【ミリマスSS】【イーストエンド物語】【音の雪】予告編
「じゃあ行ってくるな、桃子」父はそう言い残し去っていった。クリスマスイブの夜。ロンドンに取り残された桃子は、家をなくし、さまよい歩く。「ここは……?」極東のスラム地区、イーストエンド!
2016-02-09 11:30:07「鼠買い〼」「合法的滋養強壮剤」「洞窟の奥」猥雑な木の看板が立ち並ぶ。路傍に座る人達は桃子を凝視する。桃子は身をすくめた。「おとうさん、おかあさん……」その声が届く事は無い……。桃子は必死に涙を堪え、ひたすら歩き続けた。
2016-02-09 11:33:39「ゲホッゲホッ、ゴッホー!」桃子は激しく咳き込む!水たまりに赤色が滲んだ。「うっ……」桃子の顔面は蒼白だ。「オエー!」吐瀉!「……どなたか存じませんが、大丈夫ですか?」背後からかけられる声!滲む視界を上げると、そこに立っていたのは長い金髪の美少女!「私はエミリーと申します」
2016-02-09 11:38:14「シスターが!」礼拝堂から子供たちの叫び声!エミリーと桃子は顔を見合わせる!「胸騒ぎがします」礼拝堂へ飛び込む!そこに待っていたのは、泣き叫ぶ子供たちと……溢れんばかりの優しさで子供たちを支えていた、シスター達の惨殺死体!「そんな」桃子が後ずさる!「“切り裂きセージュ”……!」
2016-02-09 11:42:28シスター達の死の謎を追うために、エミリースチュアートと周防桃子が、ロンドンの闇を駆ける殺人鬼に迫る!
2016-02-09 11:43:40「……プロデューサー」 瑞希がそう呟いた。独り言だろうか。瑞希に限って、陰口の類いではないだろうが……。 「少し頭が悪いんじゃないでしょうか」 陰口だった! 瑞希はまたしても小さな溜息を吐く。「仕事を任されたからには何もしないわけにはいかないじゃないですか」
2016-02-09 11:50:01「『若者、若年層を指す1980年代の言葉。死語。元々英語であったが一般に使われるようになった』……おかげで答えがわかりました。『ヤング』」「ヘァッ!?」安部菜々さんの奇声とともに、パタンとクロスワード本が閉じられる。 「どうも初めまして、安部菜々さん、前川みくさん。真壁瑞希です」
2016-02-09 11:52:30「そういう、普段は意識しない環境音を“基調音”と呼ぶんです。その音を聴きなれた人にとっては、心休まる。特別意識はしないけど、その音がなくなると、少し寂しい。そんな音です。……それで私、思ったんですよ」電車がことこと、揺れている。「私がみなさんの“基調音”になれたらいいな、って」
2016-02-09 11:54:54「プロデューサー。私、そろそろ限界ですよ」何のことだろうか。「言わせるんですか、私に」言ってもらわなきゃ分からない。「……トイレに行きたいんです」瑞希は声を潜める。「そんなところまで録らなきゃダメですか」勿論だ。「絶対カットしてくださいね」永久保存版にしよう。
2016-02-09 11:57:40一日を録音する瑞希と、それを聴く三日後のプロデューサー!果たして瑞希の辿り着く一日の最後とは!?刮目せよ!
2016-02-09 12:00:19