アラサー崖っぷち審神者が婚活するようです

刀剣男士にも協力できる問題とそうでない問題がある。これも、その一つ… 不定期にちまちま更新します
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植物 @sunnyway_bamboo

さにわ「無いものだらけじゃない。友達、親、育った風景、知ってる道、駅…灰色の空気、吸い殻の臭い、忙しそうな人たち、ドブの臭い、汚いアスファルト」 山姥切「なんだ、そんな」 さにわ「良いものじゃないでしょうけれどこれはッ!」 山姥切「…観念しろ。この世界だって現実だ」

2016-10-13 14:53:52
植物 @sunnyway_bamboo

さにわ「えっ…?」 山姥切「結婚願望、退職希望、外界許可。すべて現実逃避なんだろう。それが今はっきりした」 さにわ「すべてって、ちょっと!結婚願望は本当だって!」

2016-10-13 14:54:19
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「…あんたは死にそうな顔をしていた。心が死ぬ前に逃げようと審神者になった。それも、審神者についてあまり説明がないままに」 さにわ「…」

2016-10-13 14:54:57
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「あんたにとってこの場所は今までのあんたの「現実」から乖離しすぎているんだろ。だから、自分がいることを確かめたくて現世の人間に会いに行く。現世の空気を吸いに行く。結婚相談所とやらに登録してそこからの連絡を待つ」 さにわ「そんなっ…」

2016-10-13 14:55:16
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「口で俺たちを道具と呼ぶのは自分に再確認させるため。それでも接し方が人間扱いで、結局面倒なほど遠ざけるのは寂しさと逃避の入り混じった結果だ。全く、これで不満が持たれないと思ったのか」 さにわ「っし、仕事はきちんとしてるじゃない!出陣、手入れ、内番管理、装備指示、報告書!」

2016-10-13 14:55:57
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「業務は現実感を持たせるからな。あんたの指示についての不満は少ない」 さにわ「じゃあ!」 山姥切「だが、本丸は住居でもある。それを認めようとしない姿勢が面倒だ。いい加減に腹を括れ。見苦しいぞ、審神者」 さにわ「だ、だって…だって…!」 山姥切「どこに退るんだ」

2016-10-13 14:59:26
植物 @sunnyway_bamboo

さにわ「もう、なんであんたはそうやって人の逃げ道を詰めていくの?!人間一年目のくせに!」 山姥切「俺達が人間を見てきた年月はあんたの歳の何十倍あると思っているんだ」 さにわ「意識あんのかよ!」 山姥切「百年あれば名匠の作でなくとも大抵のものは持つ」 さにわ「MAJIKA!

2016-10-13 15:03:53
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「おい、それ以上敷居の端に足をのせていると門が閉められないぞ」 さにわ「…わかったよ」 山姥切「俺は何も現世を捨てろと言っているわけじゃない」 さにわ「わかってる。私が」 山姥切「この本丸の敷居をまたぐときに「ただいま」と言うようになれば、それでいい」 さにわ「…」

2016-10-13 15:09:26
植物 @sunnyway_bamboo

山姥切「あんたが「壁を作らなくてはいけない」と自分に課さなくなればいい。戦う役割としてだけでなく俺達に頼れるようになれば、それがいい」 さにわ「…」 山姥切「あんたが思うほど俺達はあんた個人に無関心ではないんだ」

2016-10-13 15:13:22
植物 @sunnyway_bamboo

【あらさーこんかつ閑話】 にっかり「そういえば君の父親の話は聞かないけれど、何をしている人なんだい?」 さにわ「地元の農業組合の組合長。多分次の選挙に出馬すると思う」 にっかり「君の実家が田舎であることは伝わったね」 さにわ「というかお母さんの話もしたことないんだけど」

2016-11-04 09:37:29
植物 @sunnyway_bamboo

にっかり「そうだっけ。あれ、でもみんな彼女が66歳で家庭菜園が趣味で得意料理がサバの味噌煮だってことを知っているよ」 さにわ「怖えわ!なんでだ!」 にっかり「ああ、君の部屋にあった手紙か」 さにわ「入るなっつってるそばから!そんで回し読みしてんじゃねえよ!」

2016-11-04 09:40:05
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にっかり「そんなに揺さぶられたら折れてしまうよ。…僕の首が」 さにわ「この野郎致命傷になりかねないものを余裕ぶっこきながら実況しやがって」 にっかり「僕達には君の時代の現世の庶民の生活が珍しくて面白いんだよ。家に入って見る機会もないし」 さにわ「人をサンプルにすんな」

2016-11-04 09:44:20
植物 @sunnyway_bamboo

【あらさー本丸閑話】 加州「和泉守さあ、あの主に疲れたりめんどくさくなったりすることってないの?」 和泉守「あるぜそりゃ。だけど、どんな奴でも主は主だろ」 加州「その通りだけどさ。和泉守、ああいう女苦手そうじゃん。俺は気が合うけど」 和泉守「近侍は主の指名だから俺に言ってもなあ」

2016-11-04 10:15:21
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加州「い、いや別にそういう意味じゃないって。確かにそれも少しあるけど」 和泉守「慣れればなんでもねえよ。それに、駄目なやつほど世話したくなるもんだろ」 加州「うえっ、なにそれ」 和泉守「ま、酔っぱらいの世話は何度やっても辟易するがな!そら隙あり」 加州「あっ、最後のおかき!」

2016-11-04 10:20:26
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【こんかつさにわ】 さにわ「新年っつってさ」 同田貫「ああ」 さにわ「あんたらの分料理とか酒とかあけてさ。宴会にしてさ」 同田貫「ああ」 さにわ「その片付けしてさ、こうやって大広間にぐだってしてるとさ」 同田貫「なんだ」 さにわ「去年は何もできなかったよなって虚しさが襲ってくる」

2017-01-02 22:12:30
植物 @sunnyway_bamboo

同田貫「何もできなかった。そう思ってんのか」 さにわ「戦場は拓いたけど、それは審神者としての義務で当然のこと。仕事だもの。けど、やっと色々進むかな?って思った人とは会う度に差を実感するし、山姥切国広がここの所荒れてて戦場で突っ走るとかして面倒かけてるって報告が連日来るし」

2017-01-02 22:19:55
植物 @sunnyway_bamboo

同田貫「あんたにとって「なにかできた」って、なんだ?」 さにわ「そう具体的に聞かれるとわかんないなあ。今のところは…結婚か」 同田貫「それは前に言っていた理想そのままの男に嫁入することで変わらないのか?」 さにわ「あれはあくまで理想だよ。結局、口に出してる時点で半分諦めてるんだ」

2017-01-02 22:29:12
植物 @sunnyway_bamboo

同田貫「ある程度は妥協してもいいわけだ」 さにわ「そうだね。それに、妥協とも思わないかも。ああ、達成できた。自分を愛してくれる人がいて、その人を自分も愛せるんだ。ってそれだけで僥倖ってくらいだよ」 同田貫「…そういうものか」 さにわ「結婚に限れば大抵の人はそうだと思う」

2017-01-03 00:26:34
植物 @sunnyway_bamboo

さにわ「有り体に言うと需要過多なの。昨今の日本の人間社会はね」 同田貫「理解はできた。そうなるとあんた、最近会ってる例の男のことは愛せていない上、そいつもあんたを幸せにしてはくれてないってことなのか」 さにわ「いい人ではあるんだよ。私が合わせられないだけ」

2017-01-03 00:36:43
植物 @sunnyway_bamboo

さにわ「そもそも「誰かを愛せる」くらいの余力をもつことが難しくなってるから。「誰かに愛してもらえている」って実感がないからどんな形でどんなに小さくてもそれを感じられることがこの上ない幸せなんだよ。だから、お互いにその気持ちを持てる相手がいるっていうのは、代えがたいものになる」

2017-01-03 00:33:36
植物 @sunnyway_bamboo

同田貫「つまりは合ってないってことなんじゃねえの」 さにわ「…だよね。ところで同田貫はどうしてずっとここにいるのかな。そりゃ非番だからどこにいても自由だけど、誰もいない大広間でひっくり返ってる私の脇にずっと座ってるのは何かな、もしかしてここで何かしたかったの」

2017-01-03 00:42:40
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