『原子力は、僅かな燃料＝資源から莫大なエネルギーを生み出すので、化石資源に比べて圧倒的に優位とするドグマ』コロラドさんによる検証(2016.3.3作成) (2ページ目)

21tの濃縮ウランは、100tの天然ウランに相当する。 100tの天然ウランは、五万トンのウラン鉱石に相当する。

2016-03-03 18:57:16

なお、ウラン鉱石の精錬は、基本的に鉱山に隣接した工場で行われる為。ウラン鉱石が長距離輸送される事はない。イエローケーキ（U3O8）として輸送される。

2016-03-03 19:45:45

1977年9月22日に、福島第一5号炉は初併入に失敗して、深夜に再度併入したのだけど、その時起こった事が今回の高浜4とそっくり。やはり、満場の拍手の中併入操作したら、警報が鳴り響いて、発電機が止まっちゃった。原子炉はスクラムしなかったみたいで、夜に再度併入して完成。

2016-03-03 20:18:02

したがって、精錬後の輸送という点だけに絞れば、確かに先程のPAの絵は通用しないでもない。しかし、輸送そのものは、化石燃料においてはパイプラインか船舶輸送（積み出し港まで鉄道）であって、輸送にエネルギーを殆ど要しない。また、生産地から消費地まで直送となる。

2016-03-03 20:56:38

なお、石油は、原油を石油精製工場まで送り、精製後、国内物流にのせるので少し違う。石油精製によって商品価値のとても低い重油が残るが、これを棄てる訳に行かないので、燃料や、石油火力などで燃やす。精製工程の高度化で重質油分は減っているが、石油火力は重油の処分用途で今後無くなる事はない。

2016-03-03 20:59:40

その一方で、核燃料はかなり特殊で、まず、鉱山で膨大なウラン鉱石を採掘し、近隣の精錬工場でイエローケーキにする。この際、99~99.9%が鉱滓となり、現地に廃棄される。これにはトリウムなどの娘核種とウランが含まれ、ウラン鉱山特有の環境問題を引き起こす。ぼた山も放射能を持つのだ。

2016-03-03 21:02:42

一方で、イエローケーキは、もとのウラン鉱石の1/500~1/100の質量になる。核物質防護を要するが、輸送の負荷は大きく減じる。例のPA資料に見るトラック1台とか言うやつだが、天然ウランなので、量は5倍となる。

2016-03-03 21:06:46

これらの天然ウランの殆どは海を渡って合衆国に行き、そこで転換、濃縮、再転換を経て、日本に戻ってくる。その上で、国内（国外）で核燃料（二酸化ウラン燃料）となる訳だが、この間にエネルギー資源としては他にあり得ないほどのエネルギーと手間と時間を投入されている。

2016-03-03 21:09:06

結果として、かつては、ウラン燃料から莫大なエネルギーが得られるので、そのエネルギーはただみたいに安くなるとしていたものが、化石資源と同程度か、（総費用で）より高い代物になってしまった。結局、PAに見られる嵩の大小は無意味なだけでなく、錯誤を引きだす詐便法となっている。

2016-03-03 21:12:27

まとめ

コロラドさんによる原子力発電単価試算(2015.5.27) 1824 pv 53 1

『原子力は、僅かな燃料＝資源から莫大なエネルギーを生み出すので、化石資源に比べて圧倒的に優位とするドグマ』コロラドさんによる検証(2016.3.3作成)