無(後編)

忘れた頃に仕返しはやってくる
0
師匠@似非 @unishisyo

当然、ひき逃げとして看板や花束が現場に置かれていた。 しかし、こんなの2年も続いただろうか?すぐに何もなかったかのように供物や看板はなくなった。知るのは当時の事故を知っている人位さ。 彼女はね、世間という空間からは消されてしまったんだよ。 殺された立場なのに。

2016-01-04 20:57:31
師匠@似非 @unishisyo

だけど、彼女は忘れない。 10年経って、昼間に彼女が轢かれた道を車で走ると、先が渋滞していた。 夏の日差しで眩しかった。 渋滞先は彼女が轢かれた場所、止まっていたのは故障も何もしていないで立往生しているトラックと首をかしげる運転手。

2016-01-04 21:01:22
師匠@似非 @unishisyo

そこを見ていたら、悪寒が走り寒くなった。ベタついたTシャツからは汗が引いた。ああ、彼女が足止めしたんだ。嫌なオーラが日差しを遮る。 犯人だ。 彼女をひいた犯人はあのトラック運転手だ。 彼女は忘れない。 ずっとあの道で誰も探さない犯人を彼女は探していたんだ、10年も。

2016-01-04 21:09:42
師匠@似非 @unishisyo

以上。 彼女の事は僕は忘れちゃいない。 だから、気づいたんだ。 犯人に対する悍ましい空気を。 これでおしまい。 花の反対と言ったから、分かりやすい話だったんじゃないかな? やった方は忘れてもやられた方は死んでも忘れない。 永遠にね。

2016-01-04 21:13:28