君と繋ぐ物語

ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 51】 《では今からお越し頂けますか？》 慌てて着替えを済まし 用意していた荷物を持って車に乗り込む 『こいつ、ちゃんと分かってんねんな』 ｢亮ちゃんのお休みの日も把握してたね 笑｣ まだ産まれてきてもないのに 両親想いの赤ちゃん

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【RYO story 52】 『やっぱ俺らの子供やな 笑』 そう言ってるうちに病院に着いた 救急の入り口から院内へ入り 分娩室を兼ねた部屋に案内される 渡された入院着に着替えベッドに滑り込んだ 腕に心拍数をはかる機械をつける これで陣痛の間隔がわかるらしい

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【RYO story 53】 指には酸素をはかる機械 『色々付けんねんなぁ』 ｢ほんまやね｣ 時々、先生や看護師さんが覗きにきて 産道や陣痛の確認をする (陣痛って、そんな痛ないねんなぁ…) 余裕こいてた お昼を過ぎると 痛みが増して顔が歪む 『大丈夫か？』

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【RYO story 54】 返事が出来ないくらいの痛みに 首を横に振ることでしか答えれない 《良かったら手握ってあげてて下さい》 看護師さんに言われて 手を握ってくれる彼 時間が経つにつれ 痛みが 強くなり、間隔も短くなる 『っ！』 辛そうに見守る彼の姿

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【RYO story 55】 だけど声をかける余裕すらない いつの間にか 先生と看護師さんが部屋に来ていて 《産道が開ききってるんで出産始めますね》 《合図したらイキんで下さい》 《上手いですよ、その調子でっ》 励ましてくれる看護師さんの声が頼りだった

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【RYO story 56】 《頭見えてきましたよっ》 《あと少し頑張って下さいっ》 意識を手放さないように 叫んでしまわないように それだけで精一杯だった (もぉ嫌やっ！痛いっ！) 何度も止めたいと心が叫ぶ 溢れる涙が頬を伝い汗ばむ額

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【RYO story 57】 私の手をギュッと握りしめる 彼の手が支えだった PM16:02 〈おぎゃ～〉 微かに聞こえる弱々しい泣き声 《産まれましたよっ！》 《よく頑張りましたねっ》 口々に労いの言葉をかけてくれる 《お父さんにそっくりな男の子ですよ》

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【RYO story 58】 そう言って胸に抱かせてくれた 『お疲れさん…っ、ありがとうな』 私の頭を撫で潤んだ瞳で見つめる 『今日からママとパパやな』 ２人で歩いてきた道も 今日から３人で歩いて行く ｢何かパパとママって…恥ずかしいね//｣ 『…恥ずいな//』

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【RYO story 59】 躓くこともあるだろう 挫けそうになることもあるだろう ｢あ、パパお帰りっ｣ 『ただいま。 ママの言う事ちゃんと聞いとったか？』 だけど３人一緒なら きっと大丈夫だよね 《end》 pic.twitter.com/CByzvxPlis

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