アニメの脚本を適切に評価するという事

主にガールズ&パンツァーを例に脚本とアクション演出を考察する
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インクエッジ @02Curry

「脚本を適切に評価する」

2016-01-12 09:51:10
インクエッジ @02Curry

「どこからどこまでが脚本なのか問題」はもちろんだが、メカアクションもので「無言のメカアクションそのものをもってドラマを表現する」こういうタイプってだいたい「脚本」は肝心のその部分を担当してないものなのね。ヴァルヴレイヴでも脚本氏はチャンバラバトル面は「おまかせ」してたし

2016-01-12 09:56:08
インクエッジ @02Curry

アルドノアのナマ脚本と本編を見比べると脚本レベルのすじがき「以降」(コンテ演出…)に物語の要諦が濃密に描き込まれてることがわかる。ガルパンもたとえばさきのマウスやカールへの「アクション」の組み立てをしたのもさすがに脚本家氏じゃないよねぇ。チャンバラの所作「も」込みで「物語」です、

2016-01-12 10:08:53
インクエッジ @02Curry

って作風の映像のうち、脚本パートと思わしき部分だけ抜き出したらそれは「物語」じゃなくて「脚本という仕事域」でしかないもので、「物語のなかの脚本域」をどうやって評価するのかってハナシだな。。ほかにも鉄血のオルフェンズやアクエリオンなどメカアクションを物語の一環に据えてる作品は多い。

2016-01-12 10:13:29
インクエッジ @02Curry

カールもマウスも同じくらい破天荒な攻略にみえて、マウスの方は理に適ったものなのに対しカールは無駄100%のアホ作戦。この対比はさすがに吉田氏には生み出せない。「マウス攻略は西住みほによって立案されたもの」だからマトモでとうぜんで、ノリのわやくちゃメンバーで考えたカール戦とは違うw

2016-01-12 10:26:17
インクエッジ @02Curry

「正面から突っ込まれたらマウスは後退せず強引に乗り越えようとする」西住流の気質を踏まえた作戦だから西住みほにしか思いつけない。これと同じメンバーによるカールへの正面突撃は似てまるで非なるもの。言葉どおり「意味があるとは思えない」戦術になっていて、そうでないと物語のスジが通らない。

2016-01-12 10:31:16
インクエッジ @02Curry

巨大ロボにせよ戦車にせよ他のメカニクスにせよ、そのギミックやアクションがそのままテーマや人物関係をゼスチャーする=脚本パート外で物語を綴るタイプはそうすることで少なくとも「○○が出てくる作品」ではなくなっている。○○以外のモノに交換してしまうと「脚本外の物語」が欠落してしまう。

2016-01-12 12:06:02
インクエッジ @02Curry

ガルパンでいえば、ああいう舞台でスポーツならざる架空武道なら他にも「対戦車道」とか「急降下爆撃道」とか「潜水艦道」とかこしらえてお話を綴ることだってできるだろうが、武道の骨子「道」に掛けて描くことができる題となると、無限軌道で装甲を持つ戦闘車輌「戦車」の他にはこの世に存在しない。

2016-01-12 12:14:00
インクエッジ @02Curry

なんで自動車部はあからさまな「ズル」をするのかって、それが脚本パートと両輪となって物語を成す「脚本外のドラマパート」だから。「ルールに書いてないからという根拠で利己を図る」のは咎めらる行為じゃなかったのか?というとこからがTVシリーズから描き続ける「道」の続編たるギミックだよ。

2016-01-12 12:36:20
インクエッジ @02Curry

品位を貶める「ズル」は道に悖る行為でありながら、それ自体が「我が人生」と呼べる程のものであるんなら、それすらもれっきとした「道」として認められるんだ。戦車道をモータースポーツとして取り組み「テクニカルレギュレーションは明文化されてない隙間を突くもの」として捉えてるからああなる。

2016-01-12 12:41:51
インクエッジ @02Curry

本編で「戦車道にあるまじき」と謗られたルールの隙間を突く行為でありながら、それでも「あれこそ戦車道」と賞賛できるのは、やってるひとが「機械車輌こそ我が人生」を生きてきた自動車部だからに他ならない。「あの子らがやると立派な戦車道」「それ以外の連中がやったらズル」。スポーツじゃねえ。

2016-01-12 12:49:04
インクエッジ @02Curry

「ルールブックに書いてあるルールに基づくスポーツじゃない」。「ルールブックに書いてないルール」の比重が明文パートより極端に高く、なおかつ「その解釈にどんな参加者にも共通する解を持たない」というもの。字にしてないだけで一律に皆が従うことと決まってる、ていうんじゃないのが難儀だわ。

2016-01-12 12:56:31
インクエッジ @02Curry

自動車部は「ズル」で得た利益を何に用いるのかというと、決して自分自身の「得」とは言えないコト一点に使ってる。「車列の先頭に立って後続を強引に引っ張る」そして「自車はついに限界を迎えてリタイアし、後に続く者たちにその後を託す」…ああ。TVシリーズでの生徒会だ。チャンバラゼスチャー。

2016-01-12 13:42:09
インクエッジ @02Curry

TVシリーズの生徒会も「戦車道に悖るズルで利己を図る」のにそのじつ自分自身の直接の利益「じゃない」、というところにキモがある。生徒会はいま三年生で、廃校が予定されていたのは本年度をもって。つまり「生徒会が卒業したあと」なんだ。母校を失うのは二年生以下。それを守るためにああしてる。

2016-01-12 13:46:48
インクエッジ @02Curry

「自分たちでなく後輩のために」急造チームを編制し、試合開始直前にその内情を対戦相手に訴える程の無様をおしてまで強引に引っ張っていたのが生徒会。大会での生徒会の最後は「強敵撃破の礎となって機関ブローし白旗を上げ、後を託して退場する」。戦車アクションはただアクションに非ず、だ。

2016-01-12 13:52:26
インクエッジ @02Curry

劇場版で肩透かし気味の出番が与えられたポルシェティーガー一行は「TVシリーズの生徒会」となって、喪失した者たちを束ねて引っ張り送り出す。「自動車部が一車だけ自滅エンド」ってコトひとつとっても幾重にも物語としての必然がある。「ズルにはバチが当たる」寓意だって見立てていい。

2016-01-12 13:57:48
インクエッジ @02Curry

ヴァルヴレイヴでいえばデュアリズム、ガルパンでいえば道イズム。何でもそうだ。「娯楽活劇目線ではぎこちない成り行きにみえる部分」を「ぎこちなくなろうがどうしてもこうでないといけないところ」だったと仮定する、そういう部分をわざわざひたすら注視して「こうでないといけなさ」を逆引きする。

2016-01-12 15:32:38
インクエッジ @02Curry

ベイマックスでいえば「兄の遺志を継がない」ところ。心身のケアをさせたかったロボットをバトルヒーローに仕立てて「よし」として終わる。虚空に置き去りにされたベイマックスは無視、片割れのメモリと新しいボディで「これがベイマックスだ」とすっきり決めてしまうとこ。観てる側はすっきりしないw

2016-01-12 15:36:54
インクエッジ @02Curry

それは純粋な活劇娯楽、ハートフルな「いい話」としては欠点なんだろうが、自分がいっぺん流し観て「おや?」と引っ掛かるようなところにつくってる側誰もが終始気づかなかった、もしくはどうでもいいと流したのだとしてしまう方が無茶なんだ。むしろ「おや?」と引っ掛かるところから思索ははじまる。

2016-01-12 15:40:57
インクエッジ @02Curry

「なんでここはこうでないといけないのか」を捨て置かずに探り続け、そこに「こうでないと成立しない」テーマを見立てるとあら不思議。そこかしこにあった「娯楽としてすっきりしない部分」がみるみる「テーマとしてそうでないと成り立たない部分」に化ける。

2016-01-12 15:46:06