【ニンジャの二次創作】ストレイ・ストレンジ・スモトリ　＃３

篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

次の瞬間、この左足を鋼鉄製のレガースで覆われたアルマジロの右足が鋭く薙ぎ払った！「イヤーッ！」「グワーッ！」レイジングブルの左足が脛の半ばで折れる！白い骨が飛び出し、次の瞬間大量出血！ヤクザ円陣で囲まれたドヒョー・リングが赤く染まっていく！ 18

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だが！「イヤーッ！」レイジングブルは地面へ右足を突き刺す！「イヤァァーッ！」血走った目でアルマジロを睨みながら、両腕をその首に回す！「グワーッ！」そのままブッダへ祈るような形でアルマジロの首をメキメキと締め上げ、無理やりに引き倒さんとする！アルマジロの背が海老反りに伸びる！ 19

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「もうヤメテーッ！」重金属酸性雨の驟雨を切り裂かんばかりの叫び声！タマキだ！しおれたオイランが声を限りに制止を叫ぶ！だが！「「黙ってろ！」」二人の巨漢ニンジャは同時に叫び、目前の敵を打ち倒す事に再び集中！ 20

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レイジングブルの怪力がアルマジロを引き倒す……背中とドヒョーが触れ合うまで残り数センチ……その時！「イヤーッ！」アルマジロは咄嗟に踏ん張っていた両足を己の顔面につけた！後方回転！殺戮弾丸形態へチェンジし、そのまま後方回転加速！己の首を締め上げるレイジングブルを巻き込む！ 21

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「グワーッ！」レイジングブルはアルマジロの回転力で背中から地面へ激突！ 22

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『勝負あり！ただ今のキマリテ…』奇しくもノイズ混じりのオスモウ放送がどこからか流れ、一瞬のち、観客からの万雷の拍手にかき消される。「凄かったです！」「アナタ、コロシアムで戦わないの！」「奢らせてくれよ！」…だが。 23

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「…ダマラッシェー！！」アルマジロの恐るべきニンジャスラングが周りを一挙に凍りつかせる。「ア、アイエエエエエエエ！？」「ニンジャナンデ？！」「これはマボロシなんだァー！」観客は揃って失禁失神、各自のニューロンの自己防衛の為に記憶が胡乱となる。 24

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「アルマジロ、いや、マルダイズ＝サン。真っ向勝負してくれて、礼を言うぜ…」スガキは笑って言った。そして、うなだれた。「ああ、そうだな、スガキ＝サン」マルダイズは、スガキのこの態度を無表情に見下ろし、やおらその頭上へ右足をかざす。カイシャクの構え。「イヤーッ！」 25

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「ヤメテーーーーッ！殺さないで！」マルダイズの足が途中で止まる。いつの間にか、二人の間にタマキが入り込んでいた。 26

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「あの八百長も、オオキに取り入ったのも、アタシがこの人と一緒に暮らしたかったからなの。殺すならアタシにして！」この告白に、マルダイズは狼狽し、たたらを踏む。「お前、自我が」 27

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「スガキ＝サン、あなただけでも生きて！」タマキの言葉に、うなだれていたスガキが首を上げる。「勝手なことばかり言うな！俺は、俺の方こそ……！」二人を包むのは降りしきる重金属酸性雨のアスファルトを叩く音。NRSを起こしたモータルの呻き声。微かに聞こえるオスモウ放送……。 28

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『今日のトリクミは以上です』 29

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「そうか」マルダイズは淡々と呟いた。「そんなら、二人アノヨで幸せになることだな」 30

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そして、二人の頭を踏み潰した。 31

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「俺様抜きで、てめぇらの思い通りにコトが全て丸く収まるなんざ思うもんじゃねぇ。インガオホーだ」血まみれのテヌギーを見下ろすアルマジロの声は、ストリートを浸す重金属酸性雨に混じり、赤い血とともに排水溝へ流れ込んでいく。 32

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不意に、アルマジロは顔を上げ、店員を睨んだ。「スガキとタマキというヤツらはいなかった。わかるな？」その瞳に輝くサツバツの気配に、先程まで興奮の眼差しで戦う二人を眺めていた店員は失禁、がくがくと頷く。 33

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アルマジロは懐からスキットルを取り出し、ウィスキーを飲みながら家紋タクシーへ向かう。「……シケちまったぜ。お前ら！行くぞ！」「「「アッハイ！」」」ヤクザ円陣が一斉に応答、影めいてストリートに紛れ込んでいく。 34

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……『不如帰』のショドーが揺れる、家紋タクシーの後部ソファーでは、ソウカイ・シンジケートのニンジャ・アルマジロが不満げに鼻を鳴らし、葉巻に火を灯す。「くだらねえ、時間のムダだったな」煙を吐き出し、スキットルをあおる。 35

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「金も、酒も、ニュービーだった頃みてえにはいかねえってか……」アルマジロは運転席との境に備え付けられたディスプレイを足でスイッチ。「どこかうまい稼ぎ場所は……」ディスプレイにワイヤーフレーム表示されたソウカイヤのナワバリ地図を眺め、忌々しげに舌打ちをした。 36

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「あのクラブはウォーターボードの野郎か。ツキジの流通倉庫は……デビルフィッシュのバカが既に……寺は……なんでレイザーエッジのアホがナワバリにしてやがる？」 37

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おもむろにアルマジロの足がディスプレイを蹴り割った。「ブッダファック！」家紋タクシー内に充満した怒気にヤクザ達は失禁。「なんでこんな狭い範囲に、シックスゲイツのうち四人が集まってんだ！」 38

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アルマジロは眉間に皺を寄せ、いきり立つ。「だいたい、泣く子も黙るシックスゲイツはニンジャのカチグミなんじゃねえのか？なってみりゃあなんのこたァねえ、金はすぐ手に入らん、暴れる場所も少ねぇ……しまいにゃくだらねえ時間つぶしで女を無くす！なんて、……不自由なんだ！」 39

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スキットルをあおり、空と気づいて、失禁ヤクザの独りに投げつけた。「…次だ！次のビズで締め上げろ！」「ハイ、ヨロコンデー！」家紋タクシーは急加速し、重金属酸性雨に包まれ消えていく。 40

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【ストレイ・ストレンジ・スモトリ】 ＃３終わり　＃エピローグへ続く