兎
@usagi0913
気がつくとブラックヘイズの頭は柔らかいものの上に乗っていた。見上げるとそこにいるのは当然「私だ。驚いたか、ミスターダンディ?」ニヤニヤと笑うフェイタルがそこにいた。 08 #usgnj
2016-01-26 00:26:05
兎
@usagi0913
「お前、何を」抗議するブラックヘイズに「サービスだ。湯が沸くまでのな」柔らかな笑みを浮かべてそういうフェイタルに、ブラックヘイズはそれ以上の文句を飲み込んだ。フェイタルは満足そうに頷くと、細い指でブラックヘイズの額を撫でる。 09 #usgnj
2016-01-26 00:29:34
兎
@usagi0913
「しかし、お前、何も」「んん?なんだ?」フェイタルの顔にニヤニヤした笑みが蘇る。ブラックヘイズの頭に、首元に伝わる感覚は明らかに先ほどフェイタルが穿いていたはずのデニム生地ではなかった。「お前な」「嫌いか?嫌ならやめるが?」「……」 10 #usgnj
2016-01-26 00:35:29
兎
@usagi0913
嫌いではないから困るのだ、という言葉は口には出さない。折角のサービスを失うのはブラックヘイズとて惜しいからだ。「ふう」溜息を一つ吐き出し、頭を預ける。頭の下の柔らかさも、額を這う指先の細さも、嫌いではないから困るのだ。 11 #usgnj
2016-01-26 00:40:54
兎
@usagi0913
疲れと、炬燵と、柔らかさと、細さと。ブラックヘイズが迂闊にも眠りに落ちそうになったその時!「イヤーッ!」「グワーッ!?」ゴン!と大きな音を立てて、油断仕切ったブラックヘイズの頭が床に衝突した。 12 #usgnj
2016-01-26 00:45:15
兎
@usagi0913
「湯が沸いたな!んん?どうした?茶を飲むんだろう?」そう言って台所へと去っていくフェイタルを、ブラックヘイズは床から眺める。その顔は彼の位置からは見えなかったが「その眺めもサービスだ」間違いなくニヤニヤした笑みを浮かべているに違いなかった。 13 #usgnj
2016-01-26 00:49:54