【ついったんぺん】僕は俺になる※BL注意

Twitterにてだらだら書き進めた短編です。 続きそうでも続かない。 ※近親BLです。 許せる方だけどうぞ。 続きを読む
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Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 共通点は、正直分からない。佑月がどういうつもりで女子を選んでるかも知らない。 「気付かなかった俺がいうのもなんなんだけど」 短い髪をガサガサとかき混ぜた佑月は、僕を指差した。 「たとえお前が好きな子でも、そのまんまのお前を好きにならない子なんて許しません」

2016-02-05 14:18:15
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 目をまんまるに見開く。 「なにそれ」 目が乾いて、二度瞬きをする。佑月は一体何を言い出したんだ。 「なにそれ。自分は好き勝手に付き合ってるくせに」 ぴくりと左の口角が引きつったのを感じた。僕の癖だ。治そうとしているのに、治らない癖。佑月にはこんな癖はない。

2016-02-05 14:50:26
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 佑月が硬直したのを見てから後悔した。言わなければ良かったって。 「ごめん、そういうつもりじゃ」 そんなことを思ったのに、僕の引きつった口からはまだ言葉がこぼれていた。 「僕がどんな気持ちで好きかも知らないくせに」 どうしようもないからこうなってしまったのに。

2016-02-05 15:06:46
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 落とした言葉を、なかったことにするように、踏み潰すように階段を一段上がる。そして眉尻を下げて苦笑した。 「ごめん。俺、佑月みたいに告白する勇気なんてないから。佑月に当たっちゃった」 「……告白、したらいいじゃん」 「しないよ。勇気ないって言っただろ」

2016-02-05 15:10:02
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 佑月は何か気に入らない表情をしていた。 君は、何を考えてるの。 「それに、俺、好きな人に振り向いてもらいたくて、変わろうとしてるわけじゃないから」 僕が君になったら、考えてることまで分かるんだろうか。 「こうやって、自分が満足してるだけ。俺、臆病だから」

2016-02-05 15:13:20
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 階段の終わりで並ぶ。佑月は階段側を、僕は廊下側を見ていた。 隣に並んでいても、見ているものは正反対だ。 僕は、ずっと同じ方向を向いていられると思っていた。だけど、それが叶わないことを知っている。 「佑月は」 「なに」 「俺が変わらないほうがいいと思う?」

2016-02-05 15:15:36
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 佑月は即答した。 「無理して変わる必要なんてない」 僕が横を向くと、真面目な顔をした佑月が僕を見ていた。 まっすぐに僕を見上げるその瞳に映っている僕は、目を細めて、微笑して、小首を傾げた。 「佑月は変わらない僕が好き?」 そして、心臓からこぼれた涙を吐いた。

2016-02-05 15:21:52
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「好きだ」 そんな他愛もない佑月の言葉が辛かった。だから、僕は真剣な佑月にあかんべえをしてやった。 「ありがと。でも、佑月には関係ないだろ」 佑月から逃げるように、僕は自室の扉に足を向けた。 「変わっても変わらなくても陽太だろ!」 そんな言葉、聞きたくない。

2016-02-05 15:26:24
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL だから、そんな言葉は、扉の外に追い出した。 * * * 僕が変わるのは、誰のためでもない、僕のためだ。 僕は君になって、僕は偽物の君でこのスカスカになった心臓を埋めたいんだ。 君と一緒になったら、君の心も僕の中につくれるような気がして。

2016-02-05 15:32:44
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL そして、それが叶わないことを、僕は知っているんだ。

2016-02-05 15:33:34
Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL (終劇)はい、終わり。「僕は俺になる」でした。そいそい。 陽太と佑月。似てない双子でした。Nicolaがボーイズなラブを書こうとするとこうなるのでした。ラブってほどラブしてないけど。一言も陽太が佑月のこと好きなんて言ってないですけど。

2016-02-05 15:39:19