ティックドタビー

あみ @ami_qitt25

100 《好きな人になら迷惑にならへんよ、、考え過ぎだらあかんよ》 その後はしばらく雑談して安田さんは帰って行った 《大丈夫、余計な事は言わへんから》 と、言い残し...余計な事って、、 《あ、信ちゃん？お疲れ様、彼女居ったよ、、》 #ティックドタビー

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101 ヤスから連絡があってまだ彼女は 出て行って無いって 少しの安堵と帰ってどんな顔で合えば ええのか考えると、、気が重い... まさか、理由も無いのに出てかないでくれとは言えへんやんか それを言うなら、はっきりした理由を言わな なんて言う？ #ティックドタビー

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102 まさか、好きやから居ってくれなんてそんなん言われへんやん... 部屋を前にしてもまだ結論は出ない 自分の部屋やのに入るのを躊躇う... 「あっ、、」 聞き覚えのある声で振り返ると、 彼女が立ってた... #ティックドタビー

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103 何時もより遅めの帰宅で... 彼はいつ帰って来るんだろ？ 安田さんは何にも言って無かった... 彼になんて言ったんだろ？ それを聞いた彼はどう思っただろ、、、 やっぱり早く離れなきゃ...だって、、 ほら？ 考える事は彼の事ばかり、、 #ティックドタビー

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104 逢いたい... 「あっ、、」 あたし...逢いたいと思うから幻覚まで見え始めたかも、、 だって、彼が自分の部屋の前で 固まってる筈ないもの 目を瞑って頭を振って幻覚を振り払う 目を開けて... 『何しとるん？』 #ティックドタビー

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105 目の前に彼が居て、、 「どうして、、」 『帰って来たんやけど...』 「あ、ですね...」 あたし何言ってるんだろ、、 『入らへんの？』 「え？、、」 『中...入らへんの、、』 「あ、はい...」 #ティックドタビー

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106 それでも動け無いで居るあたしの腕を彼の手が掴む... その手を無意識に見つめると、、 少しゴツゴツした、、 でも綺麗な指先があたしの腕を掴んでて... ああ、なんかいつもこうして捕まえてくれたな、、 これで最後なのかなぁ... #ティックドタビー

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107 そう思うと、、 彼の子供みたいに笑った顔や、 真面目に仕事をしてる顔、 照れてはにかんだ顔、 寝起きでぼーっとした顔...色んな事を思い出して、、涙が溢れて来る ...あたし、、この人が好き 苦しくなるぐらい... どうしょう、、、 #ティックドタビー

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108 また、泣かしてもうた... でも、掴んだ腕を離せずに、、 『とにかく、中入ろう...』 彼女の腕を掴んだまま部屋の中に 黙って後ろを付いて来る彼女をチラッと見れば、、困った顔をしながら目に涙を浮かべて どうせいっていうねん、、 #ティックドタビー

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109 こんな状態で...思ってる事を言えば、、もっと泣かせるだけやんか リビングに入ると足元にチーが絡みつき彼女がしゃがんでチーに話しかける 掴んでた手を離せばキッチンに向かって餌をやって戻って来た 『ありがとう、、』 「いえ、、」 #ティックドタビー

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110 何から言えばええ？ 「あ、安田さんが...」 『ああ、ヤスな...』 怒って居るのかしら？ 凄く難しい顔でさっきから床を睨み付けて 「む、村上さん...」 あたしの声にハッとした顔で、、 #ティックドタビー

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111 『あ、すまん...話したい事があるから座ってくれへん？』 とても思い詰めた面持ち、、 早く出てけって言われるのかなぁ そうだよね、出てくって言ってモタモタしてるんだから、、、 言われるまま、ソファに座ると隣に 村上さんも腰を下ろし #ティックドタビー

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112 『あのな、、引越しはどうなったん？』 「あ、はい...探してるんですけど、、」 そんなん言いたい訳やない 彼女を見ると俯いて困った顔で、、 『いや、あのな、、そんなんええねん』 「え？、、」 #ティックドタビー

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113 『ええねんって、、出てかんくても...』 「でも、、」 『...あの、な、、俺...』 「は...い、、」 俺の言葉に顔を上げて...不安げな瞳は真っ直ぐ俺を見つめてて 『お前、、が...』 もう、あかん... #ティックドタビー

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114 そのまま彼女を抱き寄せて腕の中に納める 小刻みに震える身体をしっかり抱き締めて 『好きや、、』 「え？...」 どうして？ あたしの事？ 疑問符がグルグル頭の中を駆け巡り ダメ...パニック、、、 #ティックドタビー

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115 『あかんよな、、俺なんか...』 「なんかって、、何ですか？ なんかなんて...村上さんは、あたしが言うのも変ですけど、凄く優しいし、、確かに...言い方はキツイけど、、」 『なんやねん、それ、、』 ほんとに、言い方はキツイけど顔は笑ってて #ティックドタビー

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116 「だって、、」 『だって...なんやねん』 恐る恐る、彼の背中に腕を廻すと 『それは、、ええって事なんか？』 「ええって...？」 『やから、、お前も...』 「...す...き、、」 『聞こえへんけど...』 #ティックドタビー

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117 彼の胸に顔を埋めてるせいかと思い 少し顔を上げて 「だから、、村上さんが、、、」 そこまで言った所で...唇が重なった、、 あの、初めてのキスより...遥かに長い、、 本当の口付け... 唇が離れると #ティックドタビー

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118 『ずっと、此処に居れや...俺の傍に、、嫌か？』 もう、涙で彼の顔も霞んで、、 首を振るのが精一杯 そんなあたしの涙を指で拭ってから 何かを首に掛けた 「これ...」 ネックレス... #ティックドタビー

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119 『ああ、もう、、迷い猫やないから...飼い主おんねんから』 彼の手が頬に添えられ、、 ゆっくり彼の顔が近付いて... ニャー 足元でチーちゃんが [やっとやんか、、] と鳴いた様に聞こえたのはあたしだけじゃ無かったみたい... END #ティックドタビー