【ミイラレ!第三十話:『サバト』のこと】(実況付き)
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「理由は二つございますね」困惑の眼差しを真っ向から受け止め、巡は言った。「まず襲撃への備えです。一応ここは神域であるとはいえ、その気になれば潜り込むことのできる怪異がいる。若旦那を一人にして、寝込みを襲われるなんぞもってのほか」「いや、まあ、そうだけど……」12 #4215tk
2016-03-01 20:12:06「二つ目」四季に二の句を継がせることなく、巡は続ける。「特に役立ったわけでもありませんが、まあこいつらも疲労困憊。少しでも早く回復させるためにも、若旦那のお力添えが必要です」四季を見つめるその目には、一切の抗弁を受け付けぬという強い意志が滲み出ていた。13 #4215tk
2016-03-01 20:17:23「故に、ま、肉屏風ですな。山ン本組頭領としての役得です。素直に受け止めてやってください」あっさりと言ってのけた鬼女に、四季は思わず眉根を寄せた。正直に言うと、その環境はつまり、困る。この歳になってそれは恥ずかしいというのが彼の偽らざる気持ちだった。14 #4215tk
2016-03-01 20:20:14「うー……その、みんなはそれでいいわけ?」なんとか回避の糸口を探そうと、四季は昆虫怪異たちに声をかける。当の彼女たちは寄り集まり、なにやらひそひそ話を始めていたところだった。「……え?ああ、いいんじゃない?この部屋広いしさ。問題ないだろ」15 #4215tk
2016-03-01 20:24:41気のない様子で答えたのは飛羽だ。ぼかんと口を開ける四季を尻目に、彼女は仲間たちへと向き直る。「で。位置どうするよ、位置」「アタシ頭領の隣がいいナー」「うぅむ……私がお側に寄ると、他の邪魔になるしな」「蜘蛛足ではな。まあ、希望者が頭領殿の近くに行けばいい」16 #4215tk
2016-03-01 20:28:17和気藹々と場所取りの相談を始めた彼女らに、四季は思わず天を仰いだ。どうやら反対するものは一人もいない、らしい。「結構なご身分ですな」巡がにやりと笑みを浮かべる。恨みがましげに視線を向けた四季は、昆虫怪異の一人が巡の側に忍び寄っていることに気づいた。17 #4215tk
2016-03-01 20:32:15「……で。お前は何の用だ、貴崎」振り向きもせず巡が尋ねる。忍び寄っていた蜂の怪異、茜はびくりと震えた。「え、えーと。その、めぐりんに質問がね?」「言ってみろ」「めぐりんも同じ部屋で寝るのよね?」「はぁ?なんであたしが」「寝るよね」すかさず四季は口を挟む。18 #4215tk
2016-03-01 20:36:10巡が無表情に四季を見る。四季は逃げることなく視線を受け止める。せめてもの意趣返し。なにやら尊敬の眼差しを向けてくる茜は、まあこの際気にしないことにした。「……見つめ合っちゃってまあ。ボクがいない間に随分仲良くなったもんだね」そこに、声が割って入った。19 #4215tk
2016-03-01 20:40:13混沌たるお泊りイベント!ここからどうなる!? 個人的にはさりげなく場所を譲る百恵さんと颯さんがカワイイだったぜ #4215tk
2016-03-01 20:44:17