ロケットであるかミサイルであるかは重要ではない。

ROCKET OR MISSILE? ロケットや宇宙が好きならこうしたミサイル・ロケット発展の年表を何度も目にしたことがあるだろう。これらその一部を除いて、いずれもミサイルでありロケットでもある。アトラスやタイタンがそうだ。 pic.twitter.com/I0l9XQFzaH

2016-02-08 15:30:23

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もちろん、北朝鮮はICBMの開発のためにロケット打ち上げを行ってきたのであり、それは冷戦時代の核軍拡競争に明け暮れた米ソもそうだった。米国初のICBMである「アトラス」は、ロケット推進の弾道ミサイルだった。その質量によりジェット推進は難しかったので、ロケットにせざるを得なかった。

2016-02-08 15:31:35

弾道ミサイルは時代を経るごとに進化・小型化し、ジェット推進の核ミサイルも開発されてきた。こうなるとロケットミサイルとは言えなくなるが、欧米ではこの核軍拡競争時代の呼び名がそのまま現代に引き継がれている。だから、ロケットと呼んだりミサイルと呼んだりする。

2016-02-08 15:32:12

「タイタン」はロケットでありミサイルであったし、「サターン」もロケットでありミサイルであった。つまり大型のロケット推進の飛翔体は、その積み荷が何であるかで、ミサイルかロケットかを区別される。しかし北朝鮮の報道を鵜呑みにはできない。弾道ミサイル開発を行っていることは事実だからだ。

2016-02-08 15:33:08

だから欧米各社の報道は「事実上のミサイル」という事実上の断定ではなく、まず公式主張の「ロケット」の表現を使い、それが「ミサイル」である＝人工衛星を軌道上に投入する"目的"がない飛翔体である可能性を示唆する表記にしている。

2016-02-08 15:34:01

だが英語ではロケットと弾道ミサイル併せてrocket missileと表現する場合があり、単純にrocketと表記しているからmissileのことではないと言い切ることはできない。いい例が、ヒズボラのロケット攻撃だ。とくにイスラエルの報道を見ると歴然だ。

2016-02-08 15:36:00

この単純に放物線を描く誘導装置を持たないロケットミサイルは、第二次大戦でドイツがイギリスに大量に投入したV2がその原型となっている。大戦後、米ソはドイツの技術者を奪い合い、宇宙開発と弾道ミサイル開発にしのぎを削った。弾道ミサイルとロケットは結局、軍用である限り明確に区別できない。

2016-02-08 15:36:54

つまり、軍事目的の打ち上げでないならば「民間ロケット打ち上げ」となり、軍事用ならば「軍事用ロケット打ち上げ」となる。今回打ち上げは「監視衛星」なのだから、民間ではなく軍事であることは明らか。ペイロードが弾頭であろうと人工衛星であろうと「ロケット」であることに変わりはないのである。

2016-02-08 15:37:47

次に問題となるのが、飛翔体の発射目的。放物線を描いて目標めがけて落下するのであれば、弾道ロケットミサイルであるし、衛星軌道上に何かを投下する機能を持つならば、それは宇宙ロケット。但し、安保理決議が弾道ミサイル開発と一体である発射を禁止しているため決議違反であることに変わりはない。

2016-02-08 15:39:33

ロケットであるかミサイルであるかという議論は、技術的にも政治的にも重要ではない。重要なのは、ロケット開発は長距離ミサイル開発と不可分であり、積み荷が弾頭か人工衛星かに関わらず、北朝鮮はその発射を明示的に禁止されており、各国はその思惑で呼称を変えているに過ぎない、ということである。

2016-02-08 15:42:09

ジャーナリスト志葉玲 @reishiva

北朝鮮は日本など相手にしていない―「長距離ミサイル」発射、蚊帳の外で騒ぐ日本の政治やメディア(志葉玲) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20160…

2016-02-09 09:19:33