犬神凛ちゃん
「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23「犬神さま、何を召し上がるのかわからなかったので果物にしました」 って言いながらリンゴをカゴにつめて笑顔で持ってくる卯月ちゃんなんだけど、凛ちゃんは一瞥して 「リンゴは嫌い。」 って嘘をつくんだよな
2016-02-06 22:19:23傷ついた顔をして、すぐまた笑顔になって 「ごめんなさい……明日、また他の物を持ってきますね。」 って言って帰っていく卯月ちゃんなんだけど、その背中は来た時よりも明らかに小さくなっていて、これでもう来るまいと凛ちゃんはそっと目を閉じる
2016-02-06 22:24:25でも卯月ちゃんは次の日も別のものを持ってやってきて、凛ちゃんはそれを嫌いだと言って、また帰っていって。そのまた次の日も違うものを持って笑顔で卯月ちゃんはやってきて。とうとう凛ちゃんが折れるんだよな
2016-02-06 22:26:22凛ちゃんが折れたその日、卯月ちゃんはサンドイッチを作って持ってきていて、カゴごと置いていこうとする卯月ちゃんを凛ちゃんが呼び止めて一緒に食べるんだよ
2016-02-06 22:28:50「ちょっと待って」 「……はい?」 「これ、あんたも食べていきなよ」 「え、でも犬神さま、足りなくなっちゃいます」 「私だってこんなにいらない」 そう言って初めて人の姿を見せる凛ちゃん
2016-02-06 22:30:51「わぁ………………」 山犬の時とは打って変わって、真っ黒な長い髪。同じなのはすっと流れる緑の瞳。目の前に現れたきれいな女の子に卯月ちゃんはうっとりと見とれてしまう
2016-02-06 22:32:33「……何?」 「ふぁっ、い、いえ!なんでもないです!」 訝しむように眉をひそめる凛ちゃんと慌てて首を何度も振り回す卯月ちゃん
2016-02-06 22:33:58「ん、まぁいいけど。ほら、食べようよ。」 「は、はい」 こうしてちょっと不思議な昼食会が開かれるんだよな
2016-02-06 22:35:06卯月ちゃんがお母さんと2人で作ったサンドイッチは美味しくて、思わず凛ちゃんも少し顔を綻ばせるんだよな。そしてそれを横目で見てしまってなんだかドキドキする卯月ちゃん
2016-02-06 22:37:19それからというものの、卯月ちゃんは森に足しげく通うようになって、凛ちゃんは人の姿になって一緒に卯月ちゃんの持ってきたお昼を食べるのが日課になっていくんだよ
2016-02-06 22:39:54でもある日、いつも卯月ちゃんが訪れる時間になっても人影が見えなくて少し首をひねる凛ちゃんなんだけど、太陽が真上に登っても、それから空を降りてきても、その姿を消して青白い月が登ってきても、卯月ちゃんは現れなかったんだよな
2016-02-06 22:42:34次の日も卯月ちゃんは来なくて、まさかまた狼に襲われたのかと森を駆け回る凛ちゃんなんだけどそんな痕跡はどこにもなくて、力を使って村の様子を探ると、どうやら卯月ちゃんは風邪をひいて床に臥せっているのだということがわかって
2016-02-06 22:45:12卯月ちゃんが無事だったことに安堵して、でもその瞬間自分の中で卯月ちゃんの存在が大きくなっていることに気づいてしまう凛ちゃんなんだよな 「私、卯月が無事だってわかってなんでこんなに安心してるの?」
2016-02-06 22:46:52動揺の理由はわからないけど、何か良くないのではないかと漠然と思う凛ちゃん。 しばらくして、元気になった卯月ちゃんがまたやってくるんだけどなんだかまっすぐ見られない。
2016-02-06 22:48:34「ごめんなさい、私風邪をひいちゃって……」 「うん、知ってる。」 「あ……そっか、凛ちゃん神様ですもんね。」 もうすっかり名前で呼ぶようになっていて、でもあの日からなんだか名前を呼ばれる度にたまらなくなって
2016-02-06 22:50:12そんな矢先、隣村の守り神の未央ちゃんが人間と恋をして力を失いかける。 恋をした人間をさらって契約で記憶を消す凛ちゃん
2016-02-06 22:51:30力を取り戻し、それと引き換えるように心をすり減らす未央ちゃん。そんな未央ちゃんを見ていられなくなる凛ちゃん。 どうして、なんでこんなに私の心もひどく痛むのだろう
2016-02-06 22:52:57