丸子と大倉の11月26日

キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

1 「丸子、誕生日おめでとう！」 ちょっと恥ずかしそうに、でも満面の笑みで差し出されたプレゼント。 『ありがと♡』 頬が緩むのが止められない。 学校終わって忠義とデート。 今日は私の誕生日。

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2 ほんの少しの時間だけど、待ち合わせして手を繋いで歩いて、辿り着いたのはいつものファーストフード店。 ちっともロマンチックじゃないけど、いいんだ、こうして一緒にいれるだけで。 学校でみんなも勿論、おめでとう！ってお祝いしてくれた。 今日は一日中みんなに祝福されて幸せな日。

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3 『ね、開けていい？』 袋の中からガサッと袋を取り出す。 「ん…恥ずかしいからこっそり見てな？」 ちょっともじもじしてる忠義。 なんだろ？ 袋がかさばる割には妙に軽いし…。 綺麗に結ばれたリボンをほどいて中を覗く。 『…えっ？』 思わず絶句した。 「えっ？」

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4 固まってしまった私を見て同じように声をあげる忠義。 「な、なんかあかんかった？」 なんかあかんかったって…忠義…？ 全身が熱い。 顔が真っ赤になってるのがわかる。 『な、…んで、？』 貰ったものに対して何か言うのはどうかとは思う。

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5 でも…あまりにも忠義の真意が謎すぎて。 だって…えぇ…？ 隣の忠義を見ると、同じように真っ赤になって困った顔してる。 「え…丸子欲しいやつちゃうかった…？」 『えっ…？そんな事言ったこと…』 「だって前待ち合わせん時、俺行くまでそれ店の外からずっと見てへんかった？」

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6 『見てないよ！』 思わず大きな声を出してしまってハッと口を押さえた。 周囲の人たちがこっちを見る。 そしてまた興味がないようにそれぞれの時間へ戻って行く。 沈黙のままの私達。 多分…あの時のこと、だよね…？ 忠義が寝坊して、待ち合わせに30分くらい遅れてきた日。

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7 来るまでの間その辺の店をフラフラ見て、そして一件のショーウインドに釘付けになった。 多分あの時。 あの時見てたのは…。 『これじゃ、ないよ…』 「え…？そうなん？俺てっきり…」 『…』 「…」 しゅんって泣きそうな顔で落ち込んじゃった忠義。

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8 それ見て胸がズキッて傷んだ。 だって一生懸命考えてくれたんだよね？ 私が欲しいもの、喜ぶものって。 これ買うんだってどれだけ恥ずかしかったか…。 てか、どんな顔して買ったんだろ？ 一人で店行ったの？ 店員さんに相談して？ 自分で探して？ 想像したら笑いが込み上げてきた。

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9 「丸子？」 不思議そうに顔を上げる。 『…マネキンが着けてたネックレスが可愛いなーって思って見てたの、あの時』 「へ？」 『こんなの欲しいなーって』 「…そうなん？俺、てっきり…」 『これ欲しがってるんだと思って？』 「…うん」 怒られた犬みたいな忠義。

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10 『…可愛いよ』 「え？」 『自分じゃ多分買わないけど…可愛い』 「せやんな！？丸子似合うと思ってん！想像したら嬉しなってもーて…」 一瞬興奮したように話し出して、ハッとした顔でみるみるうちに声が小さくなる。 真っ赤になってもじもじしたまま、またふたりで黙り込んじゃった。

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11 想像って…忠義ってば…。 こんな可愛いの、逆に恥ずかしいけど…でもほんとに似合う、かな…？ 袋の中をもう一度見る。 私には想像できないけど…でも…。 『…ありがと』 「え？」 『嬉しい』 「…うん」 体をくたって椅子に沈み込ませて、ちょっと安心したように笑った。

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12 次の日。 （おはよ） 倉子だ。 『あ、おはよ』 （ねえこれあげる） 差し出された封筒。 『何これ？』 （誕生日プレゼント） 『昨日だけど？』 （あんた昨日とっとと帰ったじゃん。デートだったんでしょ？） 『そうだけど』 （傑作よ）

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13 ニヤニヤ意地悪い顔で笑いながら先行っちゃった。 …なんだろ、一体。 立ち止まって封筒開けてみる。 中に入ってたのは一枚の写真。 そこには…。 『…！倉子！？』 遠くからあははって笑う声が聞こえる。 ”廊下で騒ぎな！”

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14 『…った…すいません』 頭押さえてもう一度写真を見る。 色とりどりの下着が並ぶお店。 その中に男の人が一人。 顔真っ赤にさせて、でも真剣な表情でブラを手に取ってる。 忠義だ。

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15 昨日プレゼントしてくれたやつ。 薄い緑に薄いオレンジの綺麗なレースで、肩紐がリボンになってる。 揃いのショーツも同じリボンで横結ぶようになってて、可愛いのにちょっとセクシー。 家に帰って着てみて、鏡で見て、ドキッとした。 いつもと違う自分がそこにいた気がしたから。

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16 確かに忠義が言ってたようによく似合う、と、思う。 と同時に急に恥ずかしくなって、脱いでタンスに仕舞った。 だって私も知らない裸の自分全部を忠義に知られてる気がして。 サイズだってぴったりだったしさ…。 あぁもう…学校だってのにまた顔真っ赤だ、私。

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17 あれから忠義は、やっぱプレゼントやり直したい！って言いだして。 これでいいよって言っても聞かないから、じゃあ次のデートの時にねって約束した。 あのネックレス、まだあそこにあるかな？ 一緒に見に行って、それからいろんなお店探そ。

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18 でもさ、もしかして忠義のこと店員さん覚えてるんじゃない？ だってこんな真剣な顔して下着買いに来る男子高校生って…下手したら補導されそう。 どんな気持ちで選んでたのかな？ この写真見せたらなんて言うだろ？ やっぱ私だけの秘密にしようかな。

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19 あ、でも倉子見たんだ。 後で脅しとかかけそう。 てか、何であの二人あんな仲悪いんだろう？ 顔合わせるたびに悪態突き合って。 私達が知り合ったのだって倉子が間にいたからなのになあ。 何かあったのかな？ ま、いいか。

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20 本当は忠義がくれるものなら何でもいいんだ。 私のこと考えながら、私の為に選んでくれたものなら。 ただ今回は余りに予想外だったから吃驚したけど。 その気持ちがね、何より嬉しい。

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21 『初めての時に着けてくね？』 そう言ったらみるみる真っ赤になって狼狽えて足もつれさせて転んじゃった。 「…アカンって…」 ぽつり呟く忠義に、笑いながら手を差し出す。 ありがとう忠義。 大好きだよ♡ pic.twitter.com/vu9TtF0LUs

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