【毎日26】約140字の小話まとめ【2016.1.18~2017.3.14】
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特にあてもなく外出していると、トド松から電話がかかってきた。帰りに買ってきてほしいものがあるらしい。『…ねぇ、聞いてる?カラ松兄さん』「悪い、もう1回言ってくれるか?」『もう!ちゃんと聞いてよね!』さっきより少し怒った声で繰り返される内容を雑踏に消されないように拾う。 #毎日26
2016-01-28 22:46:291月29日
「すき」しか言えなくなった次男×相手のことだけ忘れてしまった末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 つらい
2016-01-31 00:02:38トド松には5人の兄がいる。生まれる前から共にいた、六つ子の兄だ。しかし、次男カラ松をいつ忘れたのか、どうにも思い出せない。目の前で他の兄から説明をされても、ボタンを掛け違えたような感覚が残る。「すき、すき」それ以外の言葉を発しない彼を、どうしてもただの兄とは思えない。 #毎日26
2016-01-31 00:10:231月31日
すぐ「愛してるって言って」って言われるのはすこし困る次男×自分を置いてしなないでほしい末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 あっ あっ…
2016-01-31 22:19:04「お前はいつもそればかりだなぁトド松」鋭い眉の角度が少し困ったように下がる。「僕は何度だってカラ松兄さんの声で聞きたいんだ」互いの隙間を埋めるよう、しっかりと抱き合う。「俺はずっとここにいるよ、愛してる」耳元でささやかれる何の保証もない言葉だけで、何度だって救われる。 #毎日26
2016-01-31 22:28:482月1日
何やら圧迫感を覚えカラ松は眉を顰めた。真上に近い太陽が眩しい。身じろぎしようにも押さえつけられてるようで動けない。「ン…なに」寝起きのかすれた声で呻く。「おはよ、もうお昼だけど」トド松がその唇をついばむようにキスを落とす。「んん、昼…だぞ」「やだ、ちょっとだけ」 #毎日26
2016-02-01 20:56:192月2日
相手に自分より長生きしてほしい次男×花束を持った末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 これこないだの続きじゃない…? すぐ「愛してる」って言って欲しがるのは困る次男と相手に長生きしてほしい末弟だったか
2016-02-02 20:39:39※こないだの→1月31日分の、すぐ「愛してるって言って」って言われるのはすこし困る次男×自分を置いてしなないでほしい末弟
鏡の前でいくら真似ても、あの人になることは出来ない。サングラスをかけても、それはただサングラスをかけただけの自分。愛を囁いてくれた声だってずいぶんおぼろげだ。どれだけすがっても石は冷たい。「兄さん」トド松はこの場に不釣り合いで彼に似合いのバラの花束を抱えていた。 #毎日26
2016-02-02 20:49:292月3日
自分を受け入れてほしい次男×せめて嫌いにならないでほしい末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 臆病者の恋愛みたいでいいなぁ
2016-02-03 20:28:19覚悟が足りないのか、関節がギシギシと思うように動いてくれない。カラ松が押し倒した体はブリキの人形のようだ。「僕…不安なんだ」狭い声帯から漏れたトド松の声を安心させるようにカラ松は弟を優しく抱きしめる。「大丈夫、愛してる」互いの心臓の音が、うるさいくらいだった。 #毎日26
2016-02-03 20:46:032月4日
どこでもいいけどここではない場所に二人で逃げたい次男×買い出しに行く末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 愛の逃避行ー!!
2016-02-04 21:48:58ガラガラと玄関が開く音がしたので、カラ松はリビングから顔を出した。「出かけるのか、トド松」「うん、コンビニ」「俺も行こう」カラ松は財布をポケットに突っ込んで、弟の隣を歩き始めた。閑静な住宅街を2人で抜けていく。「なぁトド松、2人でどこかへ行かないか」2人の指が絡む。 #毎日26
2016-02-04 21:56:332月5日
他人に言えない趣味がある次男×相手の気持ちに気づかない末弟 #毎日26 shindanmaker.com/588200 次男頑張れ
2016-02-05 21:26:35静かな部屋にシャッター音が響く。トド松は自分のスマホから目を離して顔を上げた。「今の兄さん?」「何が?」「写真」「ああ、メモ代わりに」メンズ雑誌を片手にカラ松が笑う。反対側の手に握ったスマホの画面には紙面などなく、スマホをいじるトド松の姿があった。 #毎日26
2016-02-05 21:34:012月6日