドに投げ出されて被さる様に 侯くんの唇が重なり深い口付けが繰り返される 「侯くん、」 『ん？』 「ずっと一緒居て、」 『当たり前やん、、 俺しかお前を愛せないやろ』 END #横山先生